横山専務の闘う営業日誌+子育て日記 -7ページ目

横山専務の闘う営業日誌+子育て日記

闘う営業日誌と子育て日誌が合体しました!!大腸がんとの闘病記録から不動産屋としての物件紹介、そして家族と過ごした記録をこちらに記載しております!

〇9月11日(月)

2月28日からはじまったUFT+ユーゼル療法が8月22日で終了、抗がん剤投与完了後はじめてとなる造影CT検査を受けてきました。この検査を無事クリアできれば経過観察、でも肝臓再発時のトラウマが蘇り朝から・・・正確には1週間前から情緒不安定であったと思います。自然と口数が少なくなり何を見てもイライラしてしまう。

〇9月12日(火)

診察予定は11時30分からだったので10時過ぎに病院に入った。妻に付き添ってもらって夫婦で病院へ、妻が「車を出そうか?」と言ってくれたかが断った。例え再発が見つかったとしても車は自分で運転する。

朝一でTSUTAYAで漫画と書籍を買い込んで病院に向かった、持っていった漫画5冊のうち4冊を読み終えた。主治医が「〇〇さ~ん、3番診察室にお入りくださ~い」とアナウンスが流れる度にドキンとする。

暇つぶしに測った血圧が140を超えていた、12時過ぎたころだったか「横山さ~ん、診察室にお入りくださ~い」と声が聞こえて心臓がバクバクしながら診察室を開けた。

緊張する私の顔を見ながら、主治医が笑顔で「横山さん、大丈夫ですよ!!大丈夫です」と念を押すように言ってくれて全身の力が抜けるように椅子に腰かけた。

私:「これで経過観察ってことで良いんでしょうか?」

主治医:「そうですね、次回の造影CTはいつにしましょうか?」

私:「本当に長かったです、12月11日CTで診察を翌日の12日でお願いします」

主治医:「大変申し訳ありませんが、私が1年間アメリカに転勤することになりまして、次回の診察からは別の医師が担当することになります」

私:「寂しいですね、先生、本当にお世話になりました、先生のおかげでここまでくることができました」

夫婦で深々と頭を下げて去年の10月に先生にいうはずだった言葉を伝えることができた。病院の都合なのだろうか、アメリカで修行をするらしい・・・また病院に戻ってくるとのことでした。

待合室で感じた絶望と恐怖、不安、希望・・・診察室を出たあとにこの1年9カ月のことが走馬灯のように思い出された。

病院を出た後の青い空が眩しく感じた。

<横山専務のコメント>

大腸がん肝転移切除後の3年生存率は50%弱、5年生存率は40%弱・・・がんの再再発の確率は50%以上、手術のみで完治する確率は20%未満・・・この統計データ上の数値は変わらない、経過観察は肝臓切除後9カ月を再発なく過ごせたということであり、それ以上のものではない。

でも抗がん剤のない普通の生活に戻ることができ、生きられる確率があがったことに違いはない。

乗り越えた・・・というにはまだ早いけど、家族や仲間、先輩方の支えがあってここまでこれたことに心から感謝したい。

がんとも共に生きる決意を新たにするとともに、医学の発展に期待しつつ、がんと闘っている人たちの役に立ちたい。

〇ピアリング

女性のがんに直面する人同士、想いと経験を共有するコミニティサービス

乳がんや子宮がんなど女性特有のがんに直面する方が同じ状況の方とつながり安心して情報交換や交流ができるインターネット患者会です。

会員数は1万5000名を超え投稿数も100万件を超える最大級SNSです。

https://peer-ring.com/

〇ピアリングブルー

消化器がんに向き合う女性どうしの想いと経験を共有するコミュニティサービス

大腸がんの患者会が全国的にみても少ない中、2023年春に立ち上がった女性向けSNSです。登録は女性限定ですが、閲覧は性別問わず誰でも可能です。

https://bleu.peer-ring.com/

〇カマエイド(kama+aid)

