ばぁちゃんに春は来ないって受け入れた私たち。

私の住んでいる市とは違うので、ここの斎場はどこ?と私。

ばぁちゃんの一番写りのいい写真を探すねぇちゃん。

家に帰るときの車の段取りをどこに頼むか心配する娘A。

まぁ、女ってぇのはこういうもんだね(笑)

現実的だからね。


病室に着くと例のメガホンを持って

「ばぁちゃん、来たよぉ」って、挨拶することから始まる。

誰が来たのかちゃんと解るよ。

枕元に置いてたメガホンを

「これは何?」って聞いたボス看護師。

そんなもん持ってきた患者の家族はおそらく初めて見ただろうね。

説明したら次からちゃんと使ってくれたボス看護師、いい人だぁ。

ばぁちゃんは、足に点滴をつないでもらってた。

両手は肘から下が黒紫になっていた。

手を擦ると 「注射を漏らした」と失敗もちゃっかりチクル(笑)

両足はパンパンに腫れてるし、胸水も溜まってるのは見て取れる。

医療系ドラマ、特番が好きだからね。

救命救急24時、スーパードクターも見てるからね。

ばぁちゃん、今日もご飯食べなかったんね。

「食べてくれんのよ、触るとすごく嫌ってだしね。。」と介護師。

この介護師(たぶん介護の人だと思う、看護師ではないみたい)

が、後にやらかしてくれるのだった。

この人につけたあだ名は、DE○U。

何の捻りもない、そのまんま、よく言うとふくよかな人。

ばぁちゃん、この頃から時々タイムトラベラーになる。

自分の人生をバックトゥザフュチャーする。

ばぁちゃんにしか見えない誰かと話したり・・

何か楽しそうでいいぞ、ばぁちゃん。

「逢えば嬉しい、別れが辛い」都都逸か小唄もひねります。

「案外に逢えて嬉しかったぁ~」

誰に逢ったのか聞けば

「彼よ!」だって。。めっちゃいいじゃんか~。

「若いもんは気持ちのえぇ食べ方するのぉ、美味しそうに・・」

「見ようったらこっちも食べとぅなるのぉ」

やっぱ、お腹空いとんじゃぁ。

「あぁ、よかった、よかった!」

楽しい時間を過ごしたようだね。

「これで○○屋のバラ寿司を食べて、一杯キュっ!とな」

上機嫌でジェスチャーも入ります。


で、件のCTの説明・・

師長と若いドクターが病室にやってきました。

「足の腫れと胸水も大分溜まってます、点滴で出してやってる

状態です。 不整脈もあります。

食べれてないので栄養補給を点滴で・・」的な感じ。

はい、で?

だから~ 頭部CTだってばぁ!

まぁ、いいけど。

家族の者が機嫌をみながら食べさせたりとかダメですか?

本人お腹空いてるみたいな様子も見せるんですが・・

「明日の朝から食事だしますか?」と師長。

若いドクターにも師長にも

もう口からは難しいよ・・みたいな空気が流れてた。

ねぇちゃん、翌朝ご飯の時間に来ることにした。

また下手くそやられてばぁちゃんが食べんかったら

折角のご飯がまた止められてしまう。。

ここは、ばぁちゃん信頼のねぇちゃんしかいない。

結局、そんな願いも虚しく終わるのだが・・

娘Aが買ってきてたワッフルのクリームを口に入れてやると

2くち舐めた。 お茶も少し吸い口で飲んだ。

「あぁ、美味しい南京じゃった~」

がぼちゃが好きなばぁちゃんの

私が見た最後の食事。