リスペクト

 

人間性って、どのように育つものだと思いますか?

 

「人間性」の定義がそもそも人によって、違うかもしれませんね。

ちなみに、辞書には、「人間の本性。人間としての生まれつきの性質。人間らしさ。」とあります。

 

 

この週末、滋賀県で行われた日本子ども虐待防止学会では、様々なインプットをして、考えた3日間でした。

 

まず、CDR(チャイルド・デス・レビュー)の模擬会議を見て、会議のプロセス自体が地域の子育て力をアップしていくものであると分かりました。

 

つぎに、アタッチメント形成支援の症例では、気になる養育行動(例えば、赤ちゃんがお母さんを追いかけてきているのに、抱き上げて顔を見るという行動をしない等)があった時、どのように気づきや変化を促していくか?という支援の事例を学びました。

(その事例では、私はお母さんの背景に、ケア葛藤もあるように思いました。)

 

さいごに、大阪公立大学の伊藤嘉余子教授、大阪府立花園高等学校に藤井健志先生、京都市立京都奏和高等学校の井上翔一先生による、子どもたちのアドボカシー力の支援「デザイン国語」のペア・ワーク!「真に」子どもの声を聞くことの難しさを体感することができました。とにかく、すごく楽しかった!!

 

■デザイン国語

https://www.designkokugo.com/

 

ワークをしていて、我が家では、子どもが小さい頃に「お母さんって、心のノックがうまいよね。どうやるの?」と聞かれたことを思い出しました。

 

当時、「え?何?ノックって!?」と思いましたが、子どもが自分の気持ちや意見が分からない、どういう風に心の中からそれらを探し当てて、詳細に特定をして、言語化したらよいか分からないから、教えて欲しいという意味だと思いました。

そして、私たちは「ノックの練習」と題して、会話によって、意見を引き出したり、自分の考えを掘り下げる練習をはじめました。

 

私は近道をしたいし、早く子どもの気持ちを理解したいし、すぐに掘り下げたくて、結構ドスン!と「どうして?(Why?)」を多用してしまっていたことに気づかされました。

 

「デザイン国語」では、「何が起きたの?(What happened?)」「どういう気持ちだった?(What do you feel?)」など、”What”や”Which”で聞いていきますが、これがなかなか難しかったです。

 

そして、定義(子どもの意見)を掘り下げるプロセスのなかで、相手から出てきた興味深い一言のもっと「奥」が知りたくなって、別の話題を掘り下げてしまいたくなる衝動に何度も駆られました・・・(笑)脱線・・・!!(笑)

 

会話って本当に面白いですね!

 

そして、ペアワークの発表では、私は、こんな感じで発表しました。

 

「子どもたちが自分自身を幸せにするために、私が大切にしたいことは、

健康と生活習慣をバランスよく身につけること、そのスキルや知識、子どもが自分の現在位置を分かっていることです。

 

なぜなら、やはり健康は全てのベースになるからです。そして、とくに家事を身につけることは、全ての子どもが自分の生活をするために必要なことだからです。子どもの頃から、健康の維持と生活習慣を身につけていれば、大人になった時にラクです。だから、自分の健康と生活習慣を大切にすることが、自分で自分を幸せにすることのできる子どもを育てるために大切なことです。」

 

 

そして、私以外の3人の先生が「人間性」を挙げていて、先生方の発表にも気づきをいただきました。

 

人間性って、どうやって育つのでしょうか?

 

私自身は先ほどの辞書のような狭義の理解だったように思いました。

他の先生方のなかには、社会性やコミュニケーション力など、広範囲に渡る定義をされている方もいらっしゃって、学ばせていただきました。

 

他にもいろいろと品川に持ち帰り、私の事務局でミーティングをしましたが、

 

・保護者や養育する大人の人間性は、とても大切ではないか?

・保育園、幼稚園、学校、地域など、人間性の備わっている大人たちと小学校低学年くらいまでのうちに、なるべく多く関わるとよいのではないか?

・保護者、養育する方々、子どもを支えてくださっている人間性の備わっている大人たちが幸せで、ニコニコ、ご機嫌でいる状態でいられるよう、支えていくことも重要ではないか?

・気づきがあった際や困った時に頼れる信頼できる人たちや専門職の方々が地域にいると、自分が受け入れづらい現状や原因も、すっと受け入れやすく、納得しやすいのではないか?

 

などの意見がありました。

 

 

人間性のなかでも、「今」、私は他者を尊重・リスペクトする「心」と「態度」に注目しています。

 

福澤諭吉の「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」を思い浮かべますが、私のまわりには、他者をリスペクトする心のある方々が多く、ありがたいと感じます。

 

どうしても他者をリスペクトすることが難しいという方には、心は変えられなくても、まずは態度を変えることならできますね。

 

人生というのは、「傷つき」→「気づき」→「修正」→「変容」の繰り返しで、人間性のサイクルをグルグルと回しながら、(その時期や、回し方や、速度は人それぞれですが、)

人間性の備わった人には、類は友を呼ぶという言葉があるように、同じく長い年月をかけて、人間性を育ててきた温かい人々のなかで、幸せな人生を共に歩んでいく、という現象が起きやすいかもしれません。

 

 

皆さんは、人間性って、どうやって育てるのだと思いますか?