コンクールの審査に行ってきました。


音楽ーという点数で測れないものに

点をつけなくてはいけない、

矛盾を感じながらのお仕事です。

でも、小さな子供から大人まで

全力の尊い演奏を聞かせていただくのは

楽しいことです。


今回は大きく心を動かされる

すばらしい演奏に出会いました。


幼稚園から大学生までの部門の後

「一般」というくくりがありました。

若い参加者の中

何番目かにステージに現れたのは

おじいさん!

80歳くらいにだって見える男性でした。


わあ、若い人に交じって出演することだけでも

すごい勇気だなあ…でも大丈夫かなあ?


そんな思いで眺めていました。


出だしだけちょっとつまずき、

でも淡々と続けていかれます。


きれいな音!

いや、きれいという言葉だけではなく

何か力のある、

いい音なんです。

いい音楽。

進んでいくうち涙が出そうな感覚に…。

曲は初心者が勉強する習作で

少しも感動的な曲ではないのに!

技術としては稚拙です。


何の邪念も無く、ただ音楽に

身をささげている様子?

これまでの人生の重み?が自然に

音楽に出てしまうのか?


感動的な曲を感動的に弾こうと頑張る

他の参加者、

いえ、どう表現したらいい演奏になるかと

考えるワタシも何だか

…ぶっとばされてしまいました(^_^;)


他の審査員の先生方も

大きな感銘を受けておられる様子でしたが

点数にしてしまうと

私たちからはよい賞をさしあげることが

できませんでした。


でもなんと!


聴衆賞を受賞なさったのです。

その日一般の聴衆から審査をお願いしてあった

方々の点が高かったのです!

やはり聴いてる皆さんの心に強く響く

演奏だったのですね。


よかったー!

最もふさわしい賞です。

おめでとうございます♪