ばぁちゃん、この日の娘はわが娘ながらそりゃぁ綺麗でしたよ。
さぁ、式場に着きました。
私も勝負モードに切り替えですよ。
スタッフとか列席者の方々・・やっぱり比べるでしょ?
両家の両親、私なら絶対比較するわ。(笑)
こういうところが独りよがりなんよね。。
聞いてはないけど、きっとパパはここからの記憶はないはずよ。
親族控え室に案内され、まず、私はクロークにコートを預ける。
クローク、部屋のまん前に設けてあったわ。(ここ、後でポイントとなります)
「わし、着替えてこようかな・・」
早すぎるけど、まぁ、そうしなさい。今から着ると緊張半端無いと思うけど、そうすれば?・・
着替えて帰って来ると案の定、カチンコチンの歩き方よ。
朝から気になってるのがあんたの持ってるカバンよ。
普段持ち歩いとるそのカバンよ。
キャンパス地の黒じゃけど、グレー地になっとるし、持ち手は破れかけとるし・・何故それを持ってきた?
「これ、クロークに預けたら?ハンカチだけ持っとけばいいじゃろ?
どうせケイタイも必要ないじゃろ?(ガラ系じゃしね)」
「そうしようか・・あっ!(あちこちパタパタ触り)ハンカチ・・」
「何?忘れたん?」
「いいや、脱いだズボンに入れたままじゃ、どーしようか・・」
とってこい!
部屋の入り口まで行き、左右をウロウロ・・
「え~とっ・・何処に預けるんじゃたかな・・」
いや、いや、いや、目の前!1歩踏み出せば私のコートにぶつかる位置!だめだ・・何も見えとらん。
婿殿、受付と主賓の方へのお礼を持ってきてくれる。
「これ、着せてもらった・・」と、紋付姿をみせてくれる。
前撮りしたとき、履きなれない鼻緒で足が痛くなったからね、履き方をちょっと教えると何歩か歩いてみせる。。
七五三の坊やかいな・・こういうのが可愛い婿殿です。
ばぁちゃん、私、一目で気に入った婿殿です。
「娘はひとりなので(うちにとって一人っ子一人娘という意味)僕らは何れは(こっちの地へ)帰る」って、お父さんとお母さんに言ってくれた・・その一言で嫁に出すと決めたのです。
帰らなくてもいいけど、その気持ちで居てくれるその心根が嬉しいよね。
ここは、37階です。
窓の外に沢山ついている水滴を暫く見つめていたパパ。
「どうしたんか?屋上から水撒いたんかの?」
ええええ~!?笑かさんとって!(笑)
「高いとこじゃけぇ、水蒸気の水滴じゃろ?」
「ふ~ん・・」と、それが気になるんじゃろうね、暫く見つめておりました。その格好は、縁側でお茶でも飲みながら所在なしに庭でも見つめるじぃさんそのものでした。