●世界戦争突入を宣言した広島サミット

 「平和を発信する」とうたわれたG7広島サミットは、世界戦争への突入を宣言する会議となりました。G7の首脳たちは、「揺るぎないウクライナへの支持」と軍事的支援の強化を確認しました。その場でバイデン大統領はウクライナへの517億円の追加軍事支援とF16戦闘機の供与を、岸田首相は自衛隊車両100台の提供を約束しました。

 G7首脳は中国・ロシアの核を非難しながら、G7自身の核保有を正当化しました。

 また、ゼレンスキー大統領が「ウクライナ戦争停戦」を訴えるブラジル・ルラ大統領との会談だけをボイコットするなど、ウクライナ戦争の続行・拡大に各国を組み敷く場として行われました。

 また、サミットは、ヒロシマの怒りを押しつぶし、日本を戦争国家に変貌させるために行われました。G7サミットを前に広島市教育委員会は4月、漫画『はだしのゲン』や「第五福竜丸」についての記述を平和教材から削除しました。さらに3/25に英政府がウクライナへの劣化ウラン弾投入を発表すると、大手マスコミが押し並べて「劣化ウラン弾は核兵器ではない」という政府の発表を垂れ流し、3/29には広島市役所が劣化ウラン弾の問題について記載したHPを削除しました。

 

●連日のデモで岸田首相の狙いを打ち砕いた

 あらゆる政党・メディアが「サミット歓迎」一色に染めあげられる中、全国の青年・学生が先頭に立って「戦争サミット粉砕」を掲げ連日のサミット反対デモに立ち上がりました。デモは市民のものすごい注目を浴びました。

全国から集まった24000人の機動隊が戒厳令の演習と言わんばかりのデモ規制を行う中でも、機動隊の壁を乗り越えてデモに合流する人が続出しました。

 焦った警察はデモをしていた学生に一方的に暴力を振るい、首を絞め、狙い撃ちで逮捕しました。

 日本のマスコミは「デモ隊が機動隊を蹴った」と報道していますが、海外メディアや事態を目の当たりにした市民がSNSを通じて機動隊の暴虐をつたえています。

 橋下徹が21日、「G7サミットではっきりしたのは現実、ロシアも中国も核兵器を持ってる以上は、やはり核兵器の抑止力は必要なのだということ。」と語っているように、岸田政権はサミットを使って、核戦争を許さない広島の怒りを「核抑止」の世論を煽ってねじ伏せ、戦争反対の声を叩き潰そうとしたのです。

 しかし、機動隊の暴行は全世界に発信され、被爆者からも「核抑止(の前提)に立った議論がされ、戦争をあおるような会議になった。」「被爆者の願いを踏みにじった」と怒りの声が上がる中、広島サミットの正体が白日のもとにさらされました。闘いはここからです。