こんにちは。横山社会保険労務士事務所の横山 勝です。
SNSを使っていると、どうしても気になるのが「いいね」の数。
仕事中にふとスマホをのぞいて、「あ、まだ3件か…」なんてちょっと落ち込んだり。
逆に、思った以上に反応が来ると「今日はついてる!」とテンションが上がったり。
冷静に考えれば数字の増減に一喜一憂する必要はないはずなんですが、人って意外とこういう小さな承認で気持ちが動くものですよね。
「美味しそうに撮れたランチ写真」や「ちょっと真面目に書いた日常の気づき」――それに誰かが反応してくれるだけで、「ああ、自分の発信は受け止めてもらえたんだ」と安心する。
この感覚、実は職場の中でも同じような形で存在しているんです。
職場の“いいね”って何?
会社で働いていると、評価されるタイミングって案外限られています。
年に一度の人事考課や、期末の業績評価。
もちろん大事ですが、それだけだと「自分はちゃんと見てもらえているのかな?」と不安になることも。
そんなときに効くのが、日常の小さな“いいね”です。
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上司が「おかげで助かったよ」と言ってくれる
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同僚が「そのやり方いいね!」と真似してくれる
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チーム全体から「よくやった!」と拍手が起きる
これらは正式な評価ではなくても、日々の頑張りを認めてもらえたサイン。
SNSでの「いいね」がじんわり嬉しいのと同じように、こうした小さな承認が積み重なることで、職場のモチベーションは大きく変わります。
承認欲求=厄介ではない
承認欲求という言葉、どこかネガティブに使われがちです。
「承認欲求が強い人はめんどくさい」とか、「いいね欲しさに必死すぎる」とか。
でも、人間はそもそも「認められたい」という気持ちで動く生き物。
この気持ちがあるからこそ、新しいことに挑戦できたり、ちょっと無理して頑張れたりするんです。
SNSでいいねを欲しがる気持ちと、職場で評価されたい気持ち――両方とも同じ「人間らしさ」なんですよね。
だから、承認欲求を悪者扱いするのではなく、どうやって健全に活かすかを考える方が建設的です。
会社ができる“小さな仕掛け”
では、具体的に会社は何をすればいいのでしょうか?
「評価制度を抜本的に変える」なんて大ごとをしなくても大丈夫。
日常の中に“いいね”を生む仕掛けを少し加えるだけで、職場の空気はガラリと変わります。
1. 成果だけじゃなくプロセスも褒める
「売上を上げた」「新しい顧客を取った」など大きな成果はもちろん評価されますが、そこに至るまでの工夫や努力も見逃さないこと。
たとえば、「あの資料、見やすく作ってくれて助かったよ」と一言添えるだけで、本人は“自分の工夫をちゃんと見てくれたんだ”と感じられます。
2. 会議で“いいね紹介タイム”を設ける
週に一度の会議の最後に「今週のナイスプレー」をひとつずつ紹介する。
これをやるだけで、社員同士も「誰かの貢献」に気づきやすくなります。
SNSのタイムラインに「いいね」が並ぶように、会議の場がちょっと温かい空気で締まるのです。
3. チャットや掲示板で気軽にリアクション
いまや多くの会社でSlackやTeamsといったツールを使っています。
そこにスタンプやリアクション機能をもっと活用してみましょう。
「資料提出しました!」に対して👍を押すだけでも、“見てもらえた”という安心感につながります。スタンプひとつが立派な承認なんです。
4. 上司からの“ひとこと手書き”
メールやチャットは便利ですが、あえて手書きのメモで「ありがとう」と残すのも効果的。
デスクにポンと置かれたメモは、ちょっとしたサプライズになって印象に残ります。
SNSでいう「特別感のあるリプライ」みたいなものですね。
5. 社員同士の“いいね”を促す仕組み
上司だけが褒めるのではなく、同僚同士でも“いいね”を伝えられるとさらに良い雰囲気に。
例えば「サンクスカード制度」を導入して、「ありがとう」を書いて渡す。
ちょっと照れくさい文化でも、やってみると意外と定着します。
まとめ
SNSで「いいね」が増えると嬉しいように、職場でも日常の承認が人を元気にします。
会社の評価制度がどれだけ立派でも、日々のちょっとした承認が欠けていると社員はやる気を失いやすい。
逆に言えば、たとえ制度が完璧でなくても、“いいね”文化が根づいている職場は不思議と空気が明るくなり、社員も自然と力を発揮しやすくなります。
「うちの会社、どうも社員が元気ないな」と感じるときは、まず評価制度の見直しではなく、身近な“いいね”を増やしてみることから始めてみてください。
SNSで「いいね」を押すくらいの手軽さで、職場に承認を届けられるはずです。
👉 あなたの会社では、どんな“いいね”が飛び交っていますか?