さて4人中唯一、入学試験とは無関係で連日チアリーディングの部活三昧の長女だったが、就活が始まった。
体育会の部長であった長女は、コミュニケーションが得意なこともあって、かなり楽な就職活動だった。
結果、第一志望の会社から内定を頂いた。
試験や成績となると苦労し続けてきたウチの子たちだが、就活のようなコミュ力や押しの強さを重視した選考になるとめっぽう強い。
拍子抜けする話である。
周りを見ていると逆に成績は良くても人見知りをしたり、内向的な性格で自分を上手に表現したりアピールするのをしり込みするような方たちは就活になると苦労するようである。
実際、一流大学でその成績が全て「A」以上、たくさんの「A+」や「S」もあるという優秀な成績を収めている、知り合いのお嬢さんは随分苦労した。
就活では最後の役員面接まではほとんど全ての企業で進むものの、その内向的な性格のため最後の最後で落とされ、最終的に30社近い企業の中から1社も内定をもらえないで悩んでいた。
結果的に大学から(あまりに成績がいいため)推薦をもらって、大企業に入社することはできたが。
まあ、ビックリした。
大学の成績に「A」の上に「A+」があるのは風の便りに知っていたが、「S」というのもあるんだ。
何といっても拙宅の4人はすれすれの「D」で単位を取得することが最善だと思い込んでいて、「C」や「B」が取れると無駄な努力をしたと悔やんでいるくらいなのだから(当然「E」で落とすことも多い)。
彼らの成績には「A」は全く見当たらなかった。いわんや「S」をもやである。
それにしても学業で勝負するのは大学受験までで、その後はコミュ力で勝負をすることになるのだから、そう急に方向転換されても学生たちは戸惑ってしまうだろう。