IR事業につき自民党広報から消極的発信?
夢洲埋め立て費用の上振れなど議論は多々ありますが、そもそも本IR事業について国会でも前向きに議論を進めてきた自民党が、事業リスクの指摘などという枠をはみ出してあたかも事業実施を反対ないし世論を反対に誘導するのはいかがなものかと思います。
必要な議論は議会でもしっかりやります。
情報の公開や埋め立て・建設費用の抑制議論など必要でしょう。
あとそもそも夢洲や左岸線は万博・IRに関わらず整備が必要です。
ただ、「事業リスクの指摘などという枠をはみ出してあたかも事業実施を反対ないし世論を反対に誘導する」ことは非建設的ないわゆる「反対のための反対」であり、そういった議論は大阪の成長に寄与するものではありません。
またこれを大阪自民がやってるなら「またやってる」で終わりますが、自民党広報がこれをツイートしているのを見て目を疑いました。
📌問われる「維新」の政治姿勢 大阪IR計画を党大阪市会議員団が鋭く追及 #自由民主先出し #ニュース #購読者募集https://t.co/Cb7mARYClO
— 自民党広報 (@jimin_koho) March 8, 2022
え、市議団じゃなくて、党が?
自民党がIRに後ろ向きな広報!!??
現在大阪府市においてIR誘致の議論が進んでいます。
もちろん本事業推進については大阪だけでの意思決定では成しえないもので、これまで長い国会での議論があり法制化されている状況です。
その過程で自民党は制度推進にまさに中心的な役割を担いここまで進めてきました。
維新憎しで大阪批判が強まってますが、坊主にくけりゃ袈裟まで。自らが進めてきた政策に矢を向けるのであれば政権与党として聊か情けないものです。
自民府議団の一部は筋をとおし主張を曲げずに議論する姿勢ですが、党広報までもこれではあまりに頼りなく感じます。
非常に重要なことなので何度も書きます(本記事3回目の記載)が、
建設費用抑制のための建設的議論といった事業リスクの指摘、修正提案などという枠をはみ出してあたかも事業実施を反対ないし世論を反対に誘導するのはいかがなものかと思います。
自民党市議団の広報誌をみても、いつものことながら建設的提案は何らありません。
これではれいわ新撰組や共産党、立憲民主党と同じです。反対のための反対であり、推進すべき自民党としての主張とは到底感じられません。
責任政党を自負するのであれば、問題提起の上、いかにすべきかのビジョンを示すべきです。
四回目になりますが、事業リスクについて議論することは必要です。が、推進する立場として如何に考えるかの対案がないのであればれいわ新撰組よりタチが悪い。
さて、IR推進に関する法整備についてざくっと経緯を記載しておきます。
↓
IR(統合型リゾート)推進の経緯
特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律(平成28年12月26日法律第115号)の経緯
2016年(平成28年)12月6日 衆院本会議
自由民主党と日本維新の会などの賛成多数で可決
公明党は自主投票、日本共産党は反対し、民進党・社会民主党・自由党は退席
2016年(平成28年)12月14日
参議院本会議で、自由民主党と日本維新の会・日本のこころなどの賛成多数で修正
公明党は自主投票、野党の民進党・日本共産党・自由党・社会民主党は反対
2016年(平成28年)12月15日
衆議院本会議で参議院の回付案について、自由民主党と日本維新の会の賛成多数で同意
公明党は自主投票、民進党・日本共産党・自由党・社会民主党は反対
特定複合観光施設区域整備法の経緯
(特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律の実施法にあたるもの)
2018年(平成30年)4月27日
政府は第196回国会に特定複合観光施設区域整備法案を提出
同年6月19日 衆議院本会議にて賛成多数で可決
同年7月20日 参議院本会議で可決、成立
他にも関連記事リンクを掲載しておきます。
IR整備法に基づく基本方針の決定等について(国土交通省観光庁)
