県民ホール寄席300回記念のスペシャルプログラム。県民ホール改装中につきもみじ坂の神奈川県立音楽堂にて。

談春師の司会で口上。五代目小さんが亡くなる前の年の口座で孫である花緑師をほめてくれた話とか、それぞれ師匠の前方で上がった県民ホール寄席の想い出など語りつつ、爆笑トークへ。主催者は談春と志らくの区別がついてなかったとか市馬師匠がチ○ポコと言ったとか、いろいろ。

談春:鮫講釈
花緑:つる
志らく:親子酒
(仲入り)
三三:夢の酒
生志:道具屋
市馬:掛け取り美智也



トップバッターは談春師。10分の予定だった口上で25分かったのを詰めるため、(そしてトリが歌う時間を確保するため?)「兵庫船」をいきなり海の上の場面から。なので演目は「鮫講釈」で正しい。しかもかなりハイライト抜き出し。とはいえ、言い立てはみっちり。絶品。

2番手は花緑師。冒頭はお詫びから。口上で談春師がしきりに言っていた「県民ホール寄席25周年」というのは「300回」の間違いで、実際には30数年目。談春師もソデから出てきて頭を下げる。五代目小さんの想い出話の続きから演目は「つる」へ。軽い噺ながら熱演。鸚鵡返しのくだりがいささかくどいか。

県民ホール寄席には何の思い入れもないという志らく師。同じく小さんネタで「親子酒」。酔っ払い親子の会話の中に毒舌のアドリブをたっぷり。円丈師の『落語家の通信簿』とかちゃんと読んでるようで。

仲入り後は三三師。サゲを変えたこの話を「夢の酒」と言っていいのかわからないけど、やきもち焼きのおかみさんから大旦那から小僧まで安定して演じ分ける確かな芸がさすが。

膝がわりは横浜が地元の生志師。取りに帰ったのか紋付袴で登場。でもネタは普通に道具屋。与太郎と脚の会話の中にさりげなく新刊『ひとりブタ』の宣伝なども入れ込みつつ。

そしてトリは「掛け取り」に名を借りた市馬歌謡ショー。相撲の呼び出しから相撲甚句、そして三橋美智也へと自慢の喉を披露。年配客には大ウケ。under40には何だかよくわからないんじゃないかという気もするものの、気持ちよく歌う市馬師に会場全体が魅了される。このライブ感が落語。

年の瀬のひと時を楽しく過ごさせていただきました。
しかし、どこから出てきたのか25周年。
気がつけば約三ヶ月ぶりの生落語(寄席は一年ぶりくらいか、あるいはそれ以上。国立は三年ぶりくらいか)
歌丸、鯉昇、文治と、芸協を代表する顔付。

【演目】
柳若:のめる
ボンボンブラザーズ:曲芸
枝太郎:新作(演題不明)
コント青年団
鯉昇:へっつい幽霊

仲入り

文治:擬宝珠
桧山うめ吉:俗曲
歌丸:鰍沢

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遅れて到着。入場を控えてロビーのモニタで鯉ちゃ改メ柳若さんの「のめる」を途中から。

花丸改メ枝太郎師匠。真打になったのは2009年だったか。月日のたつのは早い。ネタはフワフワとした感じの新作。「相合傘」とか、そんな感じの?

鯉昇「へっつい幽霊」は道楽者の若旦那付きの、登場人物が一人多いかたち(こっちが元なのか?)

平治改メ文治。気の病に臥せた若旦那のもとを八五郎が訪れたところが「恋煩いなんかじゃない」「前座は早合点してネタ帳に『崇徳院』と書いたはず」「もうすぐ夏だから『千両みかん』だと思ったかい」などと登場人物に言わせて珍品の「擬宝珠」へ。どことなく演出が柳家権太楼的。。

桧山うめ吉姐さんの俗曲と踊りで和んだあと、お目当て「鰍沢」。滑舌が良く早口になり過ぎず、初心者にもわかりやすい、安定の歌丸節。
8年目の一ヶ月公演。
土曜日だからか、例年より客層の年齢高めの印象だがそうでもないか?

