現在、多くの乳がんは、
一円玉の大きさよりも小さい段階で
発見されています。

乳がんが増えている原因、
ザクっと言ってしまうと、
『見つかりすぎ』という部分も
大きく影響しているでしょう。

昔なら、自分でしこりに気づく、
もしくは皮膚に病変が出てくるまで、
放置されていたかもしれない乳がんが、
小さい間に見つかるようになっている。
という話です。

ここに絡んでくるのが、乳がんに特有の性質です。

乳がんは
①ホルモンレセプター
②HER2発現
③癌細胞の増えるスピードの指標(Ki-67)

これによって、分類されます。

例えばですが、
ホルモンレセプター陽性で、HER2陰性で、Ki-67が非常に低い癌だと、
例えば発見時に5ミリだとして、
そのまま放置した場合、
2センチまで、大きくなるには、
どれくらいの期間かかるだろうか、
と考えると、5年、もしかしたら10年、
かかる可能性もあるかもしれません。

でも、現代の医療現場では、
どんなに小さくても、
癌が見つかれば治療をすることが基本なので、
大きくなるスピードが、
どれだけ遅い癌であっても、
どれくらいまで放置しても良いのか、
エビデンスが出ません。

わたしは病理医なので、
癌は、発見時、
小さければ小さいほど良いと思います。
もちろん理由があります。
明日へ続く