がん患者の治療に役立つ食事の工夫が満載、わかりやすい栄養価表示や管理栄養士や医療者によるアドバイスも確認できる。食欲がない、少量で栄養をつけたい、下痢でで困ってるという食事の悩みも解決できるかも。

https://kama-aid.com/service

〇NPO法人キャンサーネットジャパン

がんを「知る」「学ぶ」「集う」をもとにシンポジウム、セミナー、各種イベントの企画運営を行っている非営利法人のサイトです。

がん種ごとの情報冊子は保険会社も利用しています。認定試験や各種講座の案内もありがんの情報を集めるために有用なサイトです。

https://www.cancernet.jp/company

〇がんと働く応援団

現役世代でがんを経験したサバイバーと各専門家が共に治療と仕事の両立支援の情報を提供しています。

がんになってしまった場合の仕事は?家族は?・・・そんな疑問と不安を少しでも解消していただけると思います。

がんはある種の災害である、防災という意識をもつことで備えていきましょう。

https://www.gh-ouendan.com/ganbousai

〇オンコロ

がんとひとをつなぐをコンセプトに運営されているサイトです。

メディカルニュースや臨床試験の情報、各種イベントの情報などが確認んできます。

悪性リンパ腫で闘病された笠井信輔さんの「こんなの聞いてもいいですか?」はこちらのサイトから発信されています。

https://oncolo.jp/

<横山専務のコメント>

がんとの闘いはある種の情報戦であることは間違いないと思います。ネットには良い情報も悪い情報も溢れていますが、正しいサイトから間違いのない情報を集めて治療に役立てて欲しいと思います。

がんの知識は学校で教えてもらえるものではありません、ほとんどの方が告知を受けて絶望や不安、恐怖に駆られた中で必死に集めるものです。

自分の住んでいる地域ではどんな治療が受けられるのか?今のがん治療はどんな実績でどのぐらい助かるのか?日々変わっていく情報を罹患する前から集めておくことで軽減されるものが少なからずあるはずです。

がんを防災する・・・という意識は人として生きていく中で必要な考え方であったとがんに罹患してはじめてわかりました。

それを少しでも伝えていければと思います。

2023年8月15日(火)

UFT+ユーゼルの服用完了、ただ実際にはお盆の準備があったため数日前から服用を止めていました。本来はまずいことですが、長時間の運転などが必要であったため、事故を起こすよりは良いという判断でした。

数日服用を止めたところで抗がん剤の作用が無くなったりするわけではありません。

2023年8月22日(火)

血液検査、尿検査で肝機能の状態は腫瘍マーカーに異常がないかの検査でした。ちょうど肝臓の切除から8カ月、原発切除から約1年半、再発の所見がでるとすれば確率の高い時期ではあるので血液検査であってもかなり憂鬱でした。

結果は問題なし、経過観察への移行をかけた造影CT検査は9月11日(月)、結果を聞く診察は翌日の12日となりました。

◎UFT+ユーゼル療法の副作用について

後半苦しかったのは頭痛の倦怠感、ケモブレインと言われる集中力や記憶力の低下がキツイ症状だったと思います。夏の暑さも伴ってウォーキングを行うと起きていられずに仮眠を取らないと1日を乗り越えることができない日も多くありました。

仕事をこなすためにエナジードリンクを服用するのですが飲み過ぎるとどうしても胃の不調を起こしその流れから下痢や便秘などにつながることも多かったように思います。

<横山専務のコメント>

抗がん剤あるあるですが、抗がん剤の終わりを待ち望んでいたのに終わり近づくにつれて抗がん剤がないことによる不安が襲ってくるわけです。服用中は「抗がん剤が身体にまわっているから再発しない」と頭のどこかで思い込んでいるだと思います。

ただ服用終了から1週間が経過しましたが、味覚障害のない、下痢や便秘に悩むことのない生活は本当に快適です。朝起きたときから徹夜明けのような身体の辛さもない・・・でもよく考えるとこれが普通のことなんですよね。

健康や日常が当たり前でないことを感謝する瞬間でもあります。

9月11日の検査を無事クリアして念願の経過観察を1年8カ月越しに掴み取りたいですね~

ただ私の再発率は50%以上、5年生存率は40%以下です。

今日の1日を大切にしながら過ごしていきたいと思います。

〇がん医療ネットワークナビゲーターとは?

がん拠点病院にはがん相談員がおり、がんに関するさまざまな疑問や悩みの解決に対応していますが、すべての患者さんとご家族が、相談や支援にたどりつけていない現状です。そこで患者さんとご家族をがん相談員につなぐ人材が求められ「がん医療ネットワークナビゲーター制度」が発足しました。

〇認定がん医療ネットワークナビゲーターの業務内容とは?

