結婚した時、
私は仕事中心人間で、
連日深夜残業が当たり前。
新居を探すときには、
少しでも職場に近く、夜遅くまで仕事ができるように、と
会社から徒歩3分のところに部屋を借りるほどでした。
その場所で、当たり前のように子どもを授かり、
仕事と両立しながら育てていくのだと思っていました。
が、
そう思い通りには行かなかった。
思い通りに妊娠できないんですよね。
まあね、
そりゃそうだ。
授かりものというのだもの。
焦ったり、無力感に苛まれたり、
日々感情ジェットコースターを堪能したのち、
やっと妊娠できた、と
喜んだのもつかの間、
突然の腹痛と出血に見舞われ、
急診で産婦人科を受診したときには
子宮の中に赤ちゃんの袋はなく、
あぁ、さっきトイレで出たあの赤い塊の中に
赤ちゃんがいたのだ、と、思いました。
1時間もかからない病院の滞在で
言われるままに帰宅して、
観た映画の、挿入歌。
しっとりと流れるピアノの曲を聴きながら
自分にとって本当に大切なものはなにか
自分が本当に望んでいるものはなにか
問われているような気がしました。
それから私は
仕事の量をセーブさせてもらい、
残業をほとんどしなくなり、
仕事の合間にマクロビオティックの料理教室に通って
自分の体質を変えて必ず妊娠してみせると必死でした。
1年後、
再び妊娠できた時には
安堵とともに、不安と、緊張とを常に感じていて
すでにいっぱいいっぱいでした。
産婦人科は職場の先輩の口コミで聞いた、
会社の近くの産院にしました。
優しい話し方の、初老の男性の院長先生。
分娩室に畳があって、
フリースタイルで出産できるというのが気に入っていました。
流産のときにお世話になって以来の受診で、
子宮の中に赤ちゃんの袋を確認してもらって、
晴れて市役所で母子手帳を交付してもらい、
2度目の検診に訪れたとき、
受付の張り紙に足が止まりました。
・
院長先生の体調不良のため、
新規の分娩予約は受け付けられないという内容の張り紙。
その日、まさに私は母子手帳を持っていって、
分娩予約をするはずの時でした。
診察の際に直接掛け合ってみたけれど、
申し訳ありません、との対応で、ダメでした。
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そんなことある?ってことが 起こること、
ありますよね。
私は大学受験の時に、
滑り止めの大学で、試験時間が大幅に余り、
すべての問題で見直しをして、自信満々だったのに
不合格だったことがあります。
なんで?そんなことある?って
落ち込むよりも、信じられないという気持ち。
でも、
その結果、
選びなおして進んだ大学で良い出会いがたくさんあったし、
そっちじゃないよ、
こっちだよ、って
何かが教えてくれたんだと思っています。
・
産院選びの時も、
似たような感覚でした。
その時は、そんなことある??って絶望感を感じても
あとから思い返すと
こっちで良かったなって 本当に思えるからです。
だってね、分娩予約を断られたおかげで、
それまで会社近くで産むことしか頭になかったのが、
突如、地元に戻って里帰り出産をする選択肢ができてきたんです。
望むのは、フリースタイルの畳の上でのお産・母子同室。
インターネットで検索しまくって、
ヒットしたのが 実家から通える場所にある、助産所 でした。
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