鏡台にかの香水の名残かな 雨香
梅雨寒のやや固き抽斗 四童
からつぽの胃袋のまま海を見て 由季
雁落とす錠前ひとつ 香
昇りくる月に尺金あててをり 藤幹
あたらしき家あたらしき米 童
ウ 計算の藁半紙には野の香り 幹
襞の畳めぬ絽の法衣にて 秀彦
ゆるめれば人魚と化する小鉤留め 幹
ながるる指に髪をゆだねて 水星人
風花に媚薬の混じる隠岐島 季
初蝶群れて崩す波の端 彦
春月のクレヨンの線おほまかに 人
絵本の外へ進む機関車 香
短夜の拳闘になき延長戦 彦
お花畑で休む筋肉 季
ふたの湯を角度変へつつ回し飲み 童
煙のもとに集ふ人々 人
ナオ 御利益はまんべんなくと護摩の壇 幹
行者部屋には強き冷房 彦
ぎんいろの風たをやかに夜の秋 人
コイントスして西瓜番決め 季
国境の柵かるがると鹿来る 童
指で探りし鶏頭の襞 香
祭日の仏の守りは休みたし 彦
ふところ深く熟れた付け文 幹
稲の中ふたりほどよき身長差 季
釣瓶落しを見てゐる手と手 人
割り箸を割る前に見る月の舟 香
まこと正しき着陸姿勢 童
ナウ 骨盤をゆるめて聖歌歌ひだす 季
からんころんと転がる冬日 幹
男めく妻の指先葱を盛る 彦
笑ひ出したる山といふ山 童
ウクレレの小さき穴へ花吹雪 人
人の如くに集ふ春雲 香
起首 2006年06月18日
満尾 2006年12月14日
お疲れさまでした。満尾です。手直しがあれば、二三日中にお願いします。
ご感想など、大歓迎です。
なお、かんたんな式目がありますので、ご参考にどうぞ。
①太田光/中沢新一『憲法九条を世界遺産に』(集英社新書)
②吉松隆『夢みるクラシック 交響曲入門』(ちくまプリマー新書)
③城繁幸『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社新書)
④梅田望夫『ウェブ進化論』(ちくま新書)
④に書いてあった
日本という国は「いったん属した組織を一度も辞めたことのない人たち」ばかりの発想で支配されている
というくだりが私をブルーにさせる。③は、それをもっと具体的に示している。
グッチ裕三のように♪すご~く疲れ~た~、と歌ってみる。
齋藤朝比古さんの俳句研究賞受賞記念パーティーに出席。「炎環」の方々を中心に「豆の木」やインターネット関係も加わり、楽しい集まりだった。
司会の田島健一さんに突然スピーチを振られ、しどろもどろ。こういうのは「後でひとこと頼みます」くらい前ふりがあっても、「やらせ」と新聞で叩かれるようなことはないのだが(^^);
しどろもどろに話したのは、朝比古さんの無季や破調観。「無季や破調っていうのはあってもいいけど、そういう句を見たときは、まず自分で頭の中で有季定型に作り直してみて、それでも無季や破調である必然性が感じられたら、その句を認める」という朝比古さんの発言を聞いたのは、国立の路上だったか「庵」だったか。それがひどく印象的だったことを述べ、「これからもごりごりの有季定型でいて下さい」と結ぶ。
懸垂の鉄棒凍ててなほ 撓ふ 四童
土曜日に銀座に行く用事があり、ついでに山野楽器に十年ぶりくらいで立ち寄ったところ、折しも楽譜売場にはクリスマス・ソングのコーナーができていました。
まだ俳句など始めていなかった14年前、ジャズ・ピアノを稲森康利先生に師事していたおりに、弟子の編曲を先生が監修してソロ・ピアノ用のクリスマス・ソング集を出版するという話があり、私も芸大や武蔵野のおねえさまがたに混じって4曲編曲したことがあります。突貫工事で誤植だらけの楽譜が出版された後すっかり忘れていたのですが、6年ほど前に体裁を変えて版を重ね、いまだに私の編曲したうちの2曲がこの世に出回っているようです。恐ろしやというべきかありがたやというべきか…。
稲森康利監修『ソロピアノアルバム クリスマスジャズ セレクション』(中央アート出版)
「サンタクロースがやってくる」と「聖母の御子」が14年前の私の編曲です。楽譜売場に行く機会があれば、立ち読みでもしてみて下さい。
夜長し隣に多くのインド人 藤代マロ 葉
三日月が照らす足立の二毛作 藤代マロ 天吾四
秋時雨写真の中の捨子かな 藤代マロ 吾
運動会楽しくて楽しくて核落ちる 藤代マロ
紅葉かつ散る多羅尾伴内の額 藤幹子 吾
金木犀散りぬるルイス・キャロル作 藤幹子 吾
夜つぴいて乳の川あふぐ捨て子花 藤幹子 葉
めくら打ちに生きてきたるよゐのこづち 藤幹子 吾
蟋蟀が闇より屋号我楽苦多屋 天気
月の出や多芸の人はわづらはし 天気 葉
誤作動もなく鶏頭の咲いてをり 天気 マ藤苑由振四葉