①地域におけるがん診療情報や医療サービス情報を収集する

②地域におけるがん診療情報や医療サービス情報を提供する

③地域のがん診療連携活動に参加する

④医療介入またはこれに相当する可能性のある行為は行わない

※シニアナビゲーターになると上記内容に加え臨床試験・治験に関する情報提供などを行うことも業務内容に含むようになります。

〇認定がん医療ネットワークナビゲーターになるには?

①一般社団法人日本癌治療学会が定めるシステムを利用して学習を修了すること

②がん医療にかかわる地域医療ネットワークに参加している施設もしくは組織に所属していること

<横山専務のコメント>

がんに罹患したことがない人にとっては「なんのこっちゃわからん!?」って感じだと思いますが、がん患者にとって治療を「どこで?どんな?どのぐらい?」受けるのかは非常に重要な要素になります。

ネットが普及している中で偽りの情報も多く出回っておりがんに罹患した方が回りに相談することができずうつ病になってしまったり、生活に困窮する・・・また誤った情報を信じて高額な健康食品を購入してしまったり宗教にのめり込んでしまう方もいるのが実情です。

そんな中で適切な医療情報を患者に届けるために人材が不足している現状を受けてこの制度が設立されました。

私もがんに罹患してから「黒にんにく、高麗人参、水素カプセル、樹状細胞療法」など多くのとんでも療法を勧められた経験があります。

間違った情報が氾濫している昨今に正しい知識を自分の周りにいる人に届けたい。そして自分のために医療の最新情報を把握しておきたいと考えています。

私はがんとの闘いは情報戦だと思っています。

自分がいきるために今できる最善を尽くしたい、そう考えています。

2023年6月12日(月)

午後1時からの造影CT検査、再発を受けた時のショックが未だに大きく残っており「転移がありました」と言われることを考えずにはいられない。この日は妻の誕生日であったが朝から気分が重く緊張で頭痛がしていた。

2023年6月13日(火)

10時30分からの診察予定だったので本来だと9時過ぎには病院に入るが今回は前日に血液検査と検尿の採取も終わっていたため10時丁度ぐらいに外科に入った。呼ばれるのはお昼ごろだろうと覚悟していたが、呼ばれたのは10時20分ごろだったか予定時間より早く呼ばれたのははじめてだった。

診察室のドアを開ける瞬間は、緊張マックスだったが、先生の表情と診察デスクのPC画面に何も表示されていないのを確認した瞬間に安堵感に包まれた。

「異常なし、だったので引き続き抗がん剤の服用を開始しましょう!」

「やったー!嬉しいです!!」と大きな声を出してしまった、妻と涙目で先生を観る。

あまりに嬉しかったので「先生をハグしていいですか?」っと聞くと「それだけは勘弁してください」・・・と苦笑い。

早く診察してくれたのは、主治医の配慮だと思われる・・・心配して待合室で過ごす時間も結構辛いものだが、それを少しでも軽減してくれあげようと思ってくれたんだと思う。

次のCT検査は9月・・・今日からの約3ヶ月は引き続き抗がん剤の服用があるものの普通の生活を送ることができる・・・娘の夏休みには家族で過ごすことができる・・・それがとにかく嬉しかった。

◎UFT+ユーゼルの副作用について

カペシタビン、S-1など同じ5FU系の中では弱い部類とはいえ全く副作用がないわけではない。

服用の1週目から下痢→便秘を繰り返す。便秘に伴って吐き気・頭痛・めまいなどの症状がおきるため週の1日は必ず具合が悪くなって半日又は1日寝て過ごす日があった。

副作用記録を見返した中で服用時間を30分~1時間前倒しに早くすることを試したみた結果、吐き気やだるさなどが改善されることがわかった。

寝る前の服用時間が早くなる、胃の負担が軽くなることで睡眠の質が良くなって副作用が軽くなったのではないか?と推察した。

<横山専務のコメント>

今回の造影CTは原発の大腸がん発覚から1年半、肝臓切除からは約半年、丁度再発するのならばこの時期・・・という再発の所見が見つかりやすい時期の検査だったので7割、8割がた再発が見つかるだろうな・・・と思っていました。

