ビルの一階でお手洗いに行くか。
もしくは、慣れた五階で行くか。
少し悩んだ結果、一階に入った。
一つの個室と、一つの洗面所。
ドアを開けた瞬間、蛇口から水がボタポタ出ているのが分かった。
いつから出ていたのかわからないけど、勿体ない出方をしている。
あたしは、蛇口をひねって水を止めた。
「この水を止めるために一階にしたのだ」
なぜかそう感じた。
一周年。
あたしが、ココに来てから。
無事、一年の月日が経った。
今日、9月号が校了した。
あとは印刷と発行を待つのみ。
昨年、初めての締切作業にあたふたしてからもう一年。
ベンチャー企業の医療研究所→テレビ局
なんていう、なんとも謎がられる職場を渡り歩いたあたしにとっては、ココが初めての「営業マンがいて金銭的な利益を追求する会社」となった。
某フリーペーパーを作る仕事。
しかし。
営業は誌面に愛がないのか、会議でもシーンとし、アイデアは飛び交わない。
だからといって、内勤のアイデアが通るわけではない。
リニューアルするはずの誌面は、保守的な考えにより一年前のまま。
マイナーチェンジを加えてはいるものの、完全リニューアルは実現せず。
加えてあたしは時給扱いのまま。
お金に関してとやかく言うのは苦手だから、なるべく言いたくない。
だけど、今年5月に入った子が、一年在籍しているあたしより待遇がいいってどういうこと?
評価されてないってこと?
さすがに納得がいかない。
しかし、経営が傾いている今、それを理由にされたらどうしようもない。
やはり数年前、作家事務所の誘いを断ったことがいけなかった気がする。
テレビの仕事が決まった時は、
「こうなるためにお断りしたんや」
と思えたが、あんなことになって退職した今は、悔やまれて仕方ない。
号泣しながら断った意味はなんだったんだろう。
100人近い応募数の中から採用されて、潰れてしまって退職するまでに駆け足で走ったあの半年。
なんでダメになってしまったんだろう。
そして、今ココで悩んでいる意味は何なのか。
ロクに恋もせず追い続けてきた、あたしの叶えたい夢って、憧れってなんなんだろう。
根本的なことまで遡って、意味を考える自分がいる。
あんなに辛い想いをしたのに、やっぱり大きいことがしたいとほざく自分。
出来ることなら、本社で売り雑誌を作りたい。
それとも、本当に系列会社の吉祥寺部門に飛び込んでしまおうか。
シナリオやってた頃の仲間と、連絡取って空きがないか聞いてみようか。
名刺をもらった先生方に連絡取ってみようか。
なんて、強がり以外の何でもないんだけど。
ほんまは、またココロん中が潰れちゃうのかなとか、恐怖がいっぱい。
だけど、このままじゃあかんと焦る。
最近、「あたし要らんやん」って思うことが多々あって、必要とされないならば考えなければいけない。
経営もヤバイわけだし。
このままでは、何一つ達成できていないじゃないか。
とにかく、動く準備をしないとマズイ気がしてきた。
理想ばかり追う、ダメなあたし。
だけどココに来た意味は、もっかい物書きを目指す覚悟を決めたことだと思うから。
今更、後には引けない。
こっちの道で進むしかない。
一階の手洗い場の水を止めたみたいに。
意味を探し求める。
追い続けてきたものが間違いじゃない、という答えに辿り着けるまで。
中秋の名月が、満月。
なんて綺麗なお月さまなんやろうか。
明るすぎりくらい明るい夜空に、満月と動きの速い雲。
月が好きだ。
星が好きだ。
何時間眺めていても飽きない。
さっきも時間を忘れて、ぼーってと月を眺めていた。
月を歌った曲も好きだ。
今まで出逢った中で、総合して一番好きだと言っても過言ではないのが「今宵の月のように」。
イントロもなにもなく、いきなり「くだらねぇとつぶやいて」から始まることに度肝をぬいた。
中二の夏。
躊躇なく「くだらねぇ」と吐き捨てられる潔さ。
