日本語学校、お金がない学生、どこで線を引く? | 管理職日本語教師の、相当深~いつぶやき。

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こんにちは。


またまた、たいへんありがたいコメントを頂いたので、お返事を書いたのですが、字数オーバーでアメブロにはじかれましたので、ここで取り上げさせて頂きます。


持論を展開されていて面白いブログですが、私も持論を言わせていただくと、まず週28時間のアルバイトでは生活費+学費など賄えません。せいぜい生活費がプラスマイナスになる程度です。以前のブログでアルバイトで賄えるのは生活費+学費とおっしゃっていましたが、学費はもちろん、貯金もできません。これは資格外活動のルールに違反しない限り無理かと思います。周知の通り、今は入管と各自治体が連携してますから、アルバイトを掛け持ちしていても、支払ってる所得税を在留カード番号を基に確認すれば超過労働がどうかは容易に分かります。

また学校がアルバイトの働き口を用意しておくというのもおかしな話です。教育機関が仕事の斡旋をするわけですからね。勿論、そうしなければ学生がおかしくなってしまうというのは分かりますが、そもそも来日して貧困を訴えるような学生は受け入れるべきではないでしょう。また日本語も大してできないのであれば、当然アルバイトもありませんから、募集は控えるべきです。


そもそも400,500万くらいの銀行預金残高が出せない限り、受け入れは現実的ではないですし、そうした経済力のない学生は日本に来てはいけません。夢や希望だけで誰でも受け入れができるなら、それで聞こえはいいかもしれませんが、その場合、不法滞在だらけになり、学校も入管からペナルティを被ります。いわゆる不良校の誕生です。

そもそも震災後、ベトナムとネパールの募集に動いた日本語学校のマーケティングは失敗です。懲りずにバングラデッシュやミャンマーに動いていますが、二の轍を踏むでしょう。日本と経済水準が著しく異なる国からの受け入れは、積極的に行うべきではありません。少なくとも一部の例外を除いては。



ありがとうございました。


確かに昨今、留学するのに資金カツカツでハナから計画に無理がある学生も、平気で受け入れている学校もあるようですね。



そして学生も、確かに貨幣価値が日本よりもだいぶ低い国からの学生が、大半。



授業料だけは前納したけど、そのほかのお金は日本へいってからなんとでもなる、とかなんとかうまく言われて連れてこられた、みたいな学生も決して少なくない。




それに昨今、大学の合格通知をもらったのに、アルバイト時間と国からの経費支弁の事実が合わなくて、入管にビザ更新してもらえず、帰国した例をここ2年ぐらいで、ちらほら聞くようになりました。

10年前なら、大学の合格通知があれば、出席率が60%だろうがなんだろうが、ビザ更新できてたのに。




もちろん、資格外活動ができる時間は規則で「週28時間」と決められています。

でも取り締まりがずいぶん厳しくなったように感じます。

今までは野放しだった部分もあるかもしれませんが、これからはきっちり学生にもこの規則を守らせていかなければなりません。




では、どこまでのものをどれだけ用意すれば、留学は無理ではないのでしょうか?

言いかえると、どこまで用意できる留学生しか来日させるべきではないのか。




今日はこれについて考えてみたいと思います。




私が以前いた学校の例ですが・・。




まず、学生は来日前に、日本語学校に学費を前納することになっています。

私が今までいた学校では1年分でしたので、ここでも同じように考えたいと思います。




そのほか学校が用意した寮のお金も3か月分前納。

これらは当然、来日前に国の親か保護者が払うものとします。




中には、親戚一同から借金してこれらのお金を来日前に払い、日本へ来てからアルバイトして稼ぐお金は、全て国の借金返済のために国へ送金するということをやっている、よくない例もあります。



こういった「資金的に危ない学生」の来日を回避するには、学校の募集担当者が国で学生と保護者と直接面接して、経費支弁状況を確認すれば、ある程度は危険を回避できるのではないかと考えています。


直接面接したら、そんなことまで、わかるのか?



わかる人にはわかる。

わからない人は、よくない学生をつれてくる。

(いや、中にはわかっていて「危ない学生」を連れてくる募集担当者もいるようですが。)


つまり「危ない学生」でなければ、来日した時点で、住むところと、1年分の学校のお金は心配しなくてもいいはずです。




次に・・。




資格外活動で許可されているのは、週28時間のアルバイト。

時給1000円で計算して、だいたい月10万~11万円ぐらいでしょうか?

