そもそも一人あたりに割り戻すのは本質的な議論ではありません。費用も、効果も。


もし「一人あたり費用の算出」が意味のある議論でありかつ世に報じる価値があるのであれば「一人あたり効果の算出」も意味のある議論です。


経済効果一人あたり24万円


費用一人あたり2万7千円


共に実際支払う額でもなければ実際財布に入る額でもありません。


実に非建設的議論となった今回の経緯を取り急ぎ振り返ります。



まず一人あたり費用については昨年から議会での議論がありましたが、万博の事業費を市民の人口で割り戻したらいくらになるか、というものでした。


万博の事業費は国、府、市、経済界で負担するものですが、この市負担分を人口で割り戻した金額が議会で質問され、さらにメディアに報じられました。


再三答弁や会見で述べましたが、事業費歳出の元となる歳入の構成は市民税以外にも法人税や交付金、地方債などがあり、そもそも人口で割り戻したところで一人あたり実際に負担する額ではありません。


あと打つのも大変なので過去記事引用しますが、単純にこの理屈でいくと年間100兆円の国家予算の大阪市民負担は一人100万円となり、年間3兆8千億円の大阪市全会計予算の市民一人あたり負担額は120万円ですので、一人220万円を年間負担しています。

うちは5人家族なので、「1100万円年間負担」していることになります。

あと国借金は1200兆円だから一人1200万か、5人家族で6000万の借金。


府の歳出分も加算されるからもっと。地方交付税とか公債とかぶっとばした計算ですが、そもそもがこの議論は乱暴な議論なのでご容赦ください。

 

以上、事業費を一人あたり人口で割り戻したところで実際に支払う金額でも実際にサービスが減る金額でもない。ということです。


議会の議論だけで終わっておけばいいものをメディアがこれを報じました。



さらに年が明けまた議会でこの議論が取り上げられたことから、再度メディアが報じるに至りました。


万博の費用の議論は重要です。やらねばならない。総額としてなぜその費用なのか、なぜ値上がりしたのか等。


ところがそれを「一人あたりで割り戻す」なんてことは本質的議論でもなく、万博の準備の進むいまのステージにおいて尚、わざわざ実際市民一人一人が負担する額ではないものを「一人あたり費用」と報じることは、あまりにネガティブキャンペーンが過ぎる。


こういった経緯を受け、本日、経済効果を人口で割り戻した数値について質疑があったため答弁がなされました。



見現時点(3/12 22:53)で費用を報じた上で、効果も見出しで報じたのは朝日新聞だけ。


万博の発信がこういった形になり大変後味が悪い。


繰り返しになりますが、費用も経済効果も一人あたりに割り戻して議論することは本質的議論ではありません。



そもそも、今回事業費を単純に割り戻した額について質問があり、意味のない数値であることを述べていたとしても答弁してしまったことが原因のひとつ。これは全て私の責任。


都構想218億円の議論のようにならぬよう、馬鹿げた数値でも表に出してきっちり説明すれば正しく伝わる、変に拒否すると逆に隠しているように思われ火をつけて意味がある数値かのように取扱かわれ、最終的に変な形で報じられるよりは表に出して説明した方が良いかもしれない、との判断もありました。


しかし結局は意図せぬ形で拡がり、不安を煽ることに繋がってしまった。


今後は、どんなに「単純な計算」だとしても非建設的な「たられば」の数値は絶対に答弁しないよう改めて徹底したいと思います。



万博の議論で重要なことは、その意義や内容をしっかり発信していくこと。


160カ国が参加し、それぞれの国の最先端技術や文化が展示されます。











日本はもちろんのこと、世界中の人達が真摯に開催に向けて取り組みを進めています。何より日本を信じてくれています。


開催地であるこの街で、前向きで建設的な議論や発信ができるよう努めていきます。