― フリーザと謎肉 ―

 

届いたレーシングスーツを、

よめこがさっそく着てみる。

 

……様子がおかしい。

 

ダイネーゼより、明らかにきつい。

 

足をねじ込み、

腕を通し、

気合いでファスナーを上げる。

 

もちろん、直立はできない。

姿勢は完全にオランウータン

 

まあ、そういう形にできている。

それは理解している。

 

だが、

ウルトラマンのように

身体にフィットしていたダイネーゼと比べると、

違和感がすごいようだ。

 

特に、肩。

 

「肩が、痛い」

 

脱いでみると、

肩にしっかりあざができている。

 

もしや──

胴が長いとか、

そういう悲しい理由なのだろうか。

 

だが、よめこの分析は違った。

 

「胴の太さで横に引っ張られて、

 結果、丈が短くなってるんちゃう?」

 

……いや、おかしいだろう。

身長体重はほぼ同じ人から買ったはずだ。

 

違いがあるとすれば──

年齢。

 

そう、これは成分の違いである。

 

若い子には存在しない、

謎肉。

重さに対して体積が大きい、謎肉である。

 

 

買い直すか?

いや、まだだ。

 

夜の散歩は、

依然として続いている。

 

時間は、まだある。

 

このままダイエットを継続する。

私はすでにヒョロヒョロであるが、計画のため、

どこまでも付き合う覚悟である。