そして彼らは2人とも早稲田にすんなり入学(ウチの愚息は一般入試で玉砕)。

 

めでたし、めでたしというところだが、驚いたのはその後だ。

大学の成績が出るたびに高校から電話が来て大学でとった成績を訊かれるというのだ。

まあ、彼らのことだし、高校からチェックが入ると聞いて覚悟していたので、ほとんどがA。

たまにBという素晴らしい成績を揃えたらしい。

ちなみにウチの子どもたちは4人ともほとんどがDやE(Fは不合格)。

 

彼らは言っていた。

推薦入学は大学に入学してからが辛い

高校のときは周りのみんなも勉強していたので、それほど重荷にはならなかったが、大学でも良い成績を求められるのがことさら辛かったという。

一般で受験しても合格できた学力が十分あったので、一般入試で入りたかったと(でももし病気などで受験できなかった場合でも親に浪人は許されなかったから)。

 

推薦も楽じゃないのです。

長男、次男の通学していた中・高一貫校(城北)では早慶に推薦で多数進学した。

長男の仲の良い友達2人もこの推薦で早稲田の文化構想と商学部にめでたく進学した。

彼らはまあ、優秀な成績、文武両道の堅実な生活、優れた人間性・・・と非の打ち所がない人たちで、成績も一般で受験しても当然合格するだろうというレベルだった。

 

彼らは中学でも上位から2割にはいつも入っているほど安定した成績だったので、高校に内部進学するころから早稲田の推薦を意識し始めたという。

高校に入り、具体的に推薦を取るために取り続けなければならない評点(いわゆる通信簿、10段階)を示され、それを結局3年間取り続けたのだから凄い。

なんたって、芸術や体育もあるのだから。

因みに一方、ウチの子どもたちの成績は見事に下から2割は安定。

数学と体育だけはずば抜けていいものの、下から10人のうちに入ったりもして、よく言う「底辺」や「深海魚」状態だったわけだ。

 

そんな彼らは秋にめでたく推薦は確定したものの、それからもハッチャケるわけにはいかない。

成績優秀、品行方正の維持は卒業までしっかり求められた。

遅刻、早退は大病以外はダメ。

高校の中間、期末試験も相変わらず立派な成績を維持すること。

センター試験(共通試験)を受験して、8割以上の成績を取ること。

・・・秋からという短期間だけでもウチの子どもたちにはとうていクリア出来ない。

因みに私立の進学系中・高は至れり尽くせりで大学受験を支援してくれる。

 

ウチのポンコツたちも長男、次男は城北で理想的な受験勉強を提供して頂いた。

いわゆる先取り授業をしてくれて正規の内容は高2の段階ですべて終え、高3の1年間をかけてじっくりと受験対策を施していただいた。

毎朝の英単語テスト、夏休み・冬休みなどは予備校顔負けの多種の講習群・・・城北に通っているだけでどこにでも合格しそうなバックアップ体制だった。

 

それでもウチの子どもたちが現役全滅で浪人したのは、ひとえに彼らが全く勉強しなかったから。

いや、城北だけでなく進学系の私立中・高はどこも同様に現役で志望大学に合格できるように丁寧なカリキュラムを組んでいるのだろうが、なんたって本人にやる気がないのは仕方がない。

いつの世も、どんな環境でも、要は本人のやる気が一番肝心なことには変わりがない。

 

なお三男が6年間通った筑附だが、その授業内容は純粋に学問を学ぶものであり、大学の受験対策は自分で行なう流れなのは前述した通り。

と、前回「なんであの子が早稲田に?」(考えてみれば大変失礼な話)を書いた。

 

一方、中学受験では麻布中を受験した偏差値70の滅法頭のいい子が大学受験で失敗したケースもある。

彼は中学受験では特に国語が神童と言われたほどの成績で、日能研のその子の通っていた教室では憧れの存在だったらしい。

受験当日体調を崩して麻布中は不合格、いわゆるすべり止めの中高一貫中・高(そうとうレベルの高い学校)に進学した。

 

この一貫中・高が悪いわけではない。

彼は勉強そっちのけでバンドを組んで5年間の学生生活を謳歌したわけだ。

 

ということで昔の神童は文科系で早慶を狙った。

お家の都合で浪人は不可、特に早稲田はどうしても行きたいと文科系の学部に絞って、高3の1年間猛勉強をした。

そして早稲田の文科系は連日ほとんど受験したが、見事に全部不合格だった。

 

ネックになったのは社会(世界史)の勉強不足で、一浪すれば合格しただろうに彼は現役で明治大に進学していった。

 

いや別に明治大が悪いわけではないが、早大本庄からすんなり早稲田大に進学した彼女と、明治大に進学した彼は小学生の時の偏差値は優に20は差があったということ(明大の彼の方が上)。

 

どうにも私の頭には高校受験で入るのがいいとしか思えないのだ。

そのお嬢さんは都立の公立中学に入学早々、狙いを早大本庄高校に定めた。

早大本庄は共学化してまだ3年目だったので、狙い目ではあった。

 

そして英・数・国以外の教科をすべて捨て、この3科目に集中した。

塾はもちろん早稲アカ。

 

それでも言っちゃ悪いが小学校の時のイメージが強かったので、どんなに頑張っても早大本庄は無理だろうと思っていた。

 

