この時期になると
思い出します。
新米時代。
飛び交う医療事務用語・医療、看護用語に
ふりまわされながら
また、
「 う~~ん、医療現場ってかっこいいな 」なんて
余韻に浸りながら ウキウキ仕事してました。
「 2階の○○さん、ステったから カルテ下ろしといて 」
ステ・・・・ 死亡する、の意味。 (ステルベン(ドイツ語))
下ろしといて・・・・ 病棟からカルテを回収して、の意味。
はじめは 「 ステった(亡くなった) 」 と聞いて
ステる = 捨てる
と、思っていたので、
亡くなった方のカルテやら記録を捨てる、と誤解してまして
「 なんて失礼な言い方!! 」と思ってました。
また、 ある日レントゲン室から連絡があり
「 今日の1時、ディスコがあるから303号室の○○さんを連れてきて 」
といわれ、
「 は~~~??レントゲン室で踊るの??? しかも○○さんあさって
椎間板ヘルニアの手術やのに、踊れるわけないのに 」
注) ディスコ・・・・ 椎間板造影術 (Discography)
そんな風だったので
これは、知ったかぶりして話を聞いていたら
えらい目にあうな、と感じたので
わからない言葉は何でも質問することにしました。
その① ちゃんと聞いたのに の巻--------------------
先輩 「 yong-yuanちゃん、今現在と明日のブロンコの数確認しといて 」
ブロンコ・・・・なんだ?
確認するってことは、備品の在庫か?
先輩 「 ブロンコは気管支、の意味よ 」
はいはい、機関紙ですね。わかりました。
それで、私一生懸命 それらしきものを 捜す。
「 先輩、 保険医新聞は今日までの分で5部、
『 えがお 』はロビーに88組ありました 」
先輩、無表情。
先輩 「 ・・・・、『 えがお 』って何? 」
yong-yuan 「 えっと、患者様向けに発行している 院内のお知らせです。 」
先輩 「 そんなん わかってるわ!!『 気管支 』ってゆうたやん。私。
あんた、ここ(院内)でブロンコっていうたら 『 気管支鏡 』のことやで。
そんなことも、知らんの?」
その② 連想ゲーム の巻 --------------------
Aドクター 「 おーい、yong-yuan 、○○○さんの 『 シネ 』 の所見 だしといて 」
yong-yuan 「 わかりました 」
私には、シネの所見 = 死んだときの所見、と理解したので
早速 医事課長から死亡診断書の控え台帳を借り、
○○○さんの死亡診断書を、必死に探しました。
医事課長 「 おまえ、なに探してるん? 」
yong-yuan 「 ○○○さんの死亡診断書です。Aドクターに言われまして 」
医事課長 「 ・・・・・・。まあ 当分そこには見つからんやろけどな。 」
はい? 見つからない?なんで?せ、先輩に聞かなくちゃ!!
先輩 「 あんた・・・・。なんてドクターにいわれたん? 」
yong-yuan 「 はい、『 シネの所見 』 といわれました。 」
先輩 「 だから、なんで死亡診断書なん? 」
yong-yuan 「 シネ、って死んだって意味じゃないんですか?
ステる、とかみたいに・・・。」
先輩 「 ・・・・○○○さん、3階に入院中やで。 オペも大成功やったし
当分ステることはないと思うわ。 」
yong-yuan 「 で、では・・・シネっていうのは・・・・ 」
先輩 「 あんたなあ、連想ゲームしてるんとちがうねんで。
シネっていうのは「 シネアンギオ 」のことやん。 」
せやし、シネのときのフィルムとかもってこいっていわれたんちゃうの?? 」
yong-yuan 「 ああ、心臓血管連続撮影のことですか 」
先輩 「 あんた、そういうことはよく知ってるのに、なんでわからんかったん?
そこまでしってたら、わかるやろ?普通。なんでそんなんもわからんの? 」
はい、 すみません・・・・・。
とまあ、数えたらきりがないのですが
先輩にしてみれば 2年も医療秘書の学校で勉強してきて
医療秘書士とやらの認定もあって
せやのに なんでそんなことも知らんの??
と おっしゃりたいお気持ちは 分かります分かります。(今思えば)
この時期、新人さんは大変だと思いますが
まさか、こんなオバカな 思い込みはしてないことでしょう・・・ね。
いまでこそ、笑い話ですが
先輩の私に対する数々のご指導や
訂正の仕方は
ほんとに キツかったなあ。
よく、泣きましたよ。
今思えば、別に泣くようなことじゃないのに、って思うんだけど。
きっと、くやしかったんだろうな。
「 分からない 」ってことが。
「 そんなん、知らんもん、しょうがないやん!! 」なんて
言えなかったし、思えませんでした。当時は。
かわいかったなあ・・・・・私 (爆)