自民国交部会ら合同会議/IR基本方針変更案了承/21年10月から申請受付開始(日刊建設工業新聞)
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IRについて議論が多々あることは当初から想定の範囲内であり、事業推進について議論百出になることは相応の覚悟をしていました。
IRを推進していくのであれば、事業継続のリスクなど説明責任に立ち向かい、事業推進の覚悟を示すことこそ重要です。
それに目を背け、自らが推進してきた事業について維新憎しで攻撃対象とすることは、自民党の姿勢として極めて残念に感じます。
さてここで少しだけ大阪IRの趣旨について触れます。
大阪IR(統合型リゾート)の趣旨
IRに関するパンフレットについて(大阪府市)
IR議論の現在
今年に入り夢洲埋め立て費用の上振れや、夢洲アクセスにも位置付けられている淀川左岸線事業費の上振れについて議論になっています。
リスクどこまで膨らむ 夢洲・IR誘致(大阪日日新聞)2022年2月24日
夢洲整備費用については港湾特別会計「港営事業会計」内で起債し、IR用地の賃料などの収入を基に償還。大阪市は港営会計に資金不足は生じないと想定しています。
今後議会などを通じて様々な議論がなされることになるかと思います。
土壌改善対策については事業者負担、とのご意見もありますのでこちらは府民意見への回答を転載します。
【府民意見】
土壌汚染・液状化対策の費用は、これまでどおり事業者に負担させるべきである。
【回答】
土壌汚染対策、液状化対策等のIR事業用地の土地課題については、IRは国内外から毎年約2,000万人の来場者が訪れる国際観光拠点の核となる大規模集客施設であることから、IR事業用地としての適性確保が必須であり、そのような土地に起因する所有者としての責任に加えて、大阪臨海部のまちづくりなどの政策的な観点も踏まえ、土地所有者として大阪市が負担することとしています。
なお、大阪港湾局における埋立地の土地処分において、分譲促進の観点から、2015年度より、汚染残土の発生による事業者の負担増加については、負担が増加することがないよう対応しています。
以下は関連リンク。
府民意見など募集への回答は大変参考になります。
「大阪・夢洲地区特定複合観光施設区域の整備に関する計画」(案)に対する府民意見等の募集結果について
「負の遺産」で進む巨大工事 大阪・関西万博の会場「夢洲」 かつては干潟…地盤改良も進む(関テレ 2021/12/20(月))
建設工事の上振れ?
厳密に費用を見積もるべきですが、大型の事業になると事業費用の上振れは当然過去にも存在します。
直近では東京オリンピック。当初「立候補ファイル」では、大会の予算は当時の段階で7340億円。それが最終的には1兆4530億円の投資がなされてます。約2倍に膨らんだことになります。
五輪経費「数字遊びに過ぎない」 なぜ膨らみ続ける?(朝日新聞デジタル 2020年12月22日)
だから今回の事業費上振れもオッケー!な訳はありません。可能な限り厳密に見積もり上振れは発生させないようにすべきです。
ただし大型の事業になれば当初予測されていないリスクも顕在化し万全を期すため事業費用の上振れがなされるケースは稀ではない、という点です。
あとそもそも夢洲の造成事業は万博のばの字もIRのあの字(Iの字?)もない時からの計画であり、そもそもこれまで市民の莫大な税の投資がなされてきました。にもら関わらず長きにわたり放置されぺんぺん草ボーボーの状態だった。
大阪自民が築き上げてきた「大阪の負の遺産」を「成長の起爆剤」とするために長い議論が続いている次第です。
過去の経緯も省みず、大阪の負の遺産を活用する一手について、自民党が国を挙げて議論してきた施策とともに前に進めていた時に、非建設的な「反対のための反対」を繰り返すのであれば、到底責任政党とは呼べません。
今後も事業費や事業リスクについてはしっかり議論しつつ、大阪の成長と発展の一つの施策として建設的議論を進めていきたいと強く思います。
なんか書き足りないことがいっぱいあるので思いついたときに随時追記して参ります。