これで賄えるのは、


・生活費

・2年目以降の学費

・4ヶ月目以降の寮費(アパート代など)


ぐらいではないでしょうか?




生活費4万 + 2年目以降の学費3万 + アパート代3万 = 10万円


私はこれぐらいは学生がアルバイトで無理なく賄えるのでは?と考えています。




ですから、当然このほかにかかるお金、例えば

・引っ越し資金

・大学や専門学校への進学資金


これらのお金は国の経費支弁者が払わなくてはなりません。



学生募集担当者は、来日前の面接時に、これらの力が経費支弁者にあるかどうかも、合わせてチェックする事が必要になってきます。




ただし、これらの事を実行するためには、来日してすぐにアルバイトを始める必要があります。


アルバイトが見つからな~い、と2,3カ月うろうろしている間に、親が持たせてくれたお金はあっという間に底をつきます。



上記の計画を進めるためには、来日後まだ日本語が低レベルの状態でもできるアルバイトを見つけて、早い段階で仕事と勉強を両立させた生活をスタートしなければなりません。




でも当然、日本語力はまだ低いわけですから、自力で探すのには限界がある。




そして、探すのに限界があるからと変な斡旋業者を頼ると、そこで紹介料という数万の余分な出費が必要になったり、中には同国人をだます悪質なものも横行しています。




だったら学校がある程度バイト先を把握しておいて、必要な時には紹介する事が出来ればいいと考えたのですが・・・。



だめですか?




「斡旋」ではなく「紹介」


紹介料はとりません。

あくまでも仕事を選ぶのは学生の自由。

うちの学校に来たから、うちの学校が紹介するバイトをしなければならない、という事はない。




また、会社の人事の方と学校が直接がつながっておけば、フォローやメンター的な役割ができる。


どこで、いつ、何のアルバイトをしているかわからない。

悪いバイトにひっかかってないか?

危険なことをやらされてないか?

と心配するよりも、学校が知っている会社でアルバイトをしていてくれる方が、よっぽどいいと思うのですが。



経済力のない学生は日本に来てはいけません


はい、確かに私もそう思います。

できれば潤沢に資金のある学生ばかりを呼びたい。

「でも~夢を持っている若者なんだから~いいじゃないですか~。みんなで助けてあげましょうよ~。」

と外国人逆差別を展開する気もありません。



彼らは日本に勉強しに来たんですから。

稼ぎに来たのではないのですから。


当然経費支弁者も、ある程度は支弁能力がなくてはならない。

その経費支弁をしてもらえない学生は、来日させるべきではない。


じゃ、どこで線を引けばいいのか?



私は

・来日前の経費支弁能力の調査

・来日後、無理なく生活できるようにするための事前の準備

(紹介できるバイト先を押さえておく、来日後に学生にオリエンテーションを徹底するなど)

・来日後、時間とお金を計画的に使わせる学生への指導(一人ひとりの生活状況の把握)


これらを学校がちゃんと行えば、週に28時間のバイトで留学するのは、無理な事ではないと考えています。


そもそも震災後、ベトナムとネパールの募集に動いた日本語学校のマーケティングは失敗です。


なるほど。言われて痛い部分もあります。

でも、ぶっちゃけしょうがないです。

始まっちゃったんですから。



EPAにしろ、技術研修生にしろ、用意周到に準備がなされて始まりましたっけ?

最初から成功例がどっかんどっかん出ましたっけ?

現在も問題なく進んでましたっけ?




いつもそうです。



現場の意見よりも、誰か偉い人の何かの力が優先されて、勝手に旗が振られて、現場の意見は聞かずに始まってしまったり、問題を抱えたまま進んでいってしまうことって、この業界に限らず、これまでもたくさんあったんじゃないですか?




もちろん現場の教師としては、

いい準備をして、

いい学生だけを選んで、

いい待遇で働いて、

いい教育をして、

いい結果を残したい。




ですよね~。




でも、全部は無理でしょ。

現状から考えて。




だったら、与えられている条件の中で、最善の策を考えていくしかないです。


それが仕事ですから。


そういう仕事を選んだんですから。


無理だったら辞めます。

でも、まだやれることがあるのではないかと思ってるので、やってます。


で、うまくいけば日本で足りなくなっている労働力を、代わりに担ってくれるかもしれないのですよ。彼らは。


それを目指しているわけです。私は。


全ては我々日本語学校の、導き方次第だと思うのですが。


どうですか?


ところであなたはこの計画、無理があると思いますか?