乳腺の《乳頭腫》って、良性の腫瘍です。


良性の腫瘍なので、基本、

放っておいて良いんです。


でも、

この中の一部に、

癌が生えてることがあります。



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乳腺の中に、何か病変があるとして、

エコーなどの画像検査では、


放っておいて良いもの《良性》なのか、

とった方がいいもの《悪性》なのか、


全然、分からないこともあるし、


多分、《良性》だと思うけど、とか

多分、《悪性》だと思うけど、とか、


大体の予想はつけられます。


でも、

それを証明するために、

『生検』をします。


生検の結果、《乳頭腫》と診断されたとします。


でも、『生検』は、あくまで

腫瘍の一部しかみてないので、


MRIなどの他の検査で、

悪性を否定できなければ、

腫瘍の部分をクリっとくり抜いた

感じで手術される場合があります。


で、その手術された検体を

調べると、、、

《乳頭腫》の中に、癌が生えてて、

しかも周りの乳管にその癌の成分が、

進展してて、


《断端陽性》取りきれてません。

てなことになることもあります。


これね、別に、

医療ミスでもないし

めっちゃ珍しいことでもないし

《生検》診断の限界というか

そんなところなんだけど、

でも、患者さんにとって

やりきれないかな、と。


もちろん、逆のパターンもあるわけです。

《生検》で、悪性所見はなし

《MRI》で、悪性を否定できない

《手術》で、悪性所見なし、良性を断定


患者さん的には、こっちの方が、

まだ、マシかなぁと。


もちろん、病理医である私も、

前者の場合、必ず生検を見直します。

癌の部分を私が見落としたんじゃないか、

と、ドッキドキしながら。


でも基本的に乳腺の《乳頭腫》は

ほとんど免疫染色で検討してるので、

見落としは、ない。

けど、一応、ドキドキはします。


なんでこんな話をするか。

つい先日このパターンがあったから。


若干モヤってる中野です。


わたし、絶対こういうので笑えない人ネガティブけど、気になる人。