はじめに
ケガをしたとき、多くの方がまず思い浮かべるのは「消毒」ではないでしょうか。
しかし近年の医療では、消毒が必ずしも最適ではないことが分かってきています。むしろ「組織の再生を遅らせる」場合があるのです。
消毒の役割
消毒薬は、細菌やウイルスを殺す力を持っています。そのため感染予防という点では役立つ場面もあります。
ただし、その強い作用は「悪い菌」だけでなく、皮膚や粘膜の細胞にもダメージを与えてしまうのです。
再生を遅らせる理由
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細胞へのダメージ
消毒薬は「生き物を壊す」作用を持つため、傷を治すために頑張っている皮膚細胞や線維芽細胞にもダメージを与えます。 -
自然な治癒環境の破壊
ケガの傷口には、再生を助ける「湿潤環境」や「自己の免疫反応」が働いています。消毒によってこれらが壊されると、かさぶたが厚くなり、治りが遅くなることがあります。 -
痛みの増加
消毒薬による刺激で痛みが増し、子どもにとっては苦痛の体験にもつながります。
ではどうしたらいいの?
現代の創傷治療では、「消毒しない・乾かさない」=湿潤療法が推奨されています。
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水道水で優しく洗浄する
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不要な汚れを落とす
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適切な被覆材(絆創膏や創傷用パッド)で湿潤環境を保つ
これによって、細胞の力を守りながら自然治癒力を最大限に発揮できます。
感染しているときは、湿潤療法は悪化しますので、注意です!
まとめ
「消毒は当たり前」という考え方は、実は古い常識になりつつあります。
傷を早く、きれいに治したいなら、細胞を守り、自然の力を活かすケアが大切です。
お子さんのケガで迷ったときは、清潔にして、かかりつけ医で相談してみてくださいね。
