ラーメンセット

麺王　　「ふぅ、美味かった～」

ユリア　「またガッツリ食ってるなぁ、おい！」

麺王　　「冬はしっかり栄養摂らないと風邪ひくからな」

ユリア　「あんた、風邪なんかひかないじゃないの！」

麺王　　「ナメるな！　風邪ぐらいひいたことあるぞ！」

　　　　「５年ぐらい前に、模型道場でミナミさんにうつされた！」

ユリア　「それだけ？」

麺王　　「いや、あと、２回ぐらいはあるはず・・・」

ユリア　「５０年近く生きてて３回しか風邪ひいてないって・・・」

　　　　「アホなの？」

麺王　　「普通そんなもんじゃないのか？」

　　　　「俺に言わせれば、再々風邪ひく方がアホだろ！」

ユリア　「それはともかく、食べ過ぎよ！」

　　　　「明日からお昼はサラダだけにしなさい！」

麺王　　「ば、馬鹿な・・・」

　　　　「思春期の娘じゃあるまいし、
　　　　　なんでいい歳したオッサンがそんなことせにゃならんのだ」

ユリア　「いい歳したおっさんだからこそだ！」

麺王　　「むうぅ、草なんか食ってて、昨今の国難が乗り切れるか！」

ユリア　「なにが国難よ！」

　　　　「だったら、竹島行って旭日旗でも揚げてこいよ！」

麺王　　「ラーメンセットぐらいで、ずいぶんと吹っかけてくるなぁ・・・」

　　　　「今どき、そんなことやったら戦争ものだぞ」

　　　　「さすがに俺も、そんなことで歴史に名を残すのは勘弁だ」

ユリア　「おだまり！」

　　　　「あんたが国のために何かしてるみたいな嘘をつくからいけないのよ」

麺王　　「うう・・・」

　　　　「税金取られてるぞ！」

　　　　「酒とタバコでたっぷり！」

ユリア　「大して払ってない奴に限って、すぐ俺たちの税金で・・・
　　　　　とか言うんだよな」

　　　　「公務員の給料は自分らが払ってるみたいに言ったりな！」

麺王　　「でも、役所は独特の雰囲気があるぞ」

　　　　「上から目線で、自分の担当しかやらんし」

ユリア　「いや、むしろ、民間企業がへりくだり過ぎだと思うわ」

　　　　「腰が低すぎるから、アホな客が図に乗るのよ」

麺王　　「そういや、この前、スーパーのレジで文句言ってるバカがいたな」

　　　　「待ってるのもアホらしいから注意したら、思いっきりガンくれやがった」

　　　　「ネギでシバいたろうかと思ったが・・・」

ユリア　「我慢して正解よ」

　　　　「怪我させても面倒だし、うっかり死なせたりしたらムショ行きだぞ」

麺王　　「ネギでは死なんと思うが・・・」

ユリア　「というか、身勝手な奴が多すぎるのよ」

　　　　「あおり運転とか、邪魔なら追い越しゃいいだろ」

　　　　「なんか余裕がない人間が増えてるんじゃない？」

麺王　　「多分、あれだな！」

　　　　「昼飯に草しか食わしてもらえないから苛立ってるんだな」

　　　　「腹が満たされてる奴はケンカしないからな」

ユリア　「じゃあ、納豆も食べていいわよ」

　　　　「ひとパックだけなら」

麺王　　「むぅ、今日のところはこの辺で妥協するか・・・」