水着を買いに行った帰りの電車に乗る時、エスカレーターでホームへ向かおうとしたら、ヨメが急に乗る寸前で止まってしまった。
”どうした?後ろから人が来たら危ないよ!!”
”ごめんなさい。こわいの。”
”???足を折った事を思い出したの???”
”ううん。なんか怖くなっちゃって。”
”こっちこそ。気づかなくてごめん。エレベーターで行こう”
数日後に市民プールの階段を降りようとした時もヨメは固まってしまった。
10段ほどの緩やかな階段だったのだが、ヨメには恐ろしい地獄への階段に見えているのかも知れない。
手をしっかりと握って、ゆっくりと降りて事なきを得たが、背中に少し冷たい汗が流れる感じがした。