社労士として働く私が、もうひとつ持っている資格が「家電製品総合アドバイザー」。
一見まったく関係ないように思えるこの2つの分野ですが、実は「時間」や「生活の質」に大きく関わるという点で、意外にも重なる部分が多いということを最近感じるようになりました。
今回はそんな視点から、共働き世帯や子育て中の家庭にとって役立つ“制度”と“家電”、それぞれの上手な活かし方について書いてみようと思います。
働き方と暮らし方、どちらも大事。
社会保険労務士×家電製品総合アドバイザーが提案する「時間と心に余裕を生む暮らしの工夫」
「忙しくて毎日があっという間に終わってしまう」
「制度は整ってきたけど、結局しんどさは変わらない」
そう感じている方は多いのではないでしょうか。
私自身、社会保険労務士として、企業や働く人の“制度面”を支えるお手伝いをしていますが、一方で家電製品総合アドバイザーとして「それ、家電で解決できるかも」というシーンに出くわすことも多くなりました。
不思議なことに、制度の話をしていたはずが、いつの間にか「洗濯が大変で…」とか「朝の支度がバタバタで…」という“暮らし”の話になることがよくあります。
そうなんです。
働き方と暮らし方は、切り離して考えることができないのです。
■ 制度だけでは解決できない“日常のしんどさ”
近年、育児・介護休業法の改正や、働き方改革の影響で、企業の制度はかなり整ってきました。
男性育休の取得も徐々に浸透し、フレックスタイム制やリモートワークなど、柔軟な働き方も選べるようになっています。
でも現実を見ると、「制度はあるけど、毎日がきつい」「結局家事や育児の負担が大きくて余裕がない」といった声は根強く残っています。
これは、制度だけでは補いきれない、“暮らし”の課題があるからです。
特に子育てや介護と両立しながら働いている方にとって、
日々の家事は時間も体力も奪う存在です。
■ 暮らしの負担を軽くする、もう一つの「時短ツール」
そこで注目したいのが、“家電の力”です。
最近の家電は、本当に進化しています。
ただ便利になるだけでなく、「時間を生み出す道具」になってきているのです。
たとえば:
ドラム式洗濯乾燥機:洗濯から乾燥まで全自動。干す・取り込む作業が不要に。
食器洗い乾燥機:夕食後の後片付けにかかる20分が丸ごと自由時間に。
ロボット掃除機:外出中に掃除が完了。週末の掃除タイムがまるごと休息に。
電気圧力鍋や自動調理鍋:放っておくだけで、煮込み料理が完成。
これらは単なる「便利グッズ」ではありません。
『仕事と生活の両立を支える、もうひとつの働き方改革ツール』です。
■ こんなご家庭も:制度×家電のかけ算で生まれた変化
あるご夫婦は、第一子の小学校入学を機に、夫が時短勤務、妻がテレワークを選択。
同時に、洗濯乾燥機と食洗機を導入しました。
すると、1日に約90分もの“家事時間”が削減。
その時間を使って、子どもとの会話や学校の準備、ゆっくりお風呂に入る時間も確保できるようになったそうです。
「以前は時間がなくて、子どもが話しかけても“ちょっと待って”が口ぐせだった。でも、最近は“何?”と顔を向けられるようになった」と、父親は話していました。
制度は時間を作り、家電はその時間を守ってくれる。
この両輪が揃ってはじめて、真の意味で「ゆとり」が生まれるのだと感じた事例でした。
■ 家電は贅沢品ではない、“未来を整える投資”
もちろん、最新家電にはそれなりのコストがかかります。
ですが、FPとしての視点から言えば、これは“消費”ではなく、“自己投資”と捉えるべき支出です。
10万円の家電が、1日30分、年間で180時間以上の自由時間を生む。
この「時間資産」をどう使うかによって、人生の質が大きく変わってくるのです。
子どもと過ごす時間、キャリアアップの勉強、体を休める時間——
お金には換算できないけれど、大切な「余白」がそこには生まれます。
■ 制度と家電、どちらも「使いこなす」力を
私たちは、ただ“制度に守られる”だけでなく、
自分たちの暮らしに合った道具や手段を選ぶことで、「人生の設計図」を自分で描いていくことができます。
制度と道具、どちらか一方では足りません。
制度を知り、道具を選び、それらを上手に“活かす力”こそが、これからの時代に必要なスキルではないでしょうか。
「ちょっとしんどいな」「余裕がないな」と思ったら、働き方だけでなく、“暮らし方の見直し”もしてみてください。
そのヒントは、意外と身近なところにあるのかもしれませんよ。