それが何と合格。

驚いたの何のって近所のママさんたちがどよめいた(大げさ)。

共学化して間もなかったので現在よりもかなり難易度は低かったとは思う。

なんたって、地の利も大変。

そう簡単に通える場所にない。

だから都心の早稲田系に比べればかなり入りやすいとは思うが、申し訳ないがまさか合格するとは思わなかった。

 

そして、ウチの子どもたちが浪人をしてやっとこさ狙えるかどうかという早大(文学部)にらくらく進学された。

 

それ以来である。

高校入試で早慶に入ることがどんなに簡単なのだろうと私は骨身に染みたのは。

さて、途中でぶった切れてた「早慶に入る」話に戻ろう。

高校受験で早慶に入るといえばもう1人アクロバットの子がいる。

そのお子さん(女子)のケースはもっとすごかった。

 

ご両親は教育熱心ではないご家庭だが本人のやる気がけっこうあって、小5になった時に「日能研に入り、中学受験をしたい」と思ったらしい。

しかし、日能研の入塾試験で不合格、栄光に通い始めた。

勉強の程度は小学校のクラス40人弱の中でほぼ中くらい

ちょっとのんびりしていて勉強ができるという印象は全くなく、すごい勢いで追い込みをかけて勉強し、学力が鰻上りになったという印象も全くなかった。

下に弟が2人いて、経済的に苦しいからと中学受験はもっぱら公立狙いで、なんとなく受かればラッキーといった様子でいくつかトライしたが、全滅。

 

そのお嬢さんは地元の公立の中学校に進学したわけだが・・・。

ということで、拙宅にはもう受験はないと思っていたのに、まだ許されていなかった。

 

思えば長男の中学受験を皮切りに、受験の無かったのは2009年だけ。

それがやっと解放されたのが2021年で、これ以上ウチには試験のありようがないと思っていたのに・・・。


<凄まじい拙宅の受験年表>

(なんたって、全員浪人というのが笑える)

 

さて、長女は某企業の課長職として仕事内容にも仲間にも恵まれて何の不満もない生活を送っていた。

もちろん何かを受験しようかなんて思ったこともない。

 

それが結婚を機に色々考えたらしい。

多分、将来経済的に家庭を支えられるように・・・とか。

 

 

 

 

 

 

というわけで、次男と三男の公認会計士修了考査はまあ、何とか終了した。

 

今回は私の人生初のインフルエンザ罹患という珍事もあいまって、健康管理に相当気を使ったが、無事に試験の2日間とも健康で受験に送り出せてよかった。

 

受験の結果は4月に発表だが、「専門学校の予想がことごとく外れた」とか「引っ掛け問題にちゃんと引っかかった」、「ITのっ問題で頭がパンクしそうになったから途中で出てきた」・・・聞いているとこっちの頭がパンクしそうになったから途中で部屋に引き上げた。

 

ということで、これほど試験に弱い拙宅もさすがにもう、これ以上の試験はありえないとほくそ笑んでいたら、長女が変なことを言い出した。

 

「私、税理士の試験を受ける」

というわけで、週末の公認会計士の修了考査に向けて着々と「圧」のかかりまくっている次男と三男。

 

けっこうジタバタしているのが三男。

・昨夜は長髪をシルバーに染め上げていた三男が黒髪に戻してきた。

紫に染めるなんて言い出さなくて本当に良かった(詳しいことは三男の大学受験をご覧ください)。

・試験の開始時間に慣れるため今朝はいつもより1時間も早く7時に起床した(その後1時間お風呂に入ってはいたが)。

・ストレスで体中アトピーが駆け巡って痒いらしい(残念ながら見ても分からない)。

 

騒ぎの割に淡々と日常をこなしている次男。

起床したら日課のアイロンを丁寧にかけ、見つけたキレイなアナウンサーのインスタをフォローし、ちょっとした蘊蓄を披露して・・・と、いつもと変わらず。

 

かれらのストレスの原因は専門学校の提供してくれる予想問題らしい。

これが無茶苦茶難しく、解くと自信のメーターがグンとゼロにまで下がるらしい。

その後過去問を解くとこれは簡単でメーターは限りなく100近くまで急上昇する。

 

それを一日中繰り返しているのだからそりゃ、大変だ。

というわけで週末に公認会計士の修了考査を控えて、次男と三男が吠えている。

 

「もう勉強したくねえ」

「あ~早く終わんねえかあ」

「気が狂いそうだあ」

 

従来、そんなに切羽詰まってもだいたいのんびりだらりんと受験をかわしてきた彼らだが、今回だけは様相が違う

「来年うかりゃあ、いいや」なんて絶対に言わない。

 

この修了考査は受験者の約6~7割しか合格しないのだが、彼らには会社からの並々ならぬプレッシャーがかかっているのだ

 

まず、試験の3週間前から会社は休めて、ほぼ全員休む。

休みに入る前に、上司から「頑張れよ」と焼き肉やらお寿司やらを御馳走になっている。

社長がお守りを買ってきてくれた。

 

つまり、会社にとっても、彼らが合格するか否かは大問題であるのだ。

合格して公認会計士として一本立ちさせられれば任せられる裁量もぐんと増え、助かることこの上ない。

 

さすがの拙宅の子どもたちもこの会社からのプレッシャーには素直に頭を垂れ、屈するわけだ。