そういった意味でも今回の検査を無事クリアできたことは非常に嬉しかったです。

8月に抗がん剤の服用が終わる予定ですので9月の検査をクリアできれば念願の経過観察に入ることができます。

がんに罹患したことない方にはなかなかわかってもらえないのが残念なところなんですが

①がんはCTやMRI、PETと検査で画像確認できるようになるには一定の大きさが必要である。

②一度でも転移したがんはまず治らない、正確には治るというには手術の後、一定の期間再発の所見が見られないという診断をうける必要がある。

③再発・転移したということは全身にがん細胞が回ってしまっており自分の免疫とがん細胞の闘いがずっと続いている・・・どこかのタイミングでがん細胞の増殖が勝ってしまえば一定の年月、一般的には半年~2年程度をかけてCTなどの画像検査に映る大きさに成長する。※悪性度の高いがんは1ヶ月程度でも肝臓を覆うような大きさになることもある。個人差が非常に大きい。

ということを改めてお伝えしておきたいと思います。

自分の現状は、過去の治療実績からみて3年生存率が50%程度、5年生存率が4割弱となっており、術後2年間の再発率は50%~80%と決して楽観できる状況ではありません。

今回は目の前のハードルを1つ飛び越えることができた・・・というだけに過ぎません。

1日1日普通に生活ができることに感謝して家族のために会社を守るために頑張りたいと思います。

2023年5月16日、日本テレビの「カズレーザーと学ぶ」で紹介されたCAR―T細胞療法について、記事を書いてみました。

〇キメラ抗原受容体(CAR)-T細胞療法とは?

CAR-T療法とは、患者さん自身のT細胞を取り出してがん細胞を攻撃できるように遺伝子導入を行い患者さんに戻すという新しい免疫療法。従来の化学療法に難治性あるいは抵抗性となった血液がんに対して有効性が認められており注目されている。

「キムリア最適使用推進ガイドライン」(一般名:チサゲンレクルユーセル/販売名:キムリア点滴静注)よると、3歳~21歳以下の再発または難治性のCOD19陽性B細胞性急性リンパ芽球白血病患者に対して行われた国際共同臨床試験で日本人2名を含む75名の患者に対して全寛解率81.3%を示した。

また18歳以上の再発又は難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫患者を対象とした国際共同臨床試験で日本人2名を含む81名の患者に対して奏効率53.1%という成績だった。

以上の結果を踏まえて2019年5月15日、厚労省は白血病など血液のがんで高い治療効果が見込まれるキムリア(CAR-T療法)の保険適用を決めた。5月22日から適用開始した。

現段階での治療対象は白血病患者で抗がん剤が効かなった人に限定となっている。

〇CAR―T細胞療法(キムリア)の課題

①製造に5~6週間要すること

②製造コストに約3500万円かかること

③サイトカイン放出症候群などの副作用がおこりやすいこと

④固形がんに対して十分な効果が得られていないこと

〇固形がんに対するCAR―T細胞療法(キムリア)の可能性

B細胞系の白血病であれば、そのほとんどがCD19という標的分子をもっているため、CD19を標的とするCAR-T細胞療法が良く効く。ところが固形がんは共通する目印がなく多様な目印をもつがん細胞が集まっている。これがキムリアが固形がんに効きにくい重要な要因となっている。

身体の免疫を活性化させて腫瘍の中に浸潤させるような免疫細胞のデリバリーシステムを従来のCAR―T細胞を組み込むことにしたのが「PRIME CAR-T細胞(IL-7とCCL19の働きによってリンパ説と同じような状態を腫瘍内部に作りだす)」

CAR―T細胞だけでなく、患者自身の免疫細胞も腫瘍内部に呼び寄せるPRIMECAR-T細胞を使った治療法が固形がんに効果を発揮すると期待されている。

武田薬品工業、小野薬品工業、タカラバイオ等が固形がんに対するCAR-T細胞療法を開発中である。

〇記事資料のリンク先について

今回の記事を書くにあたって参考にした資料のリンク先は以下の通りです。

一部記事については資料より抜粋した箇所もございます、詳細を知りたい方は以下リンク先よりご確認下さい。

〇信州大学ホームページ、医学部小児医学教室

http://www.shinshu-u.ac.jp/faculty/medicine/chair/i-shoni/clinical-study/cart-t.html

〇日本赤十字社/大阪赤十字病院がん診療センター

https://www.osaka-med.jrc.or.jp/cancer2/cart/

〇日本経済新聞/2019年5月15日

https://www.nikkei.com/article/DGXMZO44794650U9A510C1MM0000/

〇がんプラス

https://cancer.qlife.jp/series/as005/article8155.html

〇AnswersNews

https://answers.ten-navi.com/pharmanews/16581/

<横山専務のコメント>

新しい治療法が次々と出てくる中で大きな注目を集めている治療法がキムリアだと思います。白血病においてかなりの治療実績がでているため日本でも保険承認されました。ただ多くの方が罹患している固形がんに関してはまだまだ道半ばといった印象です。

