万博会場におけるメタンガス等の発生について
(2025.4追記)
・メタンガスは人体に対する毒性は無く、空気より軽いため、埋立地から放出されると空気中では直ちに拡散・希釈される。通常利用時に地上面での引火や爆発の可能性は考えにくい。
・2024年の工事中引火は地下ピット(閉鎖空間)に溜まったものに工事中の火花が引火したもの。
・メタンガスの検出は最終処分場跡地や自然発生のものも含めて事例は多く夢洲特有のものではない。
・計測を続けた結果、パビリオン工区での検出はほとんどみられず共産党議員が計測したものも含めグリーンワールド工区(ライブ会場方面)のトイレ付近に複数回計測されている。
・開催後の対応については換気や計測など行い万全の体制を敷く。
・テロの可能性にまで言及しだすと、通常イベントより多くの警備体制を敷きテロ訓練も行い、かつ火器持ち込み禁止などのセキュリティチェックのある万博会場のみならず、通常の花火大会や最終処分場を活用した野外ライブ、そのほかプロパンガス等を使用するイベント全てに同様のテロの可能性など否定はできない。
・大事なことなので再度、メタンガスは人体に対する毒性は無く、空気より軽いため、埋立地から放出されると空気中では直ちに拡散・希釈される。通常利用時に地上面での引火や爆発の可能性は考えにくい。
記事本文↓
この度、博覧会協会より事案の概要と安全対策及び専門家からの意見について公表されましたので共有しますとともに、抜粋・要約して下記にお示しいたします。
安全対策を万全に行い、皆様にご心配なくご利用頂けるよう取り組みを進めておりますので何卒引き続きよろしくお願いします。
・メタンガス等に関する会期中の安全対策(概要)
https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/uploads/240624_gas_anzen_digest_2.pdf
・メタンガス等に関する会期中の安全対策(本文)
https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/uploads/240624_gas_anzen_taisaku_3.pdf
・万博会場内におけるメタンガス等の検知状況
https://www.expo2025.or.jp/wp/wp-content/uploads/1.pdf
以下、上記の「安全対策(本文)」より要約・抜粋
夢洲1区(GWグリーンワールド)
夢洲1区は一般廃棄物と上下水道汚泥等の廃棄物最終処分場として、1985 年に埋め立てが開始されており、現在は大阪広域環境施設組合が焼却残滓のみの埋立処分を行っております
最終処分場では、埋め立てられた廃棄物に含まれる有機物が埋め立て層内において、微生物により分解が進む過程で、メタンガス等が発生するとされています。
このため、夢洲1区(最終処分場)では地中に滞留するガスを効率的に大気へ放散させ、安定化を促進するためにガス抜き管が設置されています。
グリーンワールド(GW)工区 測定
<測定結果のまとめ>
1.5vol%(=労働安全衛生規則の作業基準値30%LEL)を超えるメタンガスを検知したのは東トイレ近辺に限定され、他の建物内でも検知されているが、最大でも 0.3vol%と低濃度のものである。
一般的に廃棄物処理場では、埋立廃棄物中の有機物が腐敗・分解してメタンガスや炭酸ガスが発生するとされています。
(※メタンガスは人体に対する毒性は無く、空気より軽いため、埋立地から放出されると空気中では直ちに拡散・希釈されます)
<考 察>
埋立終了後から廃棄物処理場の廃止に至るまでの間、暫定的に土地を利用することは、各地で行われてきており、埋立地から発生するガスの特性を十分認識して測定・検知・換気など適正な対応を講じ、測定値がそれぞれの基準値を大きく逸脱していない場合は、安全な土地利用を行うことが可能とされています。
GW (グリーンワールド)工区についても、継続的な測定・調査により濃度等を把握し、十分な換気対策等を実施することで、安全に会場をご利用いただけると考えています。
パビリオンワールド(PW)工区 測定
<測定結果のまとめ>
電気・通信設備の地下ピット 284箇所中 280箇所でメタンガスは検知されませんでした。
メタンガス検知のあった4箇所での10営業日連続測定ではメタンガスは検知されませんでした。
また、これまでの作業入構時の測定結果では、ガス検知後、一定期間経過(最短期間29日)しなければメタンガスを検知しませんでした。
これらのことから、検知のあった4箇所の地下ピットにおけるメタンガスの侵入は日々あってもごく微量であり、蓋を開ける自然換気により排出され、ガスが検知されない状態になったと考えられます。
<考 察>
一般的に海底や古くは海であった大阪平野・南関東地域などでは有機物や腐植土を含む地層があり、有機物の分解によって発生するメタンガスが分布・点在すると考えられています。
PW エ区については、電気・通信設備の地下ピット等においてメタンガスが検出されましたが、一般的に考えられるメタンガス発生機構であることから、継続的な測定・調査、検知箇所での換気対策等を実施し、測定値がそれぞれの基準値を大きく逸脱していない場合は、安全に会場をご利用いただけると考えています。
ではなぜ事故は発生したか
<事故の原因>
GW工区内 屋外イベント広場横 東側トイレ一階にて、床下の配管ピット直下となる土壌から発生した埋立ガスが、配管ピット内に入り滞留し、ガス濃度が高くなっていた。
配管ピット内においては自然換気や機械換気を作業開始前に実施し、ガス濃度が基準値未満であることを確認する手順を踏んだうえで作業を開始していたが、作業する範囲が地上階であり、配管ピット内はガス濃度測定の対象エリア外であると認識していた。
結果、1階床上での火気を使用した作業時に、床コンクリート下の配管ピット内のガス濃度を測定せず、火気使用作業を行い火花が引火したことが、ガス爆発の直接的な原因と推測される。
※横山メモ
メタンガスは空気より比重が軽く空気中では拡散希釈される。
本件は①地下の配管ピットに滞留していたこと②そこに火花が落ちたことが主因。通常の興行利用では発生が想定されないような態様での事案と考えられる。
会期中の安全対策
GW 工区
次の3つの柱で対策を講じ、来場者等の安全に万全を期します。①ガス侵入の抑制②侵入したガスの適切な換気③ガス濃度測定の継続実施とガスが滞留した場合の早期検知
PW工区低濃度のガスが検知された地下鉄工事上部エリア、GW工区からのガス流入が懸念されるGW区近接エリアのガス濃度測定を重点的に行い、その結果を踏まえて、雨水排水、電気設備等の地下構造物のマンホール等の換気(通気孔の設置やマンホール等の蓋の開放)を実施。上記エリアでのガス濃度測定を実施するとともに、ガスが検知された箇所等で換気を実施。
引き続き博覧会協会、経済界、国、府、市、事業者のみなさんと連携して工事を安全に進め、会期中も安心してご利用いただけるよう万全を尽くして参ります。