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【演目】
親の顔
質屋暦
(お仲入り)
百年目

マクラは阿川佐和子「聞く力」や馬鹿と利口の話などからサクッと「親の顔」へ。安定のクオリティ。

二本目のネタおろしは、世界滅亡かと話題になったマヤ暦の話題を取っ掛かりに、旧暦から新暦へ移り変わった明治5年の世界をモチーフにした話。
恒例のスライドによる前振りも含め、前提を共有すべく周到に仕込む。労作だが、ちとプレゼンぽいか。

最後は「百年目」。
意外といってはなんだが、志の輔師の人にあった噺と発見。旦那に遊びが見つかったあとの番頭の心の葛藤を一人芝居的に表現するくだりは、演劇にも傾倒していたという志の輔ならではの演出か。

終演21時30分。たっぷりの千秋楽でした。
21人抜きの大抜擢で話題の新真打の独演会。
独演会と言いつつ、豪華ゲストはきちんと用意されているところに主催者のわかりやすい配慮が見られるがw
その甲斐もあってか満席。

一之輔:茶の湯
喬太郎:猫久
お仲入り
一之輔、喬太郎、恩田えり:鼎談
一之輔:徳ちゃん~五人廻し

一の輔師匠の守破離の「破」を見た感じ。
「茶の湯」は二つ目時代にPodcastで聴いたものとだいぶ違っていて、登場人物がかなり狂ったことに。キャラクターの人格のいじり方が、林家たい平的というか、ちょっとやり過ぎな感もあって、元に戻して欲しい気もする気もちょっとだけするものの、今後どこに収束するのか楽しみではある。

キョンキョンは猫久。生の高座で、生きてる落語家で聴くのがはじめての噺。
あとの鼎談で「ゲストは気が楽。地味な噺とか安心してできる」という趣旨のことをおっしゃっていたが、もちろん主役を立てるための計らいであることは言うまでもない。とはいえ、こういう噺を本寸法で演ると、それはそれで抜群に巧い。

出囃子の恩田えりさんも登壇して鼎談。日大つながりということらしい。オール日大寄席の話など、かなり落語マニアな趣向だけど、ごらく茶屋の客層的にそれでいいのか謎(というようなことを喬太郎師もおっしゃっていた)。
ここで一の輔師匠の出囃子が大師匠(小説『江戸前の男』のモデル•先代春風亭柳朝)の「さつまさ」に変わったことが披露される。もちろん気づいてたけど。
ちなみに恩田えりさんが生まれて初めて落語を聴いたのは、一之輔師の兄弟子である当代柳朝師が同じく日大の落研時代に、授業前の大教室に入ってきて一席やったのだそう。

一之輔師の最後の一席は、珍品の「徳ちゃん」から続けて十八番「五人廻し」。
廓を舞台にした二つの噺がうまく噛み合って、これまた見事な進化。
落語というエクスペリエンスを堪能させていただきました。

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県民ホールではなく、紅葉坂の県立音楽堂にて。

昇太&たい平:フリートーク
昇々:転失気
昇太:人生が二度あれば

中入り

あずみ:三味線漫談
たい平:らくだ

冒頭三十分の掛け合いでほとんど元が取れた感じ。あと、二人のお弟子さんというのを初めて見た。

昇太さんの一席は、「はじめての落語」にも収録された噺。勢いで押すこの人の新作の面白さは、CDや本では伝わらないなと再確認。すごかった。

たい平さんは古典。「らくだ」の途中まで(カミソリ借りてこい、貸すの貸さねえのぬかしたら、カンカン踊りを…で切るパターン)

豹変する屑屋の描写は絶妙。
酔って度胸の座った屑屋が、悪党に堕ちた長の目の半次に心を開かせるという演出は
もう「らくだ」本来のテーマを超えて、何がなんだか。
ほとんど新作のような新解釈。作り込みすぎた感じもしないではないけど、
まあ、これはこれでありなのかな…。


「島田紳助」など、今風のくすぐりを入れるのはお手のもの。こまめにアップデートの必要がありだろうけど、旬を取り入れること自体は、この人らしくて好き。


ところで、お弟子さんが三味線漫談の中でかけていた「ぎっちょんちょん」は、
誰の出囃子だったっけ?


