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3月のライオン 3 (ジェッツコミックス)/羽海野 チカ
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 すさまじい男らしさです。将棋マンガだけど、その将棋のぶつかり合いの重さがすさまじい。
 ドスッ、ドスッと腹肉にえぐりこむような重いパンチ。
 勝負の厳しさの表現もまた重く響く。
 それでいてやさしい3姉妹のなんとも優しい姿。
 そしてラストがまたいい。いい感じで続巻にいけます。

 このヤングアニマルの中でもっとも男らしいマンガという惹句は嘘ではないです。

 しかし、作者はどうやってこういう境地にたどり着いたのだろう。

 世の中には、どうやってもそういう表現がどこから沸いてくるのか計り知れない人がいます。
 この作者もまたその一人。思いつかないよなあ、と思う手が次々と出てきます。
 重さと軽さをこれほど自在に繰り出すそのマインドが、私にはどうしてもヨめない。
 ただただ、その大技を見上げる読者でしかいられない。

 私の場合、だいたいの本の作者は、定石や物語のモーメントで展開がある程度読めたりするし、「のだめ」風にどの部分動機がどう展開するか、頭の中で図式化できるのです。

 しかし、羽海野さんはあっさりとそれを超えてすさまじく展開する。

 人はそれを、天才というのでしょう。

 ただ一言、

 すばらしい。




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