
麺王 「今日はカレー焼きうどんにしよう」
ユリア 「焼きカレーうどんの方が語呂が良くない?」
麺王 「だが、それだと、カレーも一緒に焼く感じになるだろ」
「今日のは、焼きうどんにカレーをかけたやつだ」
ユリア 「ふ~ん、いろいろ、ややこしいんだな」

麺王 「せっかく、焼きうどんにしたのに、
ほとんど、普通のカレーうどんの味だな、これ」
ユリア 「カレーって、やっぱり味が強いのね」
麺王 「なあ、エリンギを細く切ったら、松茸っぽくない?」
ユリア 「そ、そうね、いいんじゃないかな・・・」

ユリア 「ねえ、あの電通の自殺した娘、可愛そうね」
「仕事が辛いからって、なにも、死ななくてもいいのに・・・」
麺王 「可愛そうだと?」
「むしろ、腹立たしいな」
ユリア 「え?」

麺王 「世の中には、生きたくても生きられない人も、たくさんおるというのに」
「ましてや、親より先に自殺など、親不孝にもほどがある!」
ユリア 「うっ、珍しく、まともなこと言ってるわね」
「美人なのに、もったいないとか言うかと思ったわ」

麺王 「ああ、美人でしかも東大卒だろ」
「いくらでも人生リスタートできるじゃないか!」
「例えば、俺の嫁とか!」
ユリア 「ええぇ~、それはちょっと・・・」
「死ぬより3ミリぐらいはマシだけど・・・」
麺王 「3ミリで悪かったな!」
「あくまで、可能性の話だ」
「俺の作ったラーメン食べたら、生きる気力が沸くかもしれんだろ?」
ユリア 「そ、そうね・・・」
「死ぬのがアホらしくなるかもね」
麺王 「それで良いのだ!」
「結果的に死なぬのなら、いくらでも道化を演じてやるわ!」
ユリア 「それって、演じてたの?」
「本能と煩悩だけかと思ってたわ」

麺王 「ち、違うぞ!」
「これは、計算された思いつきと、緻密なデタラメだ!」
ユリア 「よく分からないけど、一生懸命いい加減なんだな」

麺王 「そう、それ!」
「いい加減に一生懸命なんじゃなくて、一生懸命いい加減がいいのだ!」

ユリア 「もう、いい加減にして!」
「禅問答みたいで、めんどくさいです」