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上野・鈴本演芸場

柳家喬之助:宮戸川
三増紋之助:曲独楽
橘家圓太郎:粗忽の釘(途中まで)
ロケット団:漫才
古今亭菊之丞:酢豆腐
柳家甚語楼:権助芝居(一分茶番の途中まで)
鏡味仙三郎社中:太神楽
橘家文左衛門「のめる」
 仲入り
柳家紫文:粋曲
権太楼:厩火事
林家正楽:紙切り
柳家さん喬:雪の瀬川



・柳家を中心に安定感抜群のラインアップ。心地よく楽しませてもらいました。

・トップバッターは喬之助さん。「続きはウェブで」という昨今の広告手法についてのマクラから「宮戸川」へ。これがきちんと複線になったとは。続きは寄席で。

・みなさん、マクラに酒井法子ネタが多い。でも、ロケット団はやらなかった。ネタはいつもの「セキュリティ」とか。面白いんだけど話のふり方が強引。

・文左衛門師で中入り。粗忽者を演じながらも、どこか斜に構えた原題の不良少年っぽさがにじむのは縁者のキャラか。ばかばかしい話を最後まできっちりとp楽しませてくれてよかった。

・権太楼師「厩火事」。この師匠の描く「強い女」シリーズを聞くのが好きです。「青菜」「町内の若い衆」「火焔太鼓」…。

・トリはさん喬師「雪の瀬川」。吉原を舞台にしたメロドラマ的人情噺といった趣。登場人物すべて情の深い人ばかりという、ありそうでない演出。それを文芸的描写を交えて、徹底して湿っぽく語り込まれると、聴く側は息を呑んで先の展開を見守るしかない。満員の鈴本をしんみりとした空気で纏め上げる力量のすごさ。堀井憲一郎さんの言う「集団トリップ遊戯」とはまさにこういうことなのでしょう。集団催眠を解く呪文が「昔々のお話でございます」ってのが、またいい。新鮮な体験でした。


落語がいちばん
気がつけば月末。今月、落語聞かなかったなー。

またまたJALの機内放送の収録会へ。
木戸銭1000円で4派+上方の有名落語家や、テレビにも出る漫才やピン芸人を見られるコストパフォーマンスの非常に高い落語会。


開口一番(歌る美):子ほめ
白酒:真田小僧
タイムマシーン3号:漫才
扇遊:たらちね
(仲入り)
ぴろき:ギタレレ漫談
鶴光:竹の水仙


・前座は5月に聞いたときと同じく歌る美さん。また「子ほめ」。今日はかまなかったw

・続いて白酒師は「真田小僧」。愛嬌のある子供がいい。よく通る声。この人は安定感抜群で心地よく聞かせてくれる。今度、独演会とかあったらいってみよう。

・ぴろき初体験。「明るく陽気にいきましょう」が耳に残る。風貌が目の奥に残る

・トリは鶴光師匠。「ホンマに高齢化社会でんな」のマクラから十八番「竹の水仙」へ。すべてが予定調和なんだけど面白い。「竹の水仙」は以前にBS笑点で17分でまとめておられたのに驚嘆したけど、トリでみっちりやると(といっても、30分くらいだったと思いますが)やはりききごたえがある。宿屋の亭主の右往左往ぶりは上方のほうがはまる。
於・内幸町ホール。
春風亭一之輔さんの独演会。
お足元の悪いなか、開演。
満杯の入り。

開口一番(立川こはる):家見舞
一之輔:欠伸指南
一之輔:船徳
(お仲入り)
ロケット団:漫才
一之輔:青菜

・開口一番はこはるさん。めくりを返してるとこは何度も見たことあったけど、話を聴くのは初めて。少年のような風貌と声質だけど、口調はいい。2年間(だったかな?)家元に女と気づかれなかったというマクラも面白かった。

・一之輔さん登場。女のお師匠さんのマクラだったので、「稽古屋」かと思ったら、「あくび指南」へ。なぜわざわざあくびを習いに行くかという必然性を持たせたのか、変わった演出。一之輔さんは大きな声を出すのが面白いんだけど、この噺でそれをやるとは(あとで一之輔さんのブログを覗くと、この会のテーマは『情熱~パッション~』だったのだと。なるほど)


・夏の噺二席目は「船徳」。わりとドタバタ系。結構だったけどちょっと長いか。

・ちょっとつかれてきたが、ロケット団で目が覚める。三浦さんが一之輔さんに「初天神」を習って高座にかけた話が可笑しかった。子どもが外国人になってるとか。聴いてみたい。「進退窮まったことを表す四字熟語」で「麻生総理」など、いつものパターンでも、細かいギャグがバージョンアップしてるところが好き。

・最後は「青菜」。「鞍馬から牛若丸が…」のやりとりを植木屋はバカバカしく思ってた、という解釈。夫婦のやりとりはこれまた大声出しまくりの大熱演。一之輔さんらしさというのはこういうことかと膝を打つ一席。すばらしい。

終演は9時半過ぎ。 会場を出ると大雨だった。




人気者二人の会でよみうりホールほぼ満席。
12時開演って何なんだ…。

開口一番(喬之進):金明竹
喬太郎:井戸の茶碗
(仲入り)
談春:寝床

・キョンキョンはインスタントラーメンのマクラなど、漫談で逃げるのかと思わせて「井戸の茶碗」へ。「欲望に正直な清兵衛」「150両で娘を売るんですね」など、喬太郎流の新解釈がすごい!! さん喬師がやる泣かせる系と真逆というか、同じ演目とはとても思えない。

・談春師はたっぷりと「寝床」。「弟子が師匠を破門する。私ももやってみたい」のマクラがこれほどぴったりと合うのは、この人しかいないだろう。
於・深川江戸資料館小ホール

たまに行く、JALの機内放送収録会。


開口一番(歌る美):子ほめ
三遊亭兼好:高砂や
昭和のいる・こいる:漫才
鈴々舎馬桜:明烏
(仲入り)
コージー富田:ものまね
桂三枝:メルチュウ一家

これだけのの面子で1000円は超破格。
当日券あるか心配だったけどどうにか入れた。

・歌る美さん。初めて聴く。「子ほめ」なのに、のっけから「こんにちは大家さん」とやってしまう。笑わせるのでなく笑われる展開。ペース崩し、ぐだぐだ。とにかく最後までやるのが精一杯だったよう。試練ですな。

・兼好さん。古典らしい古典で、かつ決して奇をてらうというほどいじってはいないんだけど、きちんと自分の世界になってる。ちょこちょこと差し挟むクスグリも、無理に今っぽくせず、自然に笑いがこみ上げる類のもの。こういうのは大好き。

・コージー富田さん。ものまねでつないで「浦島太郎」を語りきる。サゲまで付いて、ある意味立ち高座の一人落語とも言えそう。鶴瓶、伸助、タモリ、阿藤海など、鉄板のネタに加え、松村やコロッケなど物真似芸人の物真似という離れ業をもやってのける。テレビじゃ見られないだろう見事な芸。

・トリは三枝師匠。新婚さんのマクラから携帯電話の話へ。遠く離れて暮らすおじいちゃんに携帯電話を渡す顛末を描いた話。老人とケータイ文化のギャップからポンポン飛び出す笑いの質の高さもっさる事ながら、話の構成が見事。三枝さんって生で聴くとこんなに面白いんだと再発見しました。