ただ「がんに標的をつけて自分の免疫で攻撃する」といった治療法を開発していくことで薬でがんを治す時代が来る・・・と確信のもてる情報だと思います。

がん患者にとって医学の発展は切なる願い・・ですし、生きる希望を持ちたい・・・ものです。

こういった情報を頭にいれることが生きる希望につながると私は考えています。

これからも気になった情報についてはまとめて発信していきたいと思います。

腫瘍マーカー検査は、がん診断の補助に加えて治療の効果判定を調べるために行う。腫瘍マーカーは、がん細胞の数や、がん細胞が作る物質の量が多くなると値が高くなる傾向がある。しかし、飲酒や喫煙、持病などがん以外の影響により数値が高くなることもあるため腫瘍マーカーだけでがんの診断は確定できない点が注意です。あくまでも参考の1つしてもちいられる。

「CEA」

大腸がんをはじめとして、膵がん、胆管がん、肺がん、食道がん、胃がんなど幅広いがんの参考値として調べられる。正常値「0.1~5.0」5.0以上となると悪性腫瘍を疑うが、肝炎、胃潰瘍、糖尿病、喫煙などでも上昇する。

大腸がんの場合の陽性率は50%~70%

「CA19-9」

膵がん、胆管がん、胃がん、大腸がんなど主に消化器系のがんの腫瘍マーカーとして最も多く用いられる。但し早期のがんでは陽性となることは少ないため主に治療および再発時の参考することが多い。

正常値は37以下

<横山専務のコメント>

CEA、CA-19-9ともにがん全般の腫瘍マーカーとして調べられる数値ですが、CA19-9は主に治療中の患者さんの治療測定を調べるために用いられる、CEAに関しては陽性率が50%程度、他のがんに関しては30%程度のものもあるため信頼性に欠ける・・・というのが本当のところだと思います。

健康診断のオプションとして調べることもできますが、この数値だけで一喜一憂することが危険であることがわかります。

またこの数値に縛られてほしくないという理由で結果を患者にできる限り知らせないという考えの医師もいらっしゃるようです。

私の場合は、大腸がん発症時、肝臓に転移した際もすべて正常値内でした。

「腫瘍マーカーが問題なかったから大丈夫」・・・ではない!ということです。

やはり胃がんの早期発見には胃カメラ、大腸がんの早期発見には大腸カメラ、また身体に異常があったときは放置せずに病院を受診すべきだと思います。

〇UFT+ユーゼル療法とは?

5-FU(一般名:フルオラシル)という殺細胞性の抗がん剤を長時間、身体に留めることで抗がん作用を良く発揮するように改良された経口タイプの抗がん剤。フルオラシルが点滴抗がん剤であるのに対し経口薬のため、入院の必要がなく日常生活への支障が少ない。頭頚部がん、肺がん、乳がん、胃がん、結腸・直腸がん、肝臓がん、胆管がん、膀胱がん、子宮頸がん等幅広いがんの治療に使われている。

経口抗がん剤の中では古いタイプの薬であり、その後「S-1」「カペシタビン」が開発された。そういった意味で経口抗がん剤の中では一番効きの弱い薬と言えるが副作用も弱いため現在では患者の症状に併せて使い分けがなされている。

私が多発転移を起こした場合にはここにベバシズマブ等の分子標的薬をプラスして投与することになると思われる。

〇副作用等症状まとめ

<味覚障害>

1クール目、2クール目ともに服用期間が長くなって薬の成分が蓄積されてくると甘みや塩味がわからなくなった。一番強い時でタルタルソースの味が全くわからなくてマヨネーズの酸味だけが薄っすらわかるような感じになった。

<下痢・便秘>

カペシタビン服用時ほどは強くないものの、定期的に下痢になって夜に数時間トイレを往復するという事象があった。下痢の前には決まって便秘の症状がでた。便秘→下痢→便秘という感じで不調を繰り返す状態だった。

便秘時は酸化マグネシウムで改善が見られたものの、下痢対応策はなく症状がおさまるのを待つしかなかった。夜中に目が覚めて下痢で2時間もトイレにいると次の日の全身の疲労感が強く仕事にも支障が出た。

