水色長屋


何故にワシは

ここにいるのじゃ?


誰かが自分を必要としても

ここからは何処にも行けはしないのに かも知れぬのに なのに 知らぬよ ぬ


陽に翳り

たなびく海辺の旗が

パタパタ音をたてている


パタ パタ ヌヌヌ パタ ヌヌヌ


誰かに何かを伝えるのか?

それとも達磨さんが転んだり笑ったりしながら

遊んでいるのか


ああ…

何故に風が

風が何故に


砂浜の足跡の砂が飛んでいく…
















水色長屋

枯れた植木鉢を 三つ並べた



松の木ばかりが松じゃ無い

あなたを待つのもまつのうち…


一つは 松の木と南天の寄せ植え


鎖国の日本も貿易したよ

青い目をしたオランダ人と

行ったり来たり してみたよ…


二つ目は ナンバンギセルと糸ススキ


おいどんは どすこい

九州人たい!

おみゃー様は カフェでモーニングだぎゃ


三つ目は 三角蘇鉄


みんな仲良く並んでる

枯れてなおもて美しい

変化こそが美なのではないかと

思ってみたりして…







庭で ヨンドンちゃんが何かをしようとしている


ヨンドンちゃんのポーズが何かに似ている


水色長屋


この弓なり具合


あっ、日本列島にそっくりだ!


尻尾の辺りは小笠原諸島に違いない


えーと 能登半島はどこだっけ?


水色長屋



四国はどこだっけ?



水色長屋


勉強になりました


僕が右手を掲げると

君は左手を掲げた


僕の右手の意味は

「元気で、またね」の意味


君の左手の意味は

「元気で、どうもね」の意味


言葉が無くても

気持ちは伝わる


気持ちが無ければ

言葉さえも伝わらない




夕方

犬(ケラヘイ)の小屋横あたりから

不思議な声が聴こえてきた


あれは一体何なのか?




先ず

ケラヘイの遠吠えがした

続いて

以下の通り…


  ビョーイ ビョーイ バッバッバー

  ベビャボー ビョビョーッ

  ビョー ビョー ビュー


  バッ バッ バッ ビョー

  ビー ビュー ビョー


  ビョービャビュ ビュンギャー

  ギョッ ギョッ ピュー


そして最後にも

ケラヘイの遠吠えがした


世の中

常識では計り知れない

不思議なことがあるものだ

これは一体何なのか?





質問終わり。



雨ちゃんとヨンドンちゃん




寝たり

水色長屋


起きたり

水色長屋



雨ちゃんは約二歳

ヨンドンちゃんは約八歳

なかよしこよし

水色長屋







寒い日なので

石油ストーブにあたっていると

石油が切れて寒かった


寒い日なので

厚いジャンバーを着て

寒い道を歩き石油を買いに家を出た


寒い日なので

18ℓ 1,480円の石油を買って

坂東太郎に寄り込んで

熱い味噌煮込みうどんを食べて行こうとしたが


寒い日なので

石油の入った赤いポリタンクを持っていた為

店に入るのは良くないと思い

外から中を覗くだけにして

味噌煮込みうどんは諦めた


  そういえば坂東太郎のメニューには

  お刺身の盛り合わせのページがあって

  「お口直しに新鮮なお刺身はいかがですか?」って書いてある

  お口直しでお刺身はちょっとね

ラッコじゃ無いんだから…



寒い日なので

ガタガタ震えながら

ポリタンクの上に腰かけてひと休みをすると

暗い夜の果てから

小さな雪のカケラが舞って来た

どうりで寒い筈だ

でも帰っても

石油ストーブに火を着けるのはやめておこう



寒い日なので

早く寝てしまえば、良いだけだから…

















水色長屋

ダッジウエストにバナナの皮を放り込むと

僕の昼食が終了した


バナナの皮はやがて黒変し

燃え尽きし後

白灰となる


バナナの皮は

瞬きの間に

夜と昼のドラマを見たようだ


何気ない生活は

壮大な感動に支えられている







水色長屋

二段梯子をするすると伸ばすと

10メートルほどの高さになる


還暦を越した植木職人の三上一郎は

その梯子を一段ずつゆっくり上っていく


数年前に梯子から転落した後遺症が残り

片足を引きずりながら

朝7時40分から働く


風に揺れる木の上のほうで

誰も聴いていなのに

ダジャレを連発させながら

不要と思われる枝を切り落とす


この日も梯子の最上段に足を掛け

鋸の切り屑を全身に浴び

「ビューティフル ビューティフル」と叫びながら

とても楽しそうだった


「ビューティペアさん 私は誰とペアですか!」


ダジャレを言っている時は

手が止まり

時には必要な枝も堂々と切り落とす


それが植木職人

三上一郎だ…


2012年1月7日三上一郎は

イチゴ大福の白い粉を唇に付けたまま帰宅す


(文中敬称略)









水色長屋

ナショナリストは

大きなカバンを持ち

大活躍を夢見て

世界中を飛び回る


コスモポリタンは

もう既に宇宙の中心なので

じっとその場を動かず

静かに自分のやりたいことのみをやっている


一見引き籠りの様にも見えるコスモポリタンに

僕は憧れる


あらゆる地位や名誉を求めず

静かにコツコツと

常に手先を動かして

何かを作っている


しかし 

そのモノ作りのエネルギーは

果てしなく熱く激しいものだ

何故ならそれは

宇宙の中心でのモノ作りなのだから…


全ての人や全ての物質は

宇宙の中心にある

だが誰もそれに気付かないでいる