はじまり はじまり
ぼくらは ながいトンネルの なかを歩いている
そこはすごく暗い
上も下もわからない
もどっているのか すすんでいるのか
そもそも自分が動いているのか
それすらもわからない。
どこまでつづいてるのかも わからない。
この絵本みたいに。
そのトンネルは どんなトンネルともちがう。
ふつうのトンネルには必ずオワリがある。
けれどこのトンネルは もしかしたら
オワラナイかもしれない。
オワッタ!
と思ったら またつづくかもしれない。
ある日 トンネルの向こうに
小さな光が見える。
ぼくは走り出す。
とちゅうでころんでしまうけど
走るのを やめられない。
だけどいくら走っても
光は近づかない。こんなとき、
「このトンネルは一生オワラナイ」
とおもう。こともある。
>>つづく