洞窟を探検していた。

 

そして、行き止まりの場所に行き着いた。

 

 

目の前に道はなく、大きな岩が上から壁のように立ちはだかる。

 

足元の水面を潜り、岩の下をくぐり抜けた先に、新世界に通じる抜け穴があるようだ。

 

 

 

 (何メートルくらい潜れば、くぐり抜けられるだろうか?)

 

 (息は持つだろうか?)

 

など、さまざまな不安が湧き上がってくる。

 

 

 (息が続かなければ戻ればいい)

 

覚悟を決め、足元の水面めがけて飛び込んだ。

 

 

生まれながらのカナヅチだが、必死で両手両足をバタつかせ、下へ下へと潜った。

 

2メートルほど潜ったあたりで、岩の先端が見えた。

 

 

 (ここをくぐれば向こう側に抜けられる)

 

力を振り絞って、さらに両手両足をバタつかせた。

 

 

ーー岩をくぐり抜けた。

 

 

見上げると、抜け穴が確認できた。

 

あとはそこをめがけて、浮上するだけだ。

 

なんとか息は持ちそうだ。

 

 

 (新世界にはどんな素晴らしいことが待っているのだろう)

 

 

 

ーーーーー

 

 

飛び込んでみなければ、次のステージに進めない場面がある。

 

通過してしまえば、たいした悩みではなかったことがわかるだろう。

 

 

新しい世界へ向かうのに最も必要なことは、努力や経験などではなく、

 

一歩踏み出す「勇気」なのかもしれない。

 

 

★ ★ ★

 

※これはヘミシンクでの体験を基にした物語である。