SUGAのソロコンサートで、一番の驚きは、The Lastをセットリストの最後にもってきたことでした。
ソロコンサートをすると聞いて、どんな曲が入るか予想したりしたけれど、この曲は入らないと思っていました。
ユンギ部が、SUGAの沼に落ちた曲。
もちろん聞いてみたいという気持ちもある反面、生で聴くのは怖いと思いました。内容が怖いとかそういうことではなくて、感情を揺さぶられ過ぎて、情緒壊れるんじゃないかという怖さです。
内容が内容なだけに、きっと入らないと思っていました。でも入っていて、しかもラスト。
D-DAY始まりと終わりの日に、絶対に区切りとする、というSUGAの並々ならぬ決意と意志が感じられるようでした。
そして、Dear My Frinedも聞いてみたい曲の一つでした。
こちらはテーマが友人についてでしたが、掘り下げる過去としては重いテーマを含んでいたのでセットリストには入らないのではないかと思っていました。
実際にソロコンサートでは入っていませんでしたが、FINALの3日間だけ、この曲が使用されました。
そして、今回のゴールデンウィークから始まるSUGAの映画は、このFINALの映像。
SUGAもイジョンさんもARMYも号泣したこの曲。
このサムネイル、本当に面白かった😂
2人の泣き真似の顔❗️
映画の要の一つがDear My Friendだと思います。
ということで映画が始まる前に、この「Dear My Friend」を掘り下げてみたいと思います
Dear My Friendの歌詞
以前、日本語訳をしまして、本当はこの話題をその時にしたかったのですが、なんと、2年も経過してしまいました。
もう、映画が始まってしまうし、この時期を逃してどうすると、いろんなものをかなぐり捨てて(笑)書いております。
まずは、その独り歩きしております動画をご覧ください
SUGAが練習生だったころに仲良くしていた友だち。
大邱に遊びに行ったり、新沙駅近くに飲みに行ったり、二人だったら世界なんて怖くない、世界征服してやろう!なんて、話したり。
音信が途絶えてしばらくして、友人の両親から友人が捕まったと連絡を受け、SUGAは、友人に会うため毎週ソウル拘置所に通いました。友人の出所の際も駆け付けたSUGAに友人は、「お前もやれよ(明記されていませんが、薬物と予想します)。」と言います。それに激怒してSUGAは、彼との親交を経ちますが、憎くて嫌いでそれでも恋しいと、歌詞の中で吐露します。
つらい時を分かち合い支え合った友人、自分が傷つき絶望しているときに支え、励ましてくれた友人。
大切な人。
SUGAからすれば、その絶対に失いたくない大切な存在を奪ったことは、もはや裏切りのように感じたのではないでしょうか。
友人に対する激しい怒り。
それでも彼を求めてしまう憤り。
こうした生々しい感情を曲に込められる、表現できることが才能だなって思います。
この友人との決別は、SUGAにとっては、とても深い傷となりました。
「別れ」や「決別」「大切なものを失う」というテーマの歌詞を書くときに、ほとんどと言っていいほど、この友人が登場しています。
First Love
この前UPしたこの曲の和訳ですが、このブログを書きたいがために急いで作りました
First Loveは、BTSのアルバム「WINGS」に収録されているSUGAのソロ曲になります。
ピアノをテーマに書かれていますが、ユンギ部は、
ピアノ=音楽=友人
と、感じました。
First Loveについてのビハインドは、WINGS CONCEPT BOOKのインタビューに言及があり、こちらを和訳して下さっている方がいたので、ご紹介します。
https://x.com/cher_bts/status/882055463822442497?s=20
(아미누나@cher_btsさんのXより引用)
公式に、First Loveに出てくるピアノは、唯一の僕の友だちを意味する、と話しています。
そして、録音する時は、沢山泣いた、と。
前半は、SUGAとピアノとの出会いや関係性を、擬人化しながら書かれています。
「君の意味」と書かれていますが、それが音楽を指すのではないかなとユンギ部は感じました。
