一つの装置が
世界を変えることを信じ
何かを作る
一枚の絵が
世界中の人々に安らぎを齎すと信じ
絵を描く
未だ嘗て出逢った事の無い
感動的な作品を
この手で作り出す
自分の作るモノで
誰かが喜んでくれると信じ
絞り出して
100ℓの汗と100ℓの血を
絞り出して
石にかじり付いて
何が何でもやり遂げる
自分がしなければ
他の誰にも出来ない事があるから
自分の命を担保に
作品を作らせてもらうしかないのだ
一つの装置が
世界を変えることを信じ
何かを作る
一枚の絵が
世界中の人々に安らぎを齎すと信じ
絵を描く
未だ嘗て出逢った事の無い
感動的な作品を
この手で作り出す
自分の作るモノで
誰かが喜んでくれると信じ
絞り出して
100ℓの汗と100ℓの血を
絞り出して
石にかじり付いて
何が何でもやり遂げる
自分がしなければ
他の誰にも出来ない事があるから
自分の命を担保に
作品を作らせてもらうしかないのだ
昨日のことなんて
どうでもいい
もう終わったことだ
明日のことなんて
どうでもいい
明日でなければ解らない
大切なのは
今なのだ
今この瞬間に何をしているかが大切だ
今 自分にとって
最も大切なことをしているかが大切だ
いいかい良く見たまえ
例えばここに八百屋さんがあったとする
その前を私が通り過ぎようとしたとする
ふと見ると何かが視界を占領する
さて、それが例えば蜜柑だったとしよう
私は思わず「これください」と言う
お店の人は「五百円です」と言う
私はお店の人に五百円を渡す
私は蜜柑を一皿貰う
そしてその日の夜
私は蜜柑を食べる
美味しく食べる
美味しく全部食べる
美味しい蜜柑を美味しく全部食べる
美味しい蜜柑を美味しそうに全部食べる
…ああ、蜜柑を買ってきてよかった
ああ、よかった
って、なるに決まっている事くらい
私にだって想像できるに決まっている
夏ですよ
いいえ秋ですよ
秋ですよ
いいえ夏ですよ
夏か秋ですよ
いいえ秋か夏ですよ
秋か夏ですよ
いいえ夏か秋ですよ
なにかですよ
そう、なにかですよ
私ですよ
いいえあなたですよ
あなたですよ
いいえ私ですよ
なにかですよ
そう、なにかですよ
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失敗作
初めから失敗し
始めから失敗し
元から失敗し
はじめから失敗し
連続して失敗し
最後まで失敗し
失敗作
一から失敗し
基から失敗し
源から失敗し
いきなり転び
ことごとく滑り
とうとう転覆
失敗作こそ
素晴らしき人生
失敗作こそ
永遠なる傑作
見つけないで
みつけて
探さないで
さがして
お日様の横にいるから
見つけないで
みつけて
青空を眺めているから
探さないで
さがして
見つけなくても
探さなくても
いつかきっと出逢う日が来るから
見つけないで
みつけて
探さないで
さがして
或る日父は
あんな所にあんな格好で立っていた
どんなに呼んでも返事をしない
何があっても動かない
あんな父の姿を見たのは初めてだ
ヒコ星になった父は
一体どこを見つめているのだろう
さっきからじっと向こうの方を向いたきり
向こうには「宝くじ売り場」があるだけなのに
君は確かに
ここを歩いて行ったのだろう
通りに面す二階の窓に
君の影が映っていたから
それは遠い昔のことさ
もしも ついさっきだとしたら
君の影は今なを
僕の方に伸びている筈だから
君は影レールの上で
アルマイトの髪飾りを揺らしていた…
水銀陽のガラス窓
夏を眺むる
磨り硝子
飛べ飛べ烏
夕焼けの空に
暮れゆく海を越えて
飛べ烏
踏切の遮断機の竹竿に
電信柱のてっぺんに
闇の雲が近付いて
飛べ飛べ
一本道を遡り
水平線の横で
揺れるカンナの上を
飛べ烏
蒼い草原に
秋風が吹く
海に突き出た桟橋の
一本松
飛べ飛べ
飛べ飛べ
消えゆく記憶を辿り
飛べ
気高き山は
白き砂浜の横の
さざ波立つ水面に漂うひと塊りの草
飛べ飛べ烏
行き止まりの看板を無視して
風に逆らい
一本道を辿り
どこまでも飛んで行け