〜したり顔で触らないで

背中を殴りつける的外れ 

人がのたまう地獄の先にこそ

私は春を見る

 誰かを愛したくて

 でも痛くて 

いつしか雨穴で繋がれた縄を握りしめて

 しかと噛みちぎる

 貫け狙い定めけなし捉え何処までも行ける



NHKの朝ドラ「虎に翼」が今日最終回だった。
まず、虎に翼というタイトルで俺はアニメ「タイガーマスク」の“虎の穴”を思い出した。
孤児院育ちの伊達直人が虎の穴で修行して、悪役の側面を最初は見せながらプロレスラーとして大成して孤児院に寄付する・・・。

一緒にするのはどうかもしれないが、このドラマの主役の寅子と山田よねの生き様、そのセリフに感銘を受けていた。特に尊属殺人の違憲裁判における山田よねの陳述は圧巻だった。

そうした中、米津玄師が歌うこの主題歌の一番の歌詞が今まで観ていてしっくり来てなかった。
ドラマの内容にそぐわない気がして。

でも、最終回の今日。
この2番の歌詞を目にして思わず目頭が熱くなった。

〜人がのたまう地獄の先にこそ
私は春を見る〜

この歌詞は地獄を見てきた者でなければ、おこがましくて書けないと思った。

この社会はそんな簡単には変わらない。
しかし、変わらないと決めつけて何も発言、行動しなければそれこそ永久的に変わらない。

だから、地獄の道と分かってはいても、勇気あるものが、そして覚悟した者が声をあげて行かなければ、そして行動を起こしていかなければ
いつまでも「このままじゃこのまま!」だ。

BSで始まった再放送の「カーネーション」でも、男の子と張り合って喧嘩してきた年端もいかない娘に、
厳格な父親は張り手をして言い放った。
「これが男と女の差だ、おまえがどうあっても勝てるわけがない!」

未だに続く男性社会は残っている。
行き違い様に女性に体当たりしてくる
情けない当り屋オヤジも存在する。

「お客は神様だろ!」と相変わらず暴言吐く中高年クレーマーたち。

いつまでも、事なかれ主義で言われっぱなしでいるのは終わりにしよう。
それでも守られないのなら、その環境から離れたほうがいい。

そうした勇気をくれたドラマだった。