横山社会保険労務士事務所の横山です。


今日は、6月1日から始まる「熱中症対策の義務化」について書きます。

今回の改正は『罰則付きの義務』に変わる、けっこう大きな内容なんです。

 


 

 ■ どうして今、熱中症対策が義務になるの?

 

背景には、職場での熱中症による死亡事故が後を絶たないという現実があります。
2023年も31人の方が命を落とし、その多くが「異変に気づくのが遅れた」ことが原因とされています。

そんな状況を受けて、厚生労働省が令和7年4月15日に省令を改正
熱中症対策を「やっておいた方がいい」から「やらなければならない」に変えました。

 


 

 ■ 対象になる職場はこんなところ

 

あなたの会社が対象か、まずはこの2つをチェックしてみてください。

 

右矢印 気温31度以上、または暑さ指数28以上

右矢印 その環境で1時間以上連続作業、または1日4時間を超える作業がある

 

たとえば…

  • 建設現場や運送業などの屋外作業

  • 厨房・倉庫・工場などエアコンの効きにくい屋内作業

実は、かなり幅広い業種が対象になる可能性があります。

 


 

 ■ 会社がやらなきゃいけない「3つのこと」

 

義務化されたのは、次の3つの対策です。

 

① 体調不良時の連絡体制を整える

「誰に連絡するのか」「どのように対応するのか」をあらかじめ決めておきます。
→ 例:「体調が悪くなったら、すぐに〇〇さんに報告する」など

 

② 対応手順をルール化する

休ませる・冷やす・必要なら医療機関へ、などの対応マニュアルを用意します。
→ 書面化しておくとベストです!

 

③ 従業員にしっかり伝える

どんな対策をしているのか、ポスターやミーティングで周知します。
→ ルールは「作る」だけでなく「伝える」ことも大切です。

 


 

 ■ もし対策をしなかったら?

 

この制度は「義務」です。
対応を怠ると、以下のような
罰則が科される可能性があります。

 

🔺 6か月以下の拘禁刑 または 50万円以下の罰金

 

知らなかった・忙しかった…では通用しないです。

 


 

 ■ 今日からできる!実践的なアイデア

 

「そんな大げさなことまで…」と感じた方もご安心を。
中小企業でもできる、かんたんで効果的な対策があります。

  •  「体調が悪くなったら〇〇さんへ」と張り紙を貼る

  •  アラームで定期的な休憩や水分補給を促す

  •  冷却グッズやスポドリを気軽に取れる場所に置く

  •  1枚でわかる対応マニュアルを配布する

こうした積み重ねが、命を守ることにつながります。

 

※上記の対策案は、あくまで現段階での例示です。

実際の対策案は、今後公表されますので、必ずご確認ください。

 


 

 ▼ 不安な方はご相談ください!

 

「うちの職場、対象になるのかな…?」
「何をどう整備すればいいか分からない」
そんな時は、どうぞお気軽にご相談ください。

 

社労士として、法律のことはもちろん、現場に合った“実行しやすい対策”をご提案します。
従業員の命と健康を守る取り組みは、会社の信頼にもつながります。

 

6月の施行まで、あと少し。
無理なく、でも確実に備えていきましょう。

 

 

 

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