ただピアノを弾くということではなく、音楽を生み出すという意味が生まれていったのではないかなと。
そして、後半は、まさに友人との話になります。
(同時にピアノとの関係性もリンクしていて、きちんとFirst LoveというBTSのコンセプトからはずれないようにまとめているのが、すごいなと思います。)
後半の歌詞の抜粋
10代の最後を燃えるように過ごした君と
一寸の先も見えなかったあの時
一緒に泣いて笑って、君といつも一緒だったその瞬間さえ今は思い出となった
僕は砕けた肩を掴んで言った、もうこれ以上は本当に無理なんだと
僕が諦めそうになるたびにいつも君はそばにいて言ってくれた
「あなたならできるよ、絶対に」
友人とのエピソード。10代の後半を燃えるように過ごした君は、Dear My Friendに出てくるエピソードに重なります。
練習生時代、デビューがいつになるのかわからず、全く将来のことが見えなかった時代。焦りと孤独と不安な日々を一緒に泣いて笑って過ごした友人。
SUGAが肩の怪我をして、もう練習生を続けられない、音楽を続けられない、と絶望したときもきっと側で励まし続けた友人。
自分を信じてくれた存在
両親や親せきをはじめ、周りがみんな反対する中、唯一SUGAの成功を信じて応援してくれたお兄さん。
ミックステープ「AgustD」のskitでのやり取りで二人の信頼関係がわかります。
そして、SUGAが無名の練習生時代にもう一人、成功を疑わず応援し支えてくれたのがこの友人だったのだと思います。
疲れ果てて彷徨っていた時
絶望のどん底に落ちた時
たとえ君を突き放しても
君と出会ったことを恨んでも
何も言わずに君はずっと側にいてくれた
だから決して僕の手を離さないで
もう二度と君を離したりしないから
この辺りの歌詞は、友人との関係性が含まれているかは定かではなく、ピアノとの関係性を主に話しているのではないかな、と思います。
(この辺りで思うことは、J-Coleさんのお話です。Born Sinnerの中で、絶望しても音楽はいつもそこにあった、という歌詞があります。)
J-ColeさんのBorn Sinner歌詞の中に、
this music shit is a gift
この音楽ってやつは贈り物なんだ
you were always where I needed you to be...
君(音楽)は、いつもいて欲しい場所にいてくれた
とあります。
過酷な人生の中でも音楽だけはいつもそばにあった。
ユンギ部はこの歌詞を読んだ時、辛い状況でも音楽を手離さなかったSUGAに重なってしまいました。
SUGAが音楽をもう辞めようと思っても、音楽に出会ったことを後悔したときも、それでも音楽はいつもそこにあった、ということ。
音楽を二度と手放さないと誓ったこと。
特にはっきりしたエピソードがないので、これはユンギ部の想像になってしまいますが...
この歌詞に友人も含まれるとしたら、SUGAが人を寄せ付けず心を病んでいた頃もそばにいてくれた存在だったのかなと想像してします。
僕の人生の始まりと終わりと
その全てを見守るのは君だろうから
ピアノ=音楽は、SUGAの人生を通して離れることのできないもの。始まりと終わりを共にする音楽。SUGAの人生の全てと共にある音楽。
そして、もう一つの意味。
SUGAの(自我の)始まりと終わりをそばで見届けるはずだった友人。僕の手を離すな、君を二度と離さない、と言いたい相手はこの友人だったのではないだろうか。
友人への、今はもう決して叶わない願いを意味するのではないかと思わずにいられません。(ユンギ部想像)
ちょっと余談、他にもぐっさりくる歌詞
without you,I'm nothing
君なしでは僕には何の意味もない
without you,I'm nothing は、すごく訳すのに悩みました。英語もニュアンスが難💧
君なしでは僕は存在しない、とか、君なしでは僕は空っぽだとか。
そんなことを考えて1日過ぎてしまったりしました
Spring Day
そんな友人への想いが感じ取られる曲がもう一つあります。
SUGAのパートの歌詞
Japanese ver.-
君が変わった? じゃなきゃ僕が変わった
この流れる時に堪え また変わるのだろうな
みんなそうだろう、なぁ?