<手足症候群>

カペシタビンの時はマメに保湿クリームを塗っていたため目立った症状はなかったが、今回油断して対策していなかったところササクレや指先に痛みを感じた。

<口内炎等>

奥歯に痛みを感じたので虫歯かと思い歯科を受診したところ、歯肉炎の診断を受けた。免疫機能が衰えたことにより影響と思われる。ビタミン剤等を服用することで対応した。

〇横山専務のコメント

上記の副作用の他に全身の倦怠感や疲労感などがいつまでも抜けないといった症状もありました。朝起きた段階から徹夜明けのような疲労感があり、仮眠を取らないといけなかったり、栄養ドリンクなどでカフェインを摂取しないと集中力が保てないような感じでした。

ただ、カペシタビンと比べると格段に副作用が軽く吐き気が酷くて食事が取れなかったり、薬を見ただけで反射的に吐き気が起こるようなこともなく楽な印象でした。

抗がん剤を服用する上での基本は、無理なく長く服用続けることが重要なのでカペシタビンやS-1の副作用で苦しんだ方にはUFT療法に変更することを主治医に相談することを勧めても良いかも・・・と改めて思いました。

再発がわかってからツイッターをはじめて情報交換をできたり同じ闘病者と励ましあったり有意義に使いこなしてきたつもりですが、この1、2か月、同じような境遇の方が次々と亡くなっていっており引きずられるような気分が落ち込んでしまいます。

がんとの闘いは恐怖や不安との闘いであることを実感しますね、「最悪に備えて最善を尽くす」この言葉を胸に刻んで1日、1日を大切に過ごしたいと思います。

<がん罹患から治療経過、まとめ>

〇2021年4月の健康診断で便潜血検査陽性

〇福島県沖地震の修繕対応のため精密検査を先延ばし、年末も12月22日に大腸内視鏡検査、その日の診察で大腸がん告知、総合病院へ紹介状。

〇2021年12月30日、造影CT・血液検査等などの精密検査を受けて大腸がんのステージⅠの術前告知を受ける。

〇2022年1月下旬にかけて各種検査、手術日の決定。

〇2022年2月12日に入院、2月14日手術、2月20日退院。

〇2022年3月16日、福島県沖地震発生

〇2022年3月17日の外科診察時にステージⅡハイリスク※脈管侵襲ありで抗がん剤投与推奨との告知を受ける。

〇2022年3月31日、抗がん剤オキサリプラチン投与、左腕麻痺・激痛、嘔吐、食事と水分が取れず寝たきりの状態になる。経口抗がん剤ゼローダ(カペシタビン)の服用中止。

〇2022年4月5日、病院にて点滴投与、副作用が強すぎるため抗がん剤の継続不可。

〇2022年4月6日リハビリ開始、10日過ぎから漸く食事が取れるようになる。

〇2022年4月19日の診察で抗がん剤投与を経口薬のみで再開決定。

〇2022年5月10日から抗がん剤カペシタビン療法スタート

〇2022年8月造影CT検査、血液検査(※腫瘍マーカー)異常なし

〇2022年10月造影CT検査→肝臓に2cm弱の腫瘍あり、血液検査(※腫瘍マーカー)異常なし

〇2022年12月手術前検査、PET・CT検査→肝臓以外の転移の所見なし、肝臓腫瘍4cmまで増悪、血液検査(※腫瘍マーカー)正常値内・異常なし

〇2022年12月20日入院、22日手術、29日退院。

〇2023年2月28日よりUFTユーゼル療法により抗がん剤治療中→現在に至る。

<横山専務のコメント>

私の経験から伝えたいことは・・・

①精密検査を1日も早く受けるべきだった。

②大腸がんは早く発見できれば早いほど治療時間も短いし助かる可能性が高くなる。

③抗がん剤治療は手術よりも辛い

④がん治療は精神的・肉体的にも辛いが、一番辛いのが金銭面である

⑤腫瘍マーカーはあてにならない

がんになる前はどんなに回りから「健康診断を受けた方が良い」「何かあってからでは取返しがつかない」と言われていたとしても他人事のように考えて次の日には忘れていたように思います。また後悔が残るのは精密検査を先延ばしにしてしまったことですね。もっと早く受けていればステージⅡまでいっていなかった可能性があったと思います。

