ひっそり開いていたブログからお引越しした記事です。
退職話ばかり。ビックイベントだったから仕方ない。
今回パン屋をやめるにあたっていろんな人に感謝の気持ちを伝えたり、お菓子を渡したりした。今までわりとそういう付き合いは避けてきたので、とても新鮮な経験だった。
今まで避けてきたのは、お金がなかったからでもあるけれどー(今思うと多少はあった)ー「自分は弱い存在だから守ってもらって当たり前、気を使うのは私じゃなくて相手の方」という気持ちがあったからじゃないかなと思った。こんな風に言語化できるのは今だからだし、弱くあることがその人にとって生きていくための手段ならそれはそれでいいんじゃないかと個人的には思う。
実際に「ありがとう」を言葉やお菓子で伝えてみると、それまであまり話したことがなかった方でも急に笑顔になって、喜んでくれているのが伝わってきて嬉しかった。別れの時間がとても暖かいものに感じられてさみしさが減った。後ろに残してきた足跡や思い出から背中を押されているような気がした。
ロッカーを掃除したこともよかった。きれいに見えた場所も拭いてみると意外と汚れていることに気づく。意識されていなかったホコリも見えてくる。掃除をすることも、きれいになったロッカーを眺めることもとても気持ちがよかった。