岸田政権は1月17日、「非常時に国が自治体に必要な指示をできるようにする」という地方自治法改悪案を発表しました。戦後、戦争の反省から「国と地方自治体は対等」としてきた地方自治を抹殺し、地方自治体を国の命令に従う機関に純化させるということです。1月10日から、沖縄辺野古新基地建設の強制代執行が行われているように、私たちの働く職場を戦争反対の地域住民の声を叩き潰す、戦争の出先機関にしようとしているのです。

政府のこの動きは、自治体労働者の反乱を恐れているからでもあります。私たち自治労組合員は今なお、全国のあらゆる自治体職場において、ストライキ権批准投票を実施し、圧倒的賛成でストライキ権を確立し続けています。

第二次世界大戦の際には、戦争に賛成する労働組合幹部のもとに、現場はことごとく団結を破壊され、住民を戦争に動員する「兵事係」に多くの公務員が従事しました。しかし、三度目の世界戦争が始まろうとしている今、私たちには戦争協力を拒否して闘える団結がまだ生き残っています。今こそストライキで闘う春闘を!

昨年の秋、そごう、ジェットスター、テレビ山口など、民間の労働者の中から新たなストライキのうねりが始まりました。今春闘を、労働者の団結した力で戦争に突き進む社会を変える闘いにしましょう。

 

●「復興よりも戦争」の岸田政権を倒そう

 能登半島の震災は以前から指摘され、2020年末から500回以上の群発地震が起きてきました。しかし、防衛予算はうなぎのぼりに増える一方、防災関連予算は2013年の5兆円5735円から1兆6079億円にまで減らされてきました。耐震化工事がなかなか進まず、多くの人々が「圧死」した現実は、まさに「人災」と呼ぶべきです。社会の矛盾の多くが、戦争国家化の動きの中で引き起こされています。

 1月7日には自衛隊が千葉県・習志野駐屯地で「離島奪還」を想定したパラシュート降下訓練を強行しました。政府は「災害対応の中でも国の守りはゆるぎないと内外に示すことは重要」と言い訳をしています。さらに1月15日、東京都中野区を皮切りに、全国各地で「ミサイル避難訓練」が強行されています。これは専門家が「やる意味はほぼない」「防衛強化が必要というムードづくり」と指摘している通り、戦争動員の訓練です。「復興よりも戦争」なのです。岸田政権が守ろうとしているのは住民ではなく「国家の威信」であり、日本の資本家の発展なのです。

 

●核戦争に向かう政府を許してはならない

 

 中国侵略戦争への準備がものすごい勢いで進められています。12月22日に政府は「防衛装備移転三原則」運用方針を改定し、米国へのパトリオットミサイル輸出を決定。1月8日には麻生太郎が「台湾有事は日本の存立危機事態」と発言し、自衛隊の戦争参加を明言しました。岸田政権がやっているのはもはや「戦争準備」ではなく宣戦布告に等しい行為です。「北朝鮮のミサイル試射」も、米日韓の軍事演習の拡大が引き金になっています。ガルーチ元米国務省北朝鮮核問題担当特使は「2024年、北東アジアで核戦争が起きる可能性がある」と他人事のように語っていますが、この情勢は米日政府が意図的に作りだしています。

 

●ガザの民衆蜂起に応えて岸田政権を打倒しよう

 

 ガザの死者はすでに27000人にのぼっています。住民の100人に1人が殺され、住居は6割以上が破壊されています。イスラエル軍は病院を狙い撃ちにしています。治療を妨害し、非人道兵器を使用した証拠となるカルテを焼き払うためです。また、イスラエルが食料の搬入を禁止しているため、ガザでは塩の値段が20倍になっており、「餓死が戦死者の数を上回る状況になる」と言われています。さらに、ジャーナリストを狙って射殺し、この現実を報道することを妨害しています。

 これを今なお米欧日政府は「やりすぎはよくないがイスラエルには自衛権がある」と基本的に支持しているのです。このような虐殺と破壊は昨年10月7日に始まったのではなくずっと続いてきました。中東の権益を確保するために、パレスチナという「現代の植民地」を温存し支配してきたのです。これが「ロシアは侵略をやめろ」と言ってきた米欧日政府の語る「国際秩序」の正体です。

今、パレスチナでの世論調査では、戦後ガザ統治の担い手として「ハマス」が60%、占領を終わらせる方策として「武装闘争」をするべきだと63%が答えています。ガザの人々はこのような国際社会に対し、ついに民族をあげた渾身の闘いに立ち上がっているのです。

 パレスチナの労働組合はイスラエルによるガザ侵攻を止める闘いを「奪われ搾取されている世界のすべての人々の解放のための梃子である」として、全世界の労働者に決起を呼びかけています。世界中で爆発するガザ侵攻弾劾のデモは、バイデンによる<中東・ウクライナ・東アジア>の三正面の世界戦争策動を止める闘いとして発展しつつあります。岸田政権は中立ではありません。UNRWA への資金拠出停止に岸田が追随したことに、ガザで日本への怒りの声が上がっています。バイデン政権と歩調を合わせ、ガザ虐殺を推進している岸田政権を打倒しましょう。対中国侵略戦争を止め、生きられる社会を守るため、闘う春闘を甦らせましょう。