時に地球は「水の惑星」と呼ばれる。
地表の3分の2が水で覆われており、
近隣の星と比べて水の占める割合が多いからだが、
今回は地球以上に、水の割合が多い海洋惑星の話である。
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『ウォーターワールド』という映画をご存じだろうか。
ケビン・コスナー主演のアメリカ映画で、
温暖化により海面が上昇し、海面惑星となった地球を舞台に繰り広げられるSF作品である。
私が降り立った星は、この『ウォーターワールド』に出てくるような、
地表の99.9%が水で覆われた海洋惑星である。
この星には、人類(厳密には人類に似た生命体だがここでは「人類」や「人々」で表す)が、
わずか0.1%の陸地に暮らしている。
人工の建造物は一切なく、洞窟や洞穴の中に部族単位で暮らしている。
人々の生活はとても質素で、素潜りで獲った魚や海藻などの海産物を食料としている。
服装は、局部を布で隠しただけの簡素なもので、
とても原始的な暮らしに見える。
この星に住む人々には、地球の人類にはない能力が備わっている。
その能力とは…第六感である。
第六感が発達していることによって、
・事故やケガを未然に防ぐ
・危険な物(毒など)を避けられる
・病気にならない(薬もいらない)
などの危機管理能力が備わっているため、寿命をほぼ全うできる。
仕事や働くという意識がなく、暇さえあれば天空に祈りを捧げている。
そして常に天空とつながっている。
お金という概念がなく、物々交換や助け合いの精神で成り立っている。
そのため争いもほぼない(皆無ではない)。
時々、自分が食べるためではなく、交換条件を上げるため、
獲った魚を長持ちさせるために防腐剤のようなものを加えたり、
おいしそうに見せるため甘味料のような人工物を加える不届き者が現れるが、
第六感が発達しているこの星の人々には通じず、犯人はすぐに捕まり罰せられる。
「自然に対する冒涜」
このような犯罪が、この星では一番の重罪であるようだ。
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「肉体を持ち、天空とつながり、自然と共に生きる。」
もしかすると、この星は、人類にとっての理想郷であるかもしれない。
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※これはヘミシンクでの体験を基にした物語である。