でも「いつの日か輝くだろう」って希望も持ってる。
かっこよすぎる。
その日から、あたしのナンバーワンsongのようなもの。
数年前、大阪城野外音楽堂で聞いた「今宵の月のように」が忘れられない。
いつの日か輝くだろう、今宵の月のように。
なんて綺麗なお月さまなんやろうか。
明るすぎりくらい明るい夜空に、満月と動きの速い雲。
月が好きだ。
星が好きだ。
何時間眺めていても飽きない。
さっきも時間を忘れて、ぼーってと月を眺めていた。
月を歌った曲も好きだ。
今まで出逢った中で、総合して一番好きだと言っても過言ではないのが「今宵の月のように」。
イントロもなにもなく、いきなり「くだらねぇとつぶやいて」から始まることに度肝をぬいた。
中二の夏。
躊躇なく「くだらねぇ」と吐き捨てられる潔さ。
でも「いつの日か輝くだろう」って希望も持ってる。
かっこよすぎる。
その日から、あたしのナンバーワンsongのようなもの。
数年前、大阪城野外音楽堂で聞いた「今宵の月のように」が忘れられない。
いつの日か輝くだろう、今宵の月のように。
誰の心にも懐かしいふるさとがある。
そしてその地は、彼らをワクワクさせる。
お彼岸より少し早く、お墓参りに行った。
京都府綾部市。
父方のご先祖様がここにいて、あたしの本籍はココ。
年に数回、家族でお墓参りのプチ旅をする。
数年前までは電車で行っていたけど、我が家に車が来てからは車でのプチ旅となっている。
由良川が見え始めると父はいつも
「由良川でよく泳いだ」
と楽しそうに話すが、この地にはお墓参りでしか来たことがないからあたしにはピンとこなかった。
あまり、街を知らないからだ。
9月だというのに、真夏日だった土曜日。
いつものようにお参りを済まして歩いていると、父がいつもと違う道を選んで歩き出した。
「確か、この辺りなんやけれどなぁ。雰囲気変わってもーたからわからんなぁ」
そう呟きながら歩く。
父の言葉のイントネーションは、お隣福知山出身の千原兄弟と同じだ。
テレビを見ながらいつも思う。
関西弁やのに、どこか不思議なイントネーション。
母の使う京都弁や、俗にいう大阪弁ではなく、どこか独特の福知山綾部弁。
あたしはその、不思議なイントネーションを受け継いでしまったようで、演劇では大変苦労している。
父は一つの通りに入った。
広小路通り。
あたしは父の後を追う。
ずんずん進む。
眩しい陽射しに顔を歪めながら進む。
ふと立ち止まった父が、ゆっくり振り返り
「この辺りやわ、うん!かなり変わってるけど、道路の感じからきっとこの辺りちゃうかー」
と言った。
この辺り、との場所は
パン屋になっていた。
ちょっと寂しそうな感じがしたのは気のせいか。
近所には親戚にあたる人のお家跡があり、これは外観そのままで町屋のご飯やさんになっていた。
建物を貸しているのだという。
市が書いたそのお店の説明看板もあって、なんだか不思議な気分になった。
広小路。
そういや、あたしの本籍こんな住所やったなぁ。
こんなところなのか。
いろんなものが紐解かれた気がする。
父が育った街を初めてゆっくり歩き、体感した日。
無邪気な顔に戻る父の姿に、優しいものを感じた。
これからは、由良川を見る感情が新しくなるに違いない。
アホやなぁって思う。
「ひょっとしたら、ひょっとするかも」
なぁんて、少しでも期待してしまうこと。
角川短歌賞が発表されて、高校生の女の子が大賞を受賞した。
そりゃそうだ。
略歌歴が5ヵ月の自分が賞を取れるわけがない。
「ダイオウイカは知らないでしょう」を読んでインスパイアされて、それから作り始めたのに。
ひょっとするかもなんて都合がよすぎる。
そう分かっているけど、心のどこかでやっぱり期待してしまった。
そして、案の定の落胆。
時々思う。
文章を書くのが好きだ、生涯の仕事にしたいだなんて、どんだけバカげてるんやろう。
あたしの独りよがり。
