十数年前に発売された開発が日本ロボティクス 、販売を村山コーポレーションが行った車体の様です。
現在は上記の会社とは別の会社が二輪駆動自転車を販売しています。
車種、サイズ、デザイン等は多様ですが肝心の二輪駆動システムはダブルジョイント(特許出願2007-512407 発明者 小関光弘氏 出願者 東京理科大学)を使っているみたいです。詳細説明がサイトに無いのでウェブページの写真を見た印象です。間違ってたらごめんなさい。
このジョイントとライティ?とでも言えばいいのか片持ちフロントフォークがこいつのキモな訳ですが必要以上に複雑な構造をしていないので、余程劣悪な保存状態でない限り復活は可能です・・・。
やるかどうかは別の話ですが、今回はまず完調で無くとも稼動状態にして試乗、それからコストを掛けるべきか検討したいと思います。
ダブルジョイント自体もなんとなくガタが大きい気がするので交換したい気もしますがもう手に入りませんよねえ。
今回の車体は外見以上に中身がやられてました。
BBリテーナー破損、両側ワン再利用不可、コッタレスシャフトかじりアリとBB廻りは全滅状態です。
ワンとリテーナーは交換したのですがコッタレスシャフトは在庫が無かったので不本意ながら再利用です。
歯数の少ないスプロケで偶数歯・・・。
何も言いませんけど。
回転軸部分はシールドベアリングが入っているので、シールをめくってグリスの補充です。
ちなみにこのギアがエキセントリック式チェーンアジャスターになってます。
ジョイントブーツは完全に使用不能です。気休めの埃除けにチューブを巻いときました。使えるジョイントブーツは見つけたんですがこの車体にコストを掛けるかはまだ検討中です。
ハンドルを多めに切ると左右のダブルジョイントが接触します。その時にチューブが挟まってすぐに穴が開くのだが一先ず暫定処置という事で。
ハンドルストッパー的な機構は一切無く、衝撃を受けるとキモな筈のダブルジョイントにダメージが集中します・・・。
さすがにブレーキが効かないと試乗も出来ないのでブレーキパッドは買いました。
ブレーキにはSNGとありましたがZOOM用直径18ミリが適合します。楽天で発見。
ローターは厚い所で2.0ミリ、薄い所で1.7ミリと豪快に偏磨耗しています。歪んだローターをそのままにして乗ってたんでしょう。交換対象。
片持ちハブはシールドベアリング入りで逆ネジ切った極太シャフトで固定されます。回転もスムーズなので今回は何もしませんでした。
リアハブは玉押しが緩んでガタガタでした。交換対象。
グリスアップと玉押し調整。
リアハブ左側、フロントへ駆動力を伝達するフリーは動きが渋くてガリガリ異音がします。交換対象。
分解錆落としと注油をします。
通常の自転車よりも3倍は使うであろうチェーンは全て伸びも少なく再利用。洗浄するのに酷い目に遭いましたが。
本気で直すなら費用がそれなりに必要です。
試乗出来る状態にして短時間ですが乗ってみました。
二輪駆動自体は確かに効果的で、低ミュー路では大きなアドバンテージとなります。むしろ楽しいです。
局地走行車両としての可能性は大きいです。カスタムのイメージが膨らみます。
ただ、今回はコストを掛けてレストアをした訳では無いので、部品の経年劣化による走行抵抗が確実にあります。絶対にあります。ここからはそれを加味した上の見解です。
舗装路での走行抵抗の大きさは日常的に使用するには厳しい気がします。
部品交換を極力しなかったとはいえ経年劣化による負荷の増加だけで無く、伝達効率があまり良く無い感じがします。
あれだけ長い距離チェーンで伝達してれば当然ですが。
極太タイヤの転がりの悪さもあると思います。
回しても回しても速度が乗らないので爽快感がありません。豪脚な方のトレーニングならいいんでしょうが。
まあ十数年前のモデルなのできっと現在販売されている二輪駆動自転車は細部において改良はされているでしょうから、もっと軽快に走るでしょうけど。
話のタネには面白いので暇を見つけながらコツコツ弄っていきます。