やっぱりアルビニサウンドが好きター!なんてダジャレを言いたかった訳ではないのだが、Steve Albiniロスに陥った私は未聴だったTarを聴いてみる事にした。Tarの日本語表記はタールかな?とも思ったが、1993年に当時Zeni Gevaの田畑満のSteve Albiniへのインタヴューの内容を見るとターと書かれていたので、ターと書いてみた。

 

PussySurfers on X: "スティーヴ・アルビニのインタビュー 1993年 シカゴのワーストバンドとベストバンド(この時点でTORTOISEを高く評価)、日本のベストバンド(山塚アイ、GISM、LIP CREAM etc.)等について話してます 「RAMONESは完璧なロックバンドだね。16才の時に聴いて以来、今でも最高のバンドだと思っている」 https://t.co/m5ceJwCxNG" / X (twitter.com)

 

Tar

 

このバンドはあまり有名ではないと思うので、少し紹介すると、1988年にシカゴで結成されたポスト・ハードコアバンドである。

 

メンバーは多分以下の通り。コンピレーション盤の『Tar Box』のクレジットから推測した。

 

John Mohr: guitar, vocals

Mark Zablocki: guitar

Mike Greenlees: drums

Tim Mescher: bass (1stアルバム『Roundhouse』まで)

Tom Zaluckyj: bass (2ndアルバム『Jackson』以降)

 

【1989年】Handsome

 

【1990年】Roundhouse

 

【1991年】Jackson

 

【1993年】Toast

 

【1993年】Clincher

 

【1995年】Over And Out

 

『Handsome』と『Clincher』はEPである。1993年以降はTouch And Goから、それ以前はHelmetやMelvins等のアルバムをリリースしているAmphetamine Reptileからのリリースである。

 

Steve Albiniが録音したのは『Handsome』収録6曲中の4曲(残りはIan Burgess、彼は『Roundhouse』も録音)と『Jackson』、クレジットには記載は無いが『Toast』、そしてBob Westonと一緒に録音した『Over And Out』である。Ian BurgessはSteve Albiniの最初のバンドBig Blackの『Atomizer』を録音したエンジニアである。

 

上記のインタヴューを読み、クレジットの録音エンジニアを確認して、期待して聴いてみたのだが、結果は少し微妙な感じだった。その理由は、所々で少しSonic Touth的な感じがしたからである。全体的にSonic Youth的な感じがするのではない。そのSonic Youth的ではない曲は聴いていて本当に良い。当時のオルタナティヴ/ヘヴィロックはそんな感じなのかもしれないが、Sonic Youth的な曲を聴きたいのであれば、Sonic Youthを聴いた方が良いと私は思う。そういう所が、もしかするとTarがそれ程有名ではない原因なのかもしれない。

 

それでも作曲と録音状態から、私がオススメするアルバムは『Jackson』だ。このアルバムは1990年代前半のSteve Albiniが録音したバンドの良い点を一番感じる事ができるからだ。Bob Westonと一緒に録音した『Over And Out』は少しShellacのアルバムの録音状態に似ていると思うが、私の一番のオススメは『Jackson』だな。

 

Steve Albiniのバンドや彼が録音したバンドのアルバムを色々聴いてきて、わかった事が有ったので、それは次回、日本が世界に誇るZeni Gevaを紹介する時に書いてみようと思う。