エメロンやきみの花粉のなかの耳
せりせりとセロリを切れり泣き止みて
なにしても三色菫見てをりぬ
ぽつと春灯し出稼ぎフィリピーナ
もの見れば右目が痒し誓子の忌
永き日をたかだか人の住んでをり
海市まで探してゐたり伝言板
亀鳴いてはや知事選は幕を閉ぢ
五線譜に似つかはしきはからすのえんだう
三月とはふとんの中にとどまる釦
三月の木橋になつて漂へる
死ぬほど美味いショートホープや春
十得の声研ぎ澄ます蛙かな
春なのにああ春なのに蒟蒻鍋
春の闇玩具のやうに口紅を
春光も三越もある日本橋
春塵や小さく老いし犬歩む
春昼や鈴を揺らして車椅子
春泥やカタヤキソバのやうな恋
消しゴムで消せば汚れる誓子の忌
寝たふりをし続けてゐる誓子の忌
針に糸首尾よく通り燕来る
誓子忌のもはやさみどり色の影
蒼蠅の生まれは小さき虹なりき
誰彼も猫思い出す朧かな
沈丁の家救急車来て止まる
二歩進み三歩戻りて土筆摘む
鼻薬目薬マスクらのデイズ
片づけてまつたき春の闇とせむ
北陸の地震の知らせ誓子の忌
鳴き惜しみつつ亀として生きてゐる
目のやり場手のやり場なき春コート
夜ばかりをまとつてゐたる白木蓮
夜桜のまはりに山口君の靴
夜桜の国となりけり鬼もをり
囀りや少しゆがみし缶の蓋
巫女ふたり帰るところや誓子の忌
訥にふれ訛にふれて春の地震
(以上)
選評をコメントでお願い致します。7句選です。
よろしくどうぞ。
如何お過ごしでしょうか。今年も四童珈琲店にて三週連続忌日句会をやりたいと思います。すなわち、
3月26日(月)誓子忌
4月1日(日)三鬼忌
4月8日(日)虚子忌
です。主旨にご賛同の方はそれぞれ当日24時締切厳守で、メールにて投句願います。兼題は特に定めず、3週とも当季雑詠五句以上(上限なし)とします。
投句先:四童(piano.email.ne.jpの前にoendoとアットマーク)
作者名を伏せて四童珈琲店(http://navy.ap.teacup.com/yondoblog/)で互選の上、作者発表するサイクルを三週間繰り返します。
で はご参加をお待ちしております。
一ヶ月以上ぶりにピアノを弾く。ジョー・ヘンダーソンの譜面を持ってきてくれた人がいたのでジョーヘン特集。
Out Of The Night(マイナー・ブルース)
Serenity
Black Narcissus(三拍子の美しい曲)
Punjab(難しくてよう分からん)
その他
Four
body and soul
barbara
など。
その代わり、asの綺麗なお姉さんのライブを聴きに行く。
大滝敏子(as)
山内健司(tp)
猪浦純子(p)
池田和仁(b)
中村吉伸(ds)
演奏された曲は、最初と最後の曲以外は遠藤バンドでも練習したことのある曲。
(1st set)
watch what happens
liberated brother
barbara
what's new
yes or no
(2nd set)
in walked Bud
foot prints
body and soul
Bolivia
題名失念ボビー・ワトソンの曲
よく知った曲ではあるのだが、リズム・セクションが変幻自在・緩急自在で、ワルツがフォー・ビートになったりして、すごく面白かった。この半月くらいの間にドラマーが代わったらしいのだが、それがすごくいい方に作用していて、演奏者も含め次にどういう展開になるか分からないジャズ本来のスリルがあった。
私もバンド、頑張ろう。
on green dolphin street
stella by starlight
my one and only love
humpty dumpty
barbara
song for my father
strode rode
four
夕刊の6面に「待春」と題された朝比古さんの十句。
揺れやすきものばかりなるおでんかな 齋藤朝比古
風花の風なくなつてしまひけり
しびれる。よく入門書などで「季語を説明してはいけません」式の解説を見かける。ところがどっこい、季語を説明するだけでも新しい句ができる余地があることに驚かされる。「風花」の句、なんとも切ないではないか。
ものごころついてから、どれほどの四季を繰り返し生きてきたのだろう。折々に家族が増え、あるいは減り、ある時期から子どもの成長に自分自身の幼年時代の記憶を重ねるようになり、そんなふうに何重にも螺旋構造を重ねて生きている。
俳句の素材としてレトロなものを扱う是非が取り沙汰されることがあるが、四季の繰り返しの中で季語が日本人に共通の記憶を呼び覚ますのだとしたら、短詩型の中で共通の記憶を共有することが、季語の方法なのだとしたら、レトロ素材だってその資格があるのではないか(人名と同じように)。
ということを思いながら、三宅やよいの第二句集『駱駝のあくび』(ふらんす堂)を読み進めている。
春の闇応接室の白カバー 三宅やよい
赤チンの膝突き出してれんげ摘む
ゆすらうめ踏んで沈める風呂の板
ついでながら、第一句集『玩具箱』の感想文で
> 「アニマルズ」とか「色づくし」というしばりを設定することによって
> 句の配列による飛躍がなくなってしまった分、前半は損をしているよう
> な気がしました。
という僭越なことを三宅さんに申し上げたことがあったので、第二句集の章立て「青」「赤」「白」「黒」を見たとき仰天したのですが、第一句集のしばりとはぜんぜん異質なものでした。ネタばらしをする訳には行かないので、これ以上は読んでのお楽しみ。