エッセイふんわり (4) 98Jun:ミナミ探検/トークばら | 容子のふんわり行きましょ

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もとトークばらの山下容子です。2000年から2015年まで『ふんわり行きましょ』というホームページを持っていました。

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ふんわり行きましょ第4回

(ひまわり33号@1998年6月)

 

*** 最近の写真(ジャケット&スカート) ***

 

最近の写真を初公開します。いつもいつも羊の看板を上げて犬の肉を売るわけにもいきませんから・・・。ただどちらも残念ながら外出写真じゃなくてトークばらのお店で夜に撮ったものです。

 

1枚目はセミロングのウィグで、ムトウで買ったお気に入りのジャケットとスカート姿。実はこの服は私も私の奥さんも同じサイズ(13号)同じものを持っています。

 

 

ムトウやニッセンのカタログを見ていて奥さんに似合うなと思う服は時々買ってあげることにしていて(1年に1回か2回だけど)この時は1着を奥さんあてに、もう1着は私あてに注文しました。奥さんと同じ服を着てるというのはちょっといたずらっぽくていいでしょ(^o^)

 

*** キス ***

 

 

2枚目の写真は私が右(ウィグはショートです)真弓さんが左で、両側から映画ちゃん(真ん中の男性)にキスしてあげているところです(*1)。映画ちゃんという名前は彼が映画に詳しいことからつきました。小太りでちょっとエッチですが、話の面白い愉快な人です。

 

(*1)もちろん池田センセのヤラセでした。写真のオリジナルを失くしたので『ひまわり』に掲載されたモノクロ写真を取り込みました。

唄子(*2)の伝統が残っているトークばらでは時々こんな場面があります。もちろんいやがる子に強引にせまるなんて野暮な男の人は(いやがる男性にせまる女装の子も)いないのでご心配なく。

 

(*2)むかし大阪の阿倍野にあったアマチュア女装の草分けのお店です。第5回と7回でお話しします。

 

トークばらは地下鉄南森町駅から歩いて5分(梅田駅からは15分)末広ビルの2階にあり、日曜祝日を除く毎晩6時から11時まで開けています。オーナーは池田先生で始まって以来21年になります(*3)

 

(*3)池田先生は2008年に引退され、22年に亡くなりました。2代目オーナーは五十鈴さん(08年~22年)、3代目はクマさんです(彼はオーナーとは言わず管理人を名乗ります)。トークばらオープンタイム2024年月曜~土曜の18時~23時(祝日も開けます)。また、毎月第2日曜13時~21時と(サンデー昼ばら)第4土曜13時~22時も開けています(サタデー昼ばら)。トークばらの年齢=1979年5月に始まったので2024年5月で45歳になります。

 

お店のようすを紹介しておきましょう。同じビルの3階にメイクと着替えのための部屋があり、自分でメイクできない人にはこの道17年のベテラン五十鈴さんがメイクします。女装の荷物を預かってほしい場合は池田先生か五十鈴さんに相談してください(*4)

 

(*4)現在メイク担当者は常駐していません。自分でメイクできない人は管理人のクマさんにご相談ください(連絡先は090-8538-1547/トークばらケイタイHP)。荷物はお預かりできません(有料のロッカーがあります=1か月5,000円)

 

 

料金は5,000円から8,000円くらい)。ビールと水割りは飲み放題です。メイクしてもらった場合や泊まった場合でも10,000円を超えることはありません。お客さんは女装さんと男性の割合が半々から7対3くらいです(*5)

 

(*5)今は1回3,000円。お店という言葉を使うことはありますが営業のお店ではなく同好会費用はお勘定でなく会費です。飲み放題は同じですがビールではなくクリアアサヒ。泊ることはできません。女装さんと男性の割合は今も同じくらいです。

 

外出は自由です。ビルのまわりは会社やマンションが多く、明る過ぎず暗過ぎず。まわりの人たちも見慣れているので怪しげな女装でも見とがめられることはありません。

 

ビルから50mほど離れたところに『セブン』と『こころ』があります(*6)。ふつうのお店ですが、女装の子も歓迎してくれて一般のお客さんも一緒になって楽しくやっています。大阪の人たちはこのへんがいいかげんというか開けっぴろげなのが面白いところです。

 

(*6)セブンもこころもお店を閉めました。天神橋筋商店街のなんもり壱番は女装さんOKです。

 

 

先日の夜の外出の話をしておきましょう。五十鈴さんと岡山の真由美と一緒にミナミで飲み明かした時のことです。真由美もこの道17年でベテランのくせに172cmの身長を気にして(これくらいの女の子なんてどこにでもいるのにね)地下鉄に乗ろうと言っても聞き入れません(この頑固モノ

 

それでは面白くないということで五十鈴さんと意見が一致し「ついて来ないんだったらもう口をきいてやらないよ」と言って景気付けに水割りを余分に飲ませ、梅田から地下鉄に押し込みました。

 

乗ってみればどうってことはありません。真由美を安心させるために私も9cmヒールのパンプスを履き、五十鈴さんも身長は163cm。3人連れ立って電車に乗るとたしかに目立ちます。でも今どきこんなことで驚く人が夜中に御堂筋線に乗ってるはずもありません。

 

チラチラ見る人もいるけれど、それも快感 そして残念ながら事件はなにもなしに難波に到着しました。真由美の心臓はバッコンバッコンだったそうだけど、要は場慣れだもんね。真由美は次はきっと環状線に乗ろうと言うはずです(*7)

 

(*7)実現しませんでした(笑)

 

ミナミでは『いまむら』(*8)と『愛』をはしごして、『愛』では女の子2人組と意気投合して朝まで騒いできました。

 

(*8)私、この時まで女装さんのお店探検は3回しかなく、このお店にその後行ったことがありません。でも、調べてみたら今もやってました。浮き沈みの激しいこの世界でスゴい(@@)

 

 
(1998年5月20日)
(改訂:2023年8月12日)