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「草が土へとつながる」

草が土になると言っても、案外信じられないという人が多い。

土と砂は同じものではない。土は過去に生きてきた生物たちの屍が堆積し、土壌動物や微生物によって分解したものが、粘土に付着したものである。

山を見ると枯葉が堆積している。その枯葉はいつまでもそこにあるわけではない。数年という月日を経て、ゆっくりと土に変化していく。植物はそれを栄養として育ていくのである。

だが、根は役割を終えると、僅か3ヶ月ほどで土に還っていく。空気中の枯草菌よりも、土壌中の腐生微生物の方が圧倒的に分解能力が高いからだ。

だから、草を積み上げ、僅かな土を上にかけておくだけで、やがて全てが土になっていく。たった3ヶ月、90日、2160時間の事なのである。

写真は仙台の連続セミナーのもの。4月に全員で草抜きをし、その草を積み上げておいた。根には土がついている。その上に土をもう一度被せる。

7月か8月にはすっかりと土になる。元の土よりも遥かに黒々とした土になる。その土の中には、植物が必要とする必須元素は全て存在する。何故なら、必須元素が揃っているからこそ草となったからだ。

目の前で体験すると、全てを理解する事が出来る。何故、無肥料栽培や自然栽培、自然農法の人たちが草を大事にするのか。その理由は、それが植物を育てるための全ての栄養素を含むからだ。

植物は成長ホルモンで育つ。それは事実であろう。だから、成長ホルモンを出させる事が大切なのは当たり前だ。だが、自然の循環を無視してはいけない。この循環を止めてしまうから、ずっと豊かな土が作れないのだ。

大自然の恵みに感謝する。言葉にするのは簡単だ。だけど、本当に感謝しているのなら、今、あなたが食べるものが、大自然に対して何をしてきた結果のものなのかを考えるべきだ。

生まれてくる草を大切にし、落とされた種を大切にし、そこに徘徊する虫たちを大切にする栽培。それが次の食べものを生むための絶対条件なのである。

たくさん採れればいい、大きく育てばいい、土なんかどうでもいい、そう考えて作物を作るのは、やがて自然が作り出す命のリレーを止めてしまう行為かもしれない。

草は土へとつながり、そしてまた草へとつながる。その事を忘れてはならない。

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