『Corridor Of Daylights』は2004年にP.S.F. Recordsからリリースされた平野剛の3rdアルバムである。
Corridor Of Daylights/平野剛
【曲目】
01: Airborn
02: Corridor Of Dylights
03: Higan
04: Windy Shores
05: At Noon
06: Coral
07: Fragment Olive
08: Heartstone
09: Pure Waters
10: Fireworks
11: Ice
12: Gogonohikari
13: Airstream
【録音メンバー】
平野剛: piano, melodica(pianica), wind chimes, percussion, voice
Roderick Zalameda: guitar(06), effects(06)
平野剛
平野剛については、P.S.F. Recordsからリリースされているアルバムを再発しているBlack Editionsが『Corridor Of Daylights』を去年(2020年)再発するまで知らなかった。アルバムの紹介記事を見て、アンビエントミュージックっぽいのかな?と思っていて、当時は手を出さなかった。ところが同年にBlack Editionsが再発したWhite Heavenの『Out』を聴いてから、生悦住英夫のP.S.F. Recordsが再び気になり出して、幾つかのアルバムをMP3でダウンロードした。『Corridor Of Daylights』はその一つだった。
先ず録音状態だが、宅録のような音だ。宅録のような音、と書いたが、映画を観ている時にバックに流れている音楽のようにも聴こえる。Jazz Tokyoの平野剛へのインタビュー記事を読むと、平野剛は"空気感"を大事にしたとの事だ。
↓Jazz Tokyoの平野剛へのインタビュー記事はこちら。
Interview #205 平野剛 Go Hirano簡素な中に豊かなものが響き合う、あるがままの音楽 – JazzTokyo
このアルバムの音楽の感じは日常のスケッチ、素描という表現が最も適しているように思う。このアルバムを聴いて私が思い出したのはドイツのClusterのメンバーだったHans-Joachim Roedeliusの初期のソロアルバムだった。Roderick Zalamedaと共演した「Coral」を聴いた時に特にそう思った。但し、全体的にRoedelius程、抒情的な訳ではなく、淡々としている感じだ。それは各曲のメロディーが非常にシンプルであり、リズムも訥々とした素朴な感じだからだと思う。
Corridor Of Daylights=日光の回廊…このアルバムの音楽は正にタイトル通りのアルバムだ。昼間の淡い光の中の淡々とした日常の中の淡いサイケデリア…そんな言葉が頭に思い浮かんだ。生悦住英夫のアンテナに引っ掛かったのは、そんな部分ではないだろうか?
私はこのアルバムを朝の通勤時によく聴いている。気持ちがフラットになれるからだ。何でもない日常を素晴らしいと思わせる事ができる音楽がこのアルバムに有る。