浴室 -117ページ目

掴めずに

落ちていった、あの欠片は今、どこにあるの?



わたしが落した、あの欠片は今、どこにあるの?




何が幸せだった?



あの時の決断は正しかった?




わたしは何がしたかった?



何も知らずに、何もできずに、結婚して、子供を産んで、それが幸せだった?


結婚したかった?




わたしの今のポジションはわたしが決めたはずだよね?


何がいやなの



何が不満なの







落した欠片、集めても元には戻らない


落した欠片、捨てた欠片、もう、拾えない






落した欠片、なくした欠片、決めた選択肢


今と昔






無くして得た物


無くして欲しかった物


無くしてまで得たかった物





何が欲しい



ねぇ

私の声が聞こえるか?


どうしようもなく見苦しい、私の声が、聞こえるか?



私に支配されたい?






私を救って、わたしを救って、ねぇ、助けて




わたしは間違っているの?


わたしは間違っているの?


違うでしょう?ねぇ、仕方のないことでしょう?




背負おうとした荷物の重さ


どこまで耐えられるのかが知りたい


背負えなくなったら


貴方が背負ってくれる?




きっと無理、ねぇ、無理でしょう


わたしの心の闇はきっと


貴方には無理



真っ黒に染まった


ニコチンの水のように


淀みなく流れ続ける


このわたしを気持ちが


貴方にはわかる?





何が苦しいの?


何が嫌なの?


なんで泣いているの?




泣くなんて、そんなに気持ちの良いこと


ずるい

願望

泣きじゃくりながらごめんなさいと懺悔するわたしをきつく抱きしめて


体を撫でて欲しい


泣きつかれてそのまま眠ってしまったら、そのまま頭を撫でて欲しい



泣きつかれて、眠るまで


子供のように、泣くわたしを


抱いたまま離さないで





誰かの前で子供のように欲しがって


誰かの前に子供のように許しを得たい





いつになったら感情は死んで


いつになったらわたしは苦痛を感じずにいられるの








全てを受け入れて


それでも好きだと言って


全てを受け入れて


それでもそれは仕方のなかったことだって


わたしを肯定して


崩れそうになるわたしを、救いあげて


貴方の手で





貴方の手が


欲しい





今すぐに隣にきて


何も言わずに隣にいて


今すぐに隣にきて


その顔を見せて