すい臓がんは検査自体のリスクがかなり大きいため、早期に発見するのが難しいがんなんですが、胃がんと大腸がんに関してはゼロ期と呼ばれるポリープで表面に留まっている状態であれば内視鏡検査をした際の検査切除のみで治ってしまうことが珍しくありません、ところがそこから進行してステージⅠ以上になると手術が必要になります。胃と大腸の内視鏡検査は確かに面倒だし怖いものですが、定期的に受けてさえいればがんを早期発見できる有効な手段だと断言できます。

がんの辛さはイコール抗がん剤治療の辛さといっても過言ではないと思います、どの抗がん剤も副作用がとてつもなく辛いですが治る保証はどこにもありません。例えばインフルエンザや風邪の治療に用いられる抗生剤などは約9割の患者に効果があると言われていますが、抗がん剤については一番有効性のあるという薬であっても35%~50%程度にしか効かず、命の危険や日常生活に支障がでるほどの強烈な副作用のあるものがほとんどです。がん治療はここ10年でも大きく進歩したのは事実ですが、それでも患者が求める段階にはとてもほど遠い状況です。

そしてがん治療で一番大変なのが金銭面ですね、どこぞのFPが「がん保険はいらない」と断言してますが。。。それを信じて無保険でいるのはかなりのリスクだと思います。がん治療が入院・手術のみで終わったとして数十万円、抗がん剤が必要になると数百万円かかると思っておかなければなりません。そして、仕事が今までできなくなることの収入の補償をどこに求めるか?・・・がんとわかった時点で一瞬にして現実が変わってしまいます。備えることを重要性を私は体感しました。

そして一番驚いたのが腫瘍マーカーです、正直いって全くあてになりません!!再発してから腫瘍マーカーについて詳しく調べましたが、医師が腫瘍マーカーを見るのは継続的に悪化している場合、ある程度進行している患者さんの治療効果をみるための判定に使う・・・だけであって腫瘍マーカーは膀胱がん以外では全くあてにならないそうです。ですから健康診断などで腫瘍マーカーが正常値内だから安心・・・ではないということです。相当悪化している場合にしか腫瘍マーカーは上がらないという認識でいても良いと思います。

<コメントまとめ>

異常があった時には1日も早く病院へいくこと、自分の身体の状態に関心をもって健康に努めること、そして怖がらずに健康診断含め自分の身体の状態を調べること・・・が重要ですね。2人1人って良くいいますが、遅かれ早かれがんに罹患するものだという認識をもって過ごすことで助かるんだと思います。

あとはやっぱり備えあれば・・・です、保険の重要性を改めて実感しているとともに必要性を訴えていきたいなと思っています。この記事を見てくれた人が少しでもがんで苦しむことのないように・・・と願います。

高額療養費制度とは?

高額療養費とは、同一月(日から月末までに)にかかった医療費の自己負担額が高額になった場合、一定の金額(自己負担限度額)を超えた分が、後で払い戻される制度。医療費が高額になることが事前にわかっている場合には、「限度額適用認定証」を提示する方法が便利。

医療費の家計負担が重くならないよう、医療機関や薬局の窓口で支払う医療費が1ヶ月で上限額を超えた場合、その超えた場合、その超えた額を支給する「高額療養費制度」があります。

平成29年8月から、70歳以上の高額療養費の上限額について、段階的に見直しを行っています。

〇厚生労働省ホームページ~高額療養費制度を利用される皆さまへ~

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/juuyou/kougakuiryou/index.html

〇全国健康保険協会~高額療養費制度について~

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/sb3030/r150/

<横山専務のコメント>

がんに罹患したことがわかったら真っ先に調べて手続きを取るべきなのがこの制度になります。普通の会社員の方の多くが区分ウ又はエに該当すると思われます。

がんの告知を受けるとすぐに大量の検査がはじまって翌月または翌々月には入院・手術→抗がん剤の流れで治療が続いていきます。

私の場合では告知を受けてから手術までの各種検査で10万円~20万円程度、入院・手術で約20万円、抗がん剤治療中は月5万円~10万円程度の費用がかかってる感じです。

抗がん剤治療については、病状にもよりますがステージが低い場合でも6ヵ月程度、ステージが進んでいた場合には手術の前後にプラスして1年以上となることも少なくありません。

がんとの闘いは精神的・肉体的なものはもちろんのこと、金銭的負担も大きいことを健康な時から理解して備えておくことが重要ですね。

がん保険の必要性も改めて感じるところです。こういった情報も体験したからこそ発信していきたいと思います。