直腸ガン ⑥ 衝撃のがん告知 | 直腸ガンと乳ガンに…まだまだ生きていたい

直腸ガンと乳ガンに…まだまだ生きていたい

2012年11月8日直腸ガン手術。その頃の日記からも記載。
2015年1月には乳がん発覚。それも…両側。4月23日両側乳房全摘手術。一次二期再建。同時エキスパンダー挿入。2016年1月21日には両胸共にインプラントへ入れ替え。
それでも前向きに…まだまだ生きていたいから…

2012年10月5日


病理検査の結果の日を迎えた


家族には…
まだ何も伝えてはいない状況で


1週間以上
不安を抱いたまま

1人・・・
悶々とした日々を過ごしていた


緊急内視鏡をした時に


確信的な状況を
目の当たりにした時点で


病名は決定的なのに

なおも・・・
受け入れる事の怖さから



万に一つの
僅かな可能性に望みをかけていた





診察室の扉を開け


挨拶をして
いつものようにイスに座る


先生には
いつものような笑顔はなく


一瞬だけ目を合わせて
挨拶だけを返してくれた


そして
すぐにまた
画像や所見を確認している様子だった



沈黙と
重たい空気感に耐えられず


緊張のあまり思わず私は…


たくさんの空気を
思いっきり吸い込んで

『ふぅ~~~』と音を出しながら


この流れを
吹き飛ばすかのように


深く長い深呼吸をした



私の深呼吸が終わるのと同時に


先生は…
真っ直ぐに私の目を見て

躊躇することなく…こぅ…
告知をした


『よろしいですか?

検査の結果…

悪性腫瘍すなわち…
ガンです


冷静すぎるほどの
迷いのない断言の告知


覚悟してきたものの
表現できない衝撃


頭をハンマーで殴られたような
経験したことがない喪失感


それと同時に・・・
頭が真っ白に


私…死んじゃうの?

あとどれくらい
生きていられるの?


込み上げてくる悲しさや
押し寄せてくる不安を堪えて


震えながら歯を食いしばり
必死で涙を堪えていた



あとは…淡々と

『総合病院への紹介状や
精密検査をして…』


色々な話を
丁寧にしてくれていた先生の話は

全く耳に入らないまま


いつの間にか
先生の話が終わっていた


挨拶をして
診察室をあとにして

呆然としながら会計を終え




駐車場の車に乗った瞬間


一人きりの車の中で
ようやく

気が張っていた気持ちが
プチッと切れた感覚


(嗚咽)

堪えていた涙が
止めどなく
どっと…溢れ出てくる


両手で顔を覆い

涙が枯れ果てるまで
泣き続けていた…


どれくらいの時間が過ぎたのだろう



事が現実のものとなり

ようやく冷静さを取り戻し


泣いていても
何も始まらないし
何も変わらない


過ぎ去った時間を
後悔するより

前を向いて
ちゃんと歩いていかないと


そぅ…心に決めて


車を
ようやく発進させた




それなのに何度も何度も

込み上げてくる
言いようのない恐怖と涙


車を走らせることができず
休憩をしながら

動揺している心を
必死で落ち着かせて



時間がかかりながら
ようやく家へと戻った


それでも
結果が出ても


この同じ気持ちを
家族には
まだ…伝えたくなかった


ギリギリまで
伝えずにいたかった


こんな気持ちは
しばらく
私だけで背負っていこうと
心に決めた




悲しみは
少しでも先伸ばしにさせる事が

唯一
その時の私が出来る償いだった



紹介状を後日もらいに行き

ガン患者闘病記が始まった


続く→⑦