そうさ君が離れた今
ぶれることはなかった想いは 変わらないさ
だけど今は別れよう
その方がもう苦しくないから
君が変わった?僕が変わった、というフレーズは、Dear My Friendにも出てきます。
また、自分が離れたのではなく、君が離れていったのだと。
想いはぶれることなく変わらず、ずっとずっと恋しい。
それでも今は、別れなければならない、一緒にいればもっと苦しくなるから、と。
そして、そのエピソードやビハインドが「beyond the story」の中に書かれています。
この本は、BTSの虎の巻のような本ですね✨
何がすごいって、その文章量もすごいんですが、それぞれのエピソードに対して、本人たちの言葉で語られているので、今まで考察したり推測したり、こうじゃないかなーとしてきたことの答えが載ってるっていうとこです❗️
そして、この本の中に Spring Day の記述があります。
当時Spring Dayは、セウォル号沈没事故を歌っていると話題になったが、「聴く皆さんの解釈にお任せしたい」と記者会見の質問には答えていました。
始めは友だちに送る言葉が原点になっている(RM)と書かれています。
SUGAは、そうしたSpring Dayのテーマに、友人への感情を込めました。
以下、beyond the storyからの引用。
ただ、すごく憎かったんです。その友だちが。
本当に会いたいのに、会うことができないから。つらいときに頼れるのはその友だちだけだったのに…。
僕が練習生だったころ、一緒に話をしながら、「僕って本当にデビューできるのかな」ってわんわん泣いて、「世の中を圧倒してやろう!」なんて言いながら一緒に決心して。だけどその友だちは、今、どうしてるのか…。だから憎かったんです。(SUGA)
大切な友だち
音楽とともに一生を共にするはずだった友だち
そのかけがえのない存在を奪った友だち
だから憎くて嫌いで、それでも恋しい友だち
決して僕の手を離さないで
もう二度と君を離したりしないから
こう叫びたい、でもそれは叶わない、もう許すことができない友だち
今は別れよう、その方がもう苦しくないから
友人の立場から考えてみる
これは、もうなんの根拠もないので、ただのユンギ部の想像でしかありませんが。
SUGAとRMが、同世代がどんどんデビューを果たしたり、次々と大学生や社会人になっていく中、終わりの見えない練習生生活で募る焦燥感、孤独感、絶望感を感じたと話していたように、また、友人も同じように夢を語っていたSUGAがどんどん有名になっていくのは、とても誇らしく嬉しい一方で、自分が取り残されていくような深い孤独感と焦燥感があったのではないでしょうか。
だから、犯罪に手を染めていいということはありませんが、孤独の中で何かにすがりたいと思うことは、また、誰にでも起こり得ることです。
でも強くいて欲しかった。
そして、SUGAの側に今もいて欲しかった。
彼がいなかったら、練習生時代に心が折れて、今のSUGAはいなかったかもしれない。
そんな友人への想いを歌ったDear My Friend。
大切な人を失う痛みは、誰もが経験する。
だから、すっと歌が入ってきて、彼の体験をまるで自分が体験したかのように、号泣してしまうのだと思います。
ここまで書いてきて、何が言いたかったかと言うと、
今度の映画、ハンカチでは足りません!たぶん!
大きめのタオルをお持ちください!!
ってことですいや、違います
ナムさんが、Rちたにて、
SUGAの音楽は、暗闇と不安に向き合いながらも、一筋の希望や光を手放さない清らかなものがある
と表現していました。一番近くで、SUGAの苦悩を見てきたナムさんだからこその理解。
きっと映画を見て号泣した後に、映画館を出るころには清々しい気持ちになっているんだと思います。
映画館でSUGAに会えるのが楽しみです✨