一生花が咲かない確率の方が大きいわけで。
なにをこんなに夢中になってんやろうって。
才能ないなって、いつも思う。
でもあたし、多分辞められないんよね。
なんでかわからんけど、好きなんよ。
勘違いと思い込みし か得意なもんないけど。
もうちょっとだけ、追っててもいいかなぁ。
来年までにするべきことが増えた。
感性を磨いて、アイデアの泉が枯れないようにして過ごしてゆこう。
夢を見るには努力が必要だから。
「ひょっとしたら、ひょっとするかも」
なぁんて、少しでも期待してしまうこと。
角川短歌賞が発表されて、高校生の女の子が大賞を受賞した。
そりゃそうだ。
略歌歴が5ヵ月の自分が賞を取れるわけがない。
「ダイオウイカは知らないでしょう」を読んでインスパイアされて、それから作り始めたのに。
ひょっとするかもなんて都合がよすぎる。
そう分かっているけど、心のどこかでやっぱり期待してしまった。
そして、案の定の落胆。
時々思う。
文章を書くのが好きだ、生涯の仕事にしたいだなんて、どんだけバカげてるんやろう。
あたしの独りよがり。
一生花が咲かない確率の方が大きいわけで。
なにをこんなに夢中になってんやろうって。
才能ないなって、いつも思う。
でもあたし、多分辞められないんよね。
なんでかわからんけど、好きなんよ。
勘違いと思い込みし か得意なもんないけど。
もうちょっとだけ、追っててもいいかなぁ。
来年までにするべきことが増えた。
感性を磨いて、アイデアの泉が枯れないようにして過ごしてゆこう。
夢を見るには努力が必要だから。
ある日の電話。
「○○担当のオウジ様、お手すきでしょうか」
「はい、お待ちください」
保留音ー♪
「お待たせしました、オウジです」
おうじさまが「お待たせしました」って。
想像したらかなり笑える。
いや、ニヤける。
白馬からスタッと降りて、サッと手を差しのべる。
「姫、お待たせしました」
人の苗字で遊ぶなって怒られそうだけど。
いや、別にあたしは王子様系を待っているわけではない。
脇役大好きっ子としては、いざ王子様が現れても、側で遣える使用人にトキメクかもしれないのだ。
ちょっと人見知りな脇役。
キメ笑顔じゃなくて、ハニカミ笑顔。
それが王子様。
とっても素敵じゃないの。
でも、残念なことになかなかそんなおとぎ話には遭遇しない。
だから、いつか遭遇するかも知れないその日に備えて、妄想するのだ。
自分磨きのためにも、姫妄想。
たまにはいいじゃないか。
今日は久々にトキメキがやってきた。
危うく忘れるトコロだったけど…。
小さくてもキュンは大事だと実感。
今日で、お仕事一周年。
あっという間の一年間。
ちっちゃいキュンをガンガン増やしてゆこう。
という、妄想みたいな目標。
「○○担当のオウジ様、お手すきでしょうか」
「はい、お待ちください」
保留音ー♪
「お待たせしました、オウジです」
おうじさまが「お待たせしました」って。
想像したらかなり笑える。
いや、ニヤける。
白馬からスタッと降りて、サッと手を差しのべる。
「姫、お待たせしました」
人の苗字で遊ぶなって怒られそうだけど。
いや、別にあたしは王子様系を待っているわけではない。
脇役大好きっ子としては、いざ王子様が現れても、側で遣える使用人にトキメクかもしれないのだ。
ちょっと人見知りな脇役。
キメ笑顔じゃなくて、ハニカミ笑顔。
それが王子様。
とっても素敵じゃないの。
でも、残念なことになかなかそんなおとぎ話には遭遇しない。
だから、いつか遭遇するかも知れないその日に備えて、妄想するのだ。
自分磨きのためにも、姫妄想。
たまにはいいじゃないか。
今日は久々にトキメキがやってきた。
危うく忘れるトコロだったけど…。
小さくてもキュンは大事だと実感。
今日で、お仕事一周年。
あっという間の一年間。
ちっちゃいキュンをガンガン増やしてゆこう。
という、妄想みたいな目標。

