村上春樹『レキシントンの幽霊』 | 椿日記

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ごきげんよう、國枝志帆です。





「まだ時間は早いけれど、ビールでも飲みませんか」と少しあとで彼は言った。飲みましょう、と僕は言った。たしかにビールが飲みたいような気分だった。


ーー村上春樹『沈黙』より



村上春樹の短編集を読みました。



古本屋かえりみちさんの読書会 に

参加するために読んだ本です。





読み始めたら2日でした。

ほとんど一気読み。



どの短編も面白かったです。

静かで、深みがあって、内面的で。



村上春樹の小説には、

独特の静けさがあると思います。

ちょうど一人分の木陰のような。



作中にぴったりの表現を見つけました。

まさにこんな感じです↓



時間は僕のまわりを心地よく穏やかに過ぎ去っていった。まるでぴったりとサイズの合ったひとがたに自分を埋め込んだような心持ちだった。


ーー『レキシントンの幽霊』より



冒頭に引用した『沈黙』と

『レキシントンの幽霊』が好きです。



『沈黙』は、

大沢さんの誇りを尊敬するし、



『レキシントンの幽霊』は、

古いお屋敷の雰囲気が好きです。

あと、犬のマイルズが可愛い。



静かな時の中、

コーヒーとワインの香りが

漂ってくるような物語でした。



最後まで読んでくださって感謝します。



あなたの今日が、

幸せな一日でありますように。