70歳の「パソコンもスマホも使ったことない」ご婦人にお仕事を教え始めてはや2ヶ月。
今月からおひとりで勤務していただく予定になっております。
昨日、そのご婦人をスカウトしてきた張本人の社長(75歳)が
「無理だと思うの」「お客様にご迷惑がかかるかもと思うと、まだ何も任せられない」「とはいえスタッフ2人分お給料を払うのも勿体ない」と言い出した。
2ヶ月たっても何も覚えない彼女のお給料入金するときにしみじみ思ったらしい。
この2ヶ月間、毎週2日出勤してもらいあれこれ教えたけど、できるようになったことは
鍵開ける、電気つける、お湯沸かす、留守電解除、パソコンの電源入れる、留守電にする、電気消す、鍵しめる、のみ。
そう、パソコンのシャットダウンもおぼつかない。
出納帳と金庫をあわせるのは1日の最後ね、と言ってるのに午後突然やり始めたり。
在庫は在庫表の順番に置いてあるから、と何度も言ってるのに、見つからないとうろうろしたり。
80歳の母にスマホやタブレットの使い方を1から教えた経験があるので、彼女の覚えの悪さが尋常でないことがよくわかります。
おそらく、なんらかの疾患があるのではないかと想像するのです。
彼女の来し方はわかりませんが、原因のひとつはメンタルに起因するのではないかと。
わたくし、自分のある種の「カン」に自信があるのです。初めて会った時の違和感はやはり。
本人のやる気と社長の想いとわたしの目論み、それがわたしを支えてきましたが、問題はわたしの手に負えるものではないと判明し、さらに社長も状況が理解できたようなので、気持ちが切り替わりました。
ほんとうは彼女だって覚えたいと思っているはず。
だからめげずに出勤してきてたわけでお気の毒だとは思うけど、本人も家族も放置してきた問題を他人が抱えることはできません。
とはいえわたしの勤務を減らすことは既定路線。
それもわたしは「良き人が見つかってから」と思っていたのに。
(来年3月までの完全引退は諦めた)
社長も今更首切るのは難しかろうけど、どうするかはわたしの問題ではなく社長の問題。
衝動的に道端で「知ってる人だしオシャレだから」とスカウトしてきた責任があるから。
よく頑張ったよ、わたし。
やりきった。