月白や茶殻ひとかたまりに捨つ 天気 藤苑水
茫々の芒の原を多聞天 吾郎 藤振
爽波忌の遺作めくさ猪木は嘘 吾郎 苑
気の這う疽抜いて捨て犬爽波の忌 吾郎 振
電線も運ぶものあり爽波の忌 吾郎 天苑四
捨景なるこという友爽やかに笑う 葉月 水
ラヴェンダー畑数多に音のあり 葉月 天苑由振
鳥類に似てくる俳人爽波の忌 葉月 藤
ヴェーベルン作品九と暮の秋 葉月 振四
朝顔の種を多目に採つてをり 由季 四水
行く秋の小さきおかず作り置く 由季 天苑振吾四水葉
よく効いて作りの雑な案山子かな 由季 藤振
天の川捨て看板の脚かろし 由季 マ四
爽波忌の音階を踏み外したる 由季
多足類の陸へと上る月夜かな 苑を 天由四葉
戯作者のとぼとぼと往く鰯雲 苑を マ藤由振水葉
捨てられて月へ飛び出す椅子のバネ 苑を 藤天水
野葡萄の蔓伸びてゐる空き家かな 苑を 水
累々とどんぐりが降る多感な丘 振り子 マ藤四
陽のあたりたる絵本には多くの木 振り子 天苑由水
造作なく家を毀して烏瓜 振り子 由四葉
幾重にも刈田に捨ててある小窓 振り子 天水
画室かがやくはるかの木夕べの鹿 振り子 葉
我楽多に秋刀魚一匹露なり 水星人
鰯雲創作ダンス部員来る 水星人 マ天苑由振
台風が色知らぬまま捨てらるる 水星人 マ振
人間の近づくほどに捨案山子 水星人 マ藤吾
釣瓶落し羽の生え来しロックスター 水星人 マ
芋の葉や面倒なほど人のゐて 水星人 マ藤苑由吾
多目的ダムに沈める秋の暮 四童 マ吾
長月や作曲に要る指のかず 四童 天苑由吾水葉
秋麗や吟味してゐる捨てるもの 四童 由
十月の気圏に箱の増えてをり 四童
(以上)
ありがとうございました。しばしご歓談下さい。
【多】
ラヴェンダー畑数多に音のあり
我楽多に秋刀魚一匹露なり
月の出や多芸の人はわづらはし
紅葉かつ散る多羅尾伴内の額
多足類の陸へと上る月夜かな
多目的ダムに沈める秋の暮
朝顔の種を多目に採つてをり
夜長し隣に多くのインド人
陽のあたりたる絵本には多くの木
累々とどんぐりが降る多感な丘
茫々の芒の原を多聞天
蟋蟀が闇より屋号我楽苦多屋
【作】
ヴェーベルン作品九と暮の秋
よく効いて作りの雑な案山子かな
鰯雲創作ダンス部員来る
戯作者のとぼとぼと往く鰯雲
金木犀散りぬるルイス・キャロル作
誤作動もなく鶏頭の咲いてをり
行く秋の小さきおかず作り置く
三日月が照らす足立の二毛作
爽波忌の遺作めくさ猪木は嘘
造作なく家を毀して烏瓜
長月や作曲に要る指のかず
【捨】
幾重にも刈田に捨ててある小窓
気の這う疽抜いて捨て犬爽波の忌
月白や茶殻ひとかたまりに捨つ
捨てられて月へ飛び出す椅子のバネ
捨景なるこという友爽やかに笑う
秋時雨写真の中の捨子かな
秋麗や吟味してゐる捨てるもの
人間の近づくほどに捨案山子
台風が色知らぬまま捨てらるる
天の川捨て看板の脚かろし
夜つぴいて乳の川あふぐ捨て子花
【雑詠】
めくら打ちに生きてきたるよゐのこづち
芋の葉や面倒なほど人のゐて
運動会楽しくて楽しくて核落ちる
画室かがやくはるかの木夕べの鹿
十月の気圏に箱の増えてをり
爽波忌の音階を踏み外したる
鳥類に似てくる俳人爽波の忌
釣瓶落し羽の生え来しロックスター
電線も運ぶものあり爽波の忌
野葡萄の蔓伸びてゐる空き家かな
(以上)
選句締切:10月21日(土)24時(JST)
投稿先:四童珈琲店
http://navy.ap.teacup.com/yondoblog/468.html
へのコメントでお願い致します。
10句選にてお願いします。よろしくどうぞ。
恒例の四童珈琲店忌日句会のご案内です。今年は「多作多捨」をお題にしましょう。
【多】
【作】
【捨】
【雑詠】
それぞれ何句でも。
投句締切:10月18日(水)24時(JST)締切厳守
投句宛先:四童までメールにて
@piano.email.ne.jpの前に
oendo
締切後、匿名で投句一覧を四童珈琲店(http://navy.ap.teacup.com/yondoblog/)に発表し、互選後に作者を発表致します。
ふるってご参加下さいませ。よろしくどうぞ。
カニ ロッカー 魚 妻 ポーノグラフィックな尼僧ねえ、きみはいけない少年だった半ずぼんを下におろしてしまったね
十日ほど前に咲いた海芋がこの数日の暑さでうなだれる。
配線を束ねるのに使う、針金の芯をビニールで帯状に被覆したものを買ってきて、去年は朝顔に使っていた支柱を添え、海芋の茎をそっと固定する。うなだれた海芋の茎は、人間の薬指の太さほどなのであった。