40年前
ソフトボールは花形スポーツのひとつで
私の通う西小学校でもとても盛んだった
同じ町内の小学校同士の
対抗試合も頻繁に行われ
選手達は田舎の小学校では大スターだった
私はどちらかと言うと運動音痴で
体力は人一倍あったが
軍隊の様な集団の競技がどうも苦手だった
当然選手に選ばれる様な事も無く補欠になる様な事も無かった
が、何をどう思ったか私は
別のソフトボールのチームを作ることにした…
私が作ったチームのメンバーは私を入れて合計4名
正規チームを一軍だとすれば
このチームは二軍の様なものだった
よく3人も集まったと思うが
あまり乗り気でない連中が私を気の毒に思って付き合ってくれた様な感じだ
とにかく或日の夕方
集合したメンバーはトレーニングをする事になった
トレーニングと言えば先ずはランニングが定番だ
私を先頭に一列に並んで走り始めた
一軍は校庭をグルグル回るが
二軍は町内を走る事にした
あんな校庭など何度回っても面白くもなんとも無い
どうせなら普段は行かない様な場所を走った方が楽しいに決まっている
観光と体力増強を兼ねた一挙両得に越したことは無い
私には前々から行ってみたい場所があった
だが、とてもじゃないがかなり寂しいエリアなので
一人で行くのが怖かった
二軍チームの力を借りて今日こそ行く事が出来る
私にとって願っても無い日が遂に来たという感じだ
そして、嫌がる他のメンバーを説得し
長い長い冒険ランニングが始まった
私の家から出発した一行は
田圃道をジグザグに走り抜け
御成り街道を横切り
子供の背丈の三倍もある枯れススキの原に着いた
ススキの原は
埼玉砂丘と呼ばれる古利根川の自然堤防で
良質の川砂が出る為に大きくえぐられて
砂の採取がおこなわれた跡地だ
何年も放置されたままになっており
辺り一面ススキの原となってしまい
不法投棄業者以外誰も近付こうとはしない場所だった
そんな心細いススキの原の真ん中に
人ひとりがやっと通り抜け出来る程の細いけもの道がなおも心細げに伸びていた
私は二軍チームを引き連れつつも恐る恐るその道を進んで行った
すると道をふさぐ様に一本の太い木の枝が横たわっていた
かなり太いがわりと短い
そして白っぽくて何とも珍しい感じだ
よく見るとそれは枝では無く
骨だった
こんな太い骨を見たのは生まれて初めてだ
余程大きな動物のものに違いない
「ギャーッ!!」
一同は大声を出して骨を飛び越えて走り出した
この恐ろしい場所から抜け出すことだけを考えてただひたすら走った
一体どこをどうやって走ってきたのか皆目記憶が無い
大きな骨のことを大人に話しても誰も信じてはくれなかった
当然、二軍チームはたった一度のトレーニングをもって解散となった
今考えても
何で私がソフトボールチームなどを作ったのか解らない
ソフトボールはあまり好きでは無かったし
トレーニングと言ってもランニング以外皆目思い付かない程で
バットを振っても球に当たったためしなど無いのに
みんなゴメンネ…