乳がんの診断件数は、
明らかに増えていると思います。
他の病理医が、好んで診断しない、
というのもありますが、
わたしが診断している数を考えても、
増えています。

なぜ増えているのか、明確な答えは出ていません。
◯食事の欧米化
◯初潮年齢の若年化
◯大豆製品を食べなくなった
など、いわれていることはありますが、
確定的なものはない。

わたしなりにも、色々と考えました。
なんでこんなに増えているのかな?と。

わたしが最近、診断している、
手術材料の癌の大きさは、
2センチ以下が多いです。
2センチを超えてくる癌は、
そんなに多くないんです。

2センチ以下の癌は、大まかに4つに分けます。
①1ミリ以下
②1ミリを超えるけど5ミリまで
③5ミリを超えるけど1センチまで
④1センチ超えるけど2センチまで

この中で圧倒的に多いのは④です。
つまり、1センチは超えるけど、
2センチには至らない大きさです。

1円玉の直径が、2センチなので、大体1円玉より小さい段階で発見されてるんです。

もちろん2センチ以下で発見することには、
大きな意味があって2センチを超えると、
ステージが1つ上がります。
T分類といって、
癌の大きさが2センチをこえると、T2となります。

ここで浮上するのが、過剰診断の問題です。
多分、おそらくみんな薄々気づいてて、
でもものすごくややこしくて、
さらにデリケートな話になるから、
触れてきてない部分になります。

核心に触れるのは明日にします。

↓患者さんのための本が出てるとは。それだけ多いということですね。