なんだかんだの入れ替えにて、いま、広い囲いには月下、千代、黒姫の3姉妹が一緒にいます。
ごはんも一緒。
そう、でも、元は4姉妹ですね。
はは、鈴女だけ、後ろにいました。
去年の子供の日に、四女の鈴女は岐阜県に巣立っていきました。
ゴールデンウィークの休みを利用し、片道8時間の道程を経ていらっしゃったT様ご一家。
そのお父様は猟をやってらしたんですね。
猟能優秀な北海道犬はいるのだけれど、紀州犬や四国犬はどうなんだろうか?と、そんな思いで我が家から有色の紀州犬と、鈴女を引き取られました。
11月には猟が始まるからと、それに向け育てていく、と楽しみなご様子だったのを覚えています。
もう一泊されるのですか?と奥様に尋ねたところ『この人、犬が心配だから帰るんです』とおっしゃいました。
分かるなぁ、その気持ち…。
そう、思いました。
その後、2頭は活躍しているだろうか?
ふっと、気になっていました。
と、そんなところに届いたお便り。
そこには2頭の写真が同封されていました。
当犬舎名、銀牙の郷から、『ぎんが』と名付けて下さったとのこと。
そして、鈴女こと『すずめ』。
あぁ、変わらない。
4姉妹で1頭だけ、父犬のはやてに似ているんだよね。
2頭とも元気そうで、ありがたいなぁと。
お便りを読み始めました。
しかし、そこにはとてもとても悲しいことが書かれていました。
その後の8月、お父様に癌が見つかり、11月、手術の甲斐なく他界されたとのことでした…。
11月の猟期を心待ちにしていました、雪の野山にて『ぎんが』と『すずめ』が先輩の北海道犬に習い立派な猟犬になることを思い浮かべながらの楽しい日々だったと思います、との文面が…。
私、気付いたらボロボロ泣いていました。
お父様の思い。
叶わなかった思い。
一度しかお会いしていませんが、犬が好きなことはとても伝わってきましたし、さぞ無念であっただろうと思います。
ただ救いであることは、息子様がお父様の思いを受け継ぐべく、『ぎんが』・『すずめ』と毎日を過ごされているとのこと。
きっと、お父様も安心してらっしゃることでしょう。
得意の、話が迷子になっていますが、ちょっと、落ち着こう…。
すずめ、お父さんの想いを胸に、猟犬として頑張るんだよ!
ぎんが、お父さんはあなたの活躍を楽しみにしていました!
期待に応えられるように頑張るんだよ!
心より、ご